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お兄様Incoming
PHASE-09
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「気の強い。俺に対して平手とは、ますます気に入った」
「いたっ」
はたいた手を掴まれて、痛みに顔が歪んでいる。
掴んだ手をグイッと引っ張り、ロールさんを無理矢理抱きしめやがった!
コイツ、マジでゆるさね!
「おい! あんたいい加減にしろ!」
怖がっていたのに、ロールさんの状況に、整備長が大音声。
ギロリと睨まれて、身を弓なりにしつつも、
「こんな事が、他の魔王幹部の耳に入ればどうなるか分かってるのか。特に我々はカグラ氏と良好な関係だぞ」
「だから?」
「は?」
「関係ないだろう。炎竜王も、不死王も、魔王も」
え? 魔王? 様つけないの? なんなのこいつ。
まさか、離反しようとしているのか? 鉄で稼いだお金でも使って、一大勢力を作り上げて、邪神に続いて第四の勢力となるつもりだろうか?
「この事は伝えますよ」
震えながらも食指を甲鎧王に向ける整備長。
甲鎧王は周囲を見渡し、
「ハハハハ――」
高らかに笑い、またも周囲を見渡す。
「「「「ハハハハハハ」」」」
それに追従して回りも笑い始める。なんなんだよコイツ等。
てか、いい加減ロールさんを開放しろ! 苦しそうだろうが!
「何がそんなにおかしいんですか!」
ロールさんの苦悶の表情を目にして、ついつい怒りの声を上げてしまう僕。ついでに甲鎧王へと詰め寄って、ロールさんを引き離すように、腕を掴んで引きはがそうとする。
「気安く触るなよ! 男が!」
「あぶし!」
殴られてしまった……。最悪だ。こいつ、整備局員を殴りやがった。
これはイーロンの方々も怖がるってもんだ。
「ピート君!」
「大丈夫か!?」
クッソー。僕が勇者なら、速攻で討伐対象にしてやるのに。
床の上を派手に転がされてしまった。
軽く、殴られてこれだからね。一般人ではやはり辛いね…………。
こうやってさ、殴る事で恐怖を植え付けさせるんだろうね。で、抵抗出来ないようにさせる。
それを目にするロールさんにも恐怖を植え付ける事で、抵抗を諦めさせ、手込めにする。
典型的なごろつきのやり方だね。
「貴男ね。殴るのは駄目でしょうが」
「うるせえ!」
整備長、頑張ってはみたけども、迫力に負けてしまったようで、うつむいてしまった。
まあ、ここで口を出せただけでも素晴らしい事ですよ。
あ~痛い。左目から涙が出てるねこれ。むかつくわ~。胸元に入れてる銃を勢い余って手にしたくなるよ。
でも、ロールさんを抱きしめてるから、そうもいかないし。相手が暴力を行使したから力で対抗なんて、公務員視点から考えれば、前時代的行為。それが許されるのは、戦う方々だけだ。
なので――――、あ……、足に来る。生まれたての馬の気持ちが分かる。
立ち上がればガクガクな足ですよ。
「なんだよ?」
「放してもらえます」
鱗みたいな腕から開放しようと、必死になって掴む。こういう抵抗しか出来ないし、それ以外はするべきじゃない。というか、殴られた怒りで、半ばやけくそなんだけどね。
一発殴られただけで、こんなにも顔真っ赤な僕は相当に幼いですな。
僕以上に顔真っ赤にしてるのが、甲鎧王のくそったれなんだけどさ。
「邪魔」
馬鹿にしてるみたいだけど、表情に怒気が見えてるよ。
宙を舞いながらも、その顔をはっきりと見てやった。
「もうやめてください」
怒りというか、悲壮の混じった声のロールさん。
いや~、これあれだね。泣かせたなこの野郎は! まあ、僕が殴られるからだろうけども。
これは許せないね。
直ぐに立ち上がってやった。暴力には屈しませんから。
「生意気だなこのガキは! オイ」
顎なんかしゃくってさ、直ぐに僕の事を配下の奴らが拘束してきた。
口の中が、鉄っぽい味がして気分悪くなる。
「あんたな! 流石にやり過ぎだぞ。こっちは話しに来てるんだ。普通はな、一席設けるくらいの対応するんだよ!」
一席設けるって……。政治屋じゃないんですから。
気の抜けるような事を怒り任せに言いますね。下向いたと思っても、僕が殴られると、そこはちゃんと怒りの感情を見せるなんて、上司らしく見えますよ。
「こんな対応なら、我々は炎竜王殿を通して、魔王殿に抗議させてもらいますからね。さっさと、うちの若いのを放せ!」
おお、かっこいいですよ。凄んだ感じで、脅しが利いてますね。いいですよ。公務員としての力を遺憾なく発揮していきましょう。
「ハハハハ――」
また笑ってら。やっぱり離反を考えているのかな。
「言いたきゃ言え。俺にはもう魔王なんて関係ない」
やっぱりか! こんなのが野放しになったら、また荒れた世界になりそうだ。その前に魔王さんや勇者さん達が何とかするだろうけども、それらを相手にしても平気なくらいの力を持っているのか? じゃなきゃこんな事も出来ないだろうし。
