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お兄様Incoming
PHASE-01
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いや、もう本当…………。極寒だぜ……。
結局、来てしまった。
北は豪雪のイーロン。
一面、銀世界。
なんだこの超展開!? 一緒に夕飯行ったと思ったら、こんな所にいるよ? 時渡りかな?
包み込むような、優しい説得を受けていた記憶はある。
――さぶい……。近くに暖かなスープ売ってないかな。
とりあえず、グライフ君のふんわりな体で暖をとりたい。
「なんで、俺まで……」
そりゃ、貴男が元々受けていた案件ですからね。
局長が局で指揮する立場なら、現場での指揮は整備長でしょう。だからいるんですよ。そんな事も分からないくらい頭の中まで凍ってしまいましたか? そのまま全身カチコチになればいいのに。
口開いて返したいけども、開けると冷気が体の内部にまで入ってくるから、口開きたくない。
早いとこ、イーロンの整備局に行きましょう。
――――なんか、寂しい風景だな。
極寒の地だから、農作物もろくに取れない場所って事で、古来より侵攻は無かったと聞く。
それを証明するかのように、城壁も低い。
ちょっとした梯子をかければ、直ぐにでも壁上に登れる。
極寒だけども、平和な土地なのかもしれない。だからこそ、無法者みたいに暴れるのが近くの山にいると、怖くて生活も不安になるのかもね。
まったく! 迷惑な隣人のおかげで、僕たちまで迷惑だよ!!
――衛兵もいないんだね。そもそも、街の入り口には門すら無い。
こんな所もあるんだね。
――ふむん。なんだろうね。寒さが原因なのか、それとも迷惑な近隣住人が原因なのか知らないけども、街の中に入れば、人々に活気がない。通る人、通る人、言い方が悪くなるけども、
「しけた顔してんな~」
「そういうこと言わない。皆、疲れてるんだよ」
うっす。申し訳ないです。ロールさんに叱られた。
整備局員、揃って寒冷地用のコートに身を包み、耳を隠せる毛皮の帽子であるウシャンカを被っている。
砂漠の後の豪雪地帯は堪えるよ。
流石にこうも寒いと、街商ってのは無いんだね。一軒一軒、ちゃんとした店がある。ガラスの向こう側を覗き込めば、閑散とした品揃え。
王都と比べると、あまりにもひどい状況だ。
「到着だ」
グライフ君を引き連れて、煉瓦造りの馬小屋に入れてから、側にある、丸太を積み重ねた壁で出来ているログハウス建築である、イーロンの整備局に入り込む。
早いとこ寒さから解放されたいから、ドアを開けて、三人転がり込むように入る。
「ありゃ?」
もう一つドアがある。
なるほど、二重にして外気を入れないようにしてるのか。
もう一つのドアノブを手にしてから開く。
「は~」
安息が訪れた気分だ。
温かい。暖炉最高。それに、暖炉からいい匂いもしている。
暖炉の中には鍋が吊されている。グツグツと美味しそうな音を耳朶に届けてくる。色からしてホワイトシチューかな? 美味しそうだ。
――暑いね。流石に、この暖房が効いた空間でこの服装は暑い。
「どうも。ブートガイ整備長」
小走りで、現れたのは小太りな男性。薄めの金髪に、色白の肌。薄めの水色の目と――、色素をどこかに置き忘れているのかな? と、思える薄さ。
これが、美人なら言う事ないんだろうけどね。小太りのおじさんじゃね……。
トンと、ロールさんに肘打ちを脇腹に見舞われた。
どうやら、また顔に出てしまっていたようだ。ロールさんを真似て笑顔で一礼。
「どうも、ペトロム整備長。アームラン局長はご不在ですか?」
整備長の返しに、小太りな方ことペトロム整備長の顔は渋面に変わる。
どうやら局長は、心労で現在まともに職務を行えないようで、自宅で療養と、簡単な書類整理だけをこなしているそうだ。
「寒かったでしょう、局員の昼食ももうすぐなので、ご一緒に」
ここでは、食事を皆で行うみたいだ。
外で食べるにしても、この雪の中をわざわざ歩いて店に行くというのは無いとの事、必然的に家飯が多く、食事処の店舗は少ない。
仕事終わりに、仲間達と外に酒でも飲みに出れば、店内の方々は大抵が顔なじみばかりだそうだ。店舗数が少なく、遠方から訪れる方も少ないからこそ、そういう状況になるみたいだ。
「あったかい」
これは助かる。暖炉でさっきまで暖められていたシチューが、僕たちの前にも出される。後はライ麦パン。
家から弁当持参の人もいる。そんな方はシチューをもらって、弁当と一緒に食している。
「美味しい」
でも、なんか物足りない。味に深みがない。
具が少ないのが理由かな。先ほど、食料販売の店を外から覗かせてもらったけど、商品がなかったからね。まあ、暖かいから、それだけで美味しさが伝わる環境下だけども。
お弁当の方々のも覗かせてもらえば、なんか、具のないサンドイッチって感じだな。具の厚みが無い。
もはや、ただのパン。
ここでも、トンと、肘打ちをくらってしまった。
【あまり見渡さない。失礼だよ】と、アイコンタクトが送られる。
いやしかし、わびしいな。
演習を思い出せば、一気に豪華な食事なんだけども、毎日、具の少ない状態だと、色々とストレスだろうね。皆さん。
「申し訳ないね。あまり、ボリュームがなくて」
しまった。方々に視線を飛ばしてたから、ペトロム整備長にいらぬ世話をやかせてしまった。
「とても美味しいですよ。先ほどまで寒空の下でしたから。人心地つきました」
何とか回避。
「やはり、物流の関係ですか?」
と、ここでロールさんが助け船を出してくれる。
その台詞に首肯で返す、ペトロム整備長。
甲鎧王さんの雪中戦の訓練が原因で、街道が雪崩で通行止め。
それを抗議しても、高圧的な態度で、違反金を支払う。
支払う以上は文句は言えない。
お金は入ってくるけども、毎回こんな状況で、旅商人もイーロンに来るのをためらっている。
なので、雪中訓練を止めてもらいたいと願い出れば、胸ぐら掴まれて、脅される。その脅した事にも違反金が発生なのか? と、小馬鹿にしながら、お金を渡して、強制的に帰らせる。
なに? そのすんごい嫌なセレブ。
お金さえ払えば万事解決な考え方。嫌いやわ~。
違反金を支払われると、何も言えないこっちも情けないけどさ……。
公務員、ちゃんと、支払う相手にはめっぽう弱い立場です。
結局、来てしまった。
北は豪雪のイーロン。
一面、銀世界。
なんだこの超展開!? 一緒に夕飯行ったと思ったら、こんな所にいるよ? 時渡りかな?
包み込むような、優しい説得を受けていた記憶はある。
――さぶい……。近くに暖かなスープ売ってないかな。
とりあえず、グライフ君のふんわりな体で暖をとりたい。
「なんで、俺まで……」
そりゃ、貴男が元々受けていた案件ですからね。
局長が局で指揮する立場なら、現場での指揮は整備長でしょう。だからいるんですよ。そんな事も分からないくらい頭の中まで凍ってしまいましたか? そのまま全身カチコチになればいいのに。
口開いて返したいけども、開けると冷気が体の内部にまで入ってくるから、口開きたくない。
早いとこ、イーロンの整備局に行きましょう。
――――なんか、寂しい風景だな。
極寒の地だから、農作物もろくに取れない場所って事で、古来より侵攻は無かったと聞く。
それを証明するかのように、城壁も低い。
ちょっとした梯子をかければ、直ぐにでも壁上に登れる。
極寒だけども、平和な土地なのかもしれない。だからこそ、無法者みたいに暴れるのが近くの山にいると、怖くて生活も不安になるのかもね。
まったく! 迷惑な隣人のおかげで、僕たちまで迷惑だよ!!
――衛兵もいないんだね。そもそも、街の入り口には門すら無い。
こんな所もあるんだね。
――ふむん。なんだろうね。寒さが原因なのか、それとも迷惑な近隣住人が原因なのか知らないけども、街の中に入れば、人々に活気がない。通る人、通る人、言い方が悪くなるけども、
「しけた顔してんな~」
「そういうこと言わない。皆、疲れてるんだよ」
うっす。申し訳ないです。ロールさんに叱られた。
整備局員、揃って寒冷地用のコートに身を包み、耳を隠せる毛皮の帽子であるウシャンカを被っている。
砂漠の後の豪雪地帯は堪えるよ。
流石にこうも寒いと、街商ってのは無いんだね。一軒一軒、ちゃんとした店がある。ガラスの向こう側を覗き込めば、閑散とした品揃え。
王都と比べると、あまりにもひどい状況だ。
「到着だ」
グライフ君を引き連れて、煉瓦造りの馬小屋に入れてから、側にある、丸太を積み重ねた壁で出来ているログハウス建築である、イーロンの整備局に入り込む。
早いとこ寒さから解放されたいから、ドアを開けて、三人転がり込むように入る。
「ありゃ?」
もう一つドアがある。
なるほど、二重にして外気を入れないようにしてるのか。
もう一つのドアノブを手にしてから開く。
「は~」
安息が訪れた気分だ。
温かい。暖炉最高。それに、暖炉からいい匂いもしている。
暖炉の中には鍋が吊されている。グツグツと美味しそうな音を耳朶に届けてくる。色からしてホワイトシチューかな? 美味しそうだ。
――暑いね。流石に、この暖房が効いた空間でこの服装は暑い。
「どうも。ブートガイ整備長」
小走りで、現れたのは小太りな男性。薄めの金髪に、色白の肌。薄めの水色の目と――、色素をどこかに置き忘れているのかな? と、思える薄さ。
これが、美人なら言う事ないんだろうけどね。小太りのおじさんじゃね……。
トンと、ロールさんに肘打ちを脇腹に見舞われた。
どうやら、また顔に出てしまっていたようだ。ロールさんを真似て笑顔で一礼。
「どうも、ペトロム整備長。アームラン局長はご不在ですか?」
整備長の返しに、小太りな方ことペトロム整備長の顔は渋面に変わる。
どうやら局長は、心労で現在まともに職務を行えないようで、自宅で療養と、簡単な書類整理だけをこなしているそうだ。
「寒かったでしょう、局員の昼食ももうすぐなので、ご一緒に」
ここでは、食事を皆で行うみたいだ。
外で食べるにしても、この雪の中をわざわざ歩いて店に行くというのは無いとの事、必然的に家飯が多く、食事処の店舗は少ない。
仕事終わりに、仲間達と外に酒でも飲みに出れば、店内の方々は大抵が顔なじみばかりだそうだ。店舗数が少なく、遠方から訪れる方も少ないからこそ、そういう状況になるみたいだ。
「あったかい」
これは助かる。暖炉でさっきまで暖められていたシチューが、僕たちの前にも出される。後はライ麦パン。
家から弁当持参の人もいる。そんな方はシチューをもらって、弁当と一緒に食している。
「美味しい」
でも、なんか物足りない。味に深みがない。
具が少ないのが理由かな。先ほど、食料販売の店を外から覗かせてもらったけど、商品がなかったからね。まあ、暖かいから、それだけで美味しさが伝わる環境下だけども。
お弁当の方々のも覗かせてもらえば、なんか、具のないサンドイッチって感じだな。具の厚みが無い。
もはや、ただのパン。
ここでも、トンと、肘打ちをくらってしまった。
【あまり見渡さない。失礼だよ】と、アイコンタクトが送られる。
いやしかし、わびしいな。
演習を思い出せば、一気に豪華な食事なんだけども、毎日、具の少ない状態だと、色々とストレスだろうね。皆さん。
「申し訳ないね。あまり、ボリュームがなくて」
しまった。方々に視線を飛ばしてたから、ペトロム整備長にいらぬ世話をやかせてしまった。
「とても美味しいですよ。先ほどまで寒空の下でしたから。人心地つきました」
何とか回避。
「やはり、物流の関係ですか?」
と、ここでロールさんが助け船を出してくれる。
その台詞に首肯で返す、ペトロム整備長。
甲鎧王さんの雪中戦の訓練が原因で、街道が雪崩で通行止め。
それを抗議しても、高圧的な態度で、違反金を支払う。
支払う以上は文句は言えない。
お金は入ってくるけども、毎回こんな状況で、旅商人もイーロンに来るのをためらっている。
なので、雪中訓練を止めてもらいたいと願い出れば、胸ぐら掴まれて、脅される。その脅した事にも違反金が発生なのか? と、小馬鹿にしながら、お金を渡して、強制的に帰らせる。
なに? そのすんごい嫌なセレブ。
お金さえ払えば万事解決な考え方。嫌いやわ~。
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公務員、ちゃんと、支払う相手にはめっぽう弱い立場です。
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