「大体、俺はな、仕方なく魔王軍に入っていただけだ。本来の俺は、邪神パンゲア様の忠臣中の忠臣なのよ。あの御方が復活された以上。もう、魔王なんかの下にいる理由なんてねえ! お前等の首でも魔王に送りつけて、宣戦布告というのも有りだな」
高らかに笑い始める。先ほど同様に、周りも笑い始めたけども――――、
僕たちは、無表情。
コイツは馬鹿なのか? と、そんな視線しか送れない。
外の情報はろくすっぽ耳に入れていないのかな? 邪神が復活した事で、有頂天になって、それ以外は耳に入れてないのかな? おたくが抱きしめてる方は、その邪神の教団から女神認定されてる方なんですけども。
更にお前が忠誠を誓う邪神からは、義妹と言われて愛されてるよ。
「パンゲア様は、美しい女を好む。俺が、直ぐにでも邪神様を喜ばせるための体に、今からねっとりと時間をかけて仕込んでやるからな」
無理矢理、横抱き、つまりはお姫様だっこで、この玉座の間から移動しようとしている。
「ロールちゃん」
ここで、整備長の大音声。
「言ってよし!」
拇指を立てるや、それを床の方に向けるサムズダウンで二の句を継いだ。
僕の方にも、【いいのかな?】と困惑な視線を向けてきたので、僕は仕方が無いんじゃないですかね。とばかりに、渋面になりながらも、首肯で返してあげた。
銃なんて必要なかったんや……。今となってはそう思ってしまう。
だって、今からロールさんが口にする台詞で解決だもの。
甲鎧王は何を言うつもりなんだとニヤニヤと笑ってる。
そりゃそうだ。ここで口を開いて、何か解決出来るものなら言ってみろって感じだろうからね。
ロールさん、大きな吸気を行ってから、恥ずかしそうにしつつ、正直、言いたくないという逡巡感を表情に出しながらも、嘆息と一緒に口を開いた。
「助けてください、おにい――――」
「我、参上!」
「いたっ」
はたいた手を掴まれて、痛みに顔が歪んでいる。
掴んだ手をグイッと引っ張り、ロールさんを無理矢理抱きしめやがった!
コイツ、マジでゆるさね!
「おい! あんたいい加減にしろ!」
怖がっていたのに、ロールさんの状況に、整備長が大音声。
ギロリと睨まれて、身を弓なりにしつつも、
「こんな事が、他の魔王幹部の耳に入ればどうなるか分かってるのか。特に我々はカグラ氏と良好な関係だぞ」
「だから?」
「は?」
「関係ないだろう。炎竜王も、不死王も、魔王も」
え? 魔王? 様つけないの? なんなのこいつ。
まさか、離反しようとしているのか? 鉄で稼いだお金でも使って、一大勢力を作り上げて、邪神に続いて第四の勢力となるつもりだろうか?
「この事は伝えますよ」
震えながらも食指を甲鎧王に向ける整備長。
甲鎧王は周囲を見渡し、
「ハハハハ――」
高らかに笑い、またも周囲を見渡す。
「「「「ハハハハハハ」」」」
それに追従して回りも笑い始める。なんなんだよコイツ等。
てか、いい加減ロールさんを開放しろ! 苦しそうだろうが!
「何がそんなにおかしいんですか!」
ロールさんの苦悶の表情を目にして、ついつい怒りの声を上げてしまう僕。ついでに甲鎧王へと詰め寄って、ロールさんを引き離すように、腕を掴んで引きはがそうとする。
「気安く触るなよ! 男が!」
「あぶし!」
殴られてしまった……。最悪だ。こいつ、整備局員を殴りやがった。
これはイーロンの方々も怖がるってもんだ。
「ピート君!」
「大丈夫か!?」
クッソー。僕が勇者なら、速攻で討伐対象にしてやるのに。
床の上を派手に転がされてしまった。
軽く、殴られてこれだからね。一般人ではやはり辛いね…………。
こうやってさ、殴る事で恐怖を植え付けさせるんだろうね。で、抵抗出来ないようにさせる。
それを目にするロールさんにも恐怖を植え付ける事で、抵抗を諦めさせ、手込めにする。
典型的なごろつきのやり方だね。
「貴男ね。殴るのは駄目でしょうが」
「うるせえ!」
整備長、頑張ってはみたけども、迫力に負けてしまったようで、うつむいてしまった。
まあ、ここで口を出せただけでも素晴らしい事ですよ。
あ~痛い。左目から涙が出てるねこれ。むかつくわ~。胸元に入れてる銃を勢い余って手にしたくなるよ。
でも、ロールさんを抱きしめてるから、そうもいかないし。相手が暴力を行使したから力で対抗なんて、公務員視点から考えれば、前時代的行為。それが許されるのは、戦う方々だけだ。
なので――――、あ……、足に来る。生まれたての馬の気持ちが分かる。
立ち上がればガクガクな足ですよ。
「なんだよ?」
「放してもらえます」
鱗みたいな腕から開放しようと、必死になって掴む。こういう抵抗しか出来ないし、それ以外はするべきじゃない。というか、殴られた怒りで、半ばやけくそなんだけどね。
一発殴られただけで、こんなにも顔真っ赤な僕は相当に幼いですな。
僕以上に顔真っ赤にしてるのが、甲鎧王のくそったれなんだけどさ。
「邪魔」
馬鹿にしてるみたいだけど、表情に怒気が見えてるよ。
宙を舞いながらも、その顔をはっきりと見てやった。
「もうやめてください」
怒りというか、悲壮の混じった声のロールさん。
いや~、これあれだね。泣かせたなこの野郎は! まあ、僕が殴られるからだろうけども。
これは許せないね。
直ぐに立ち上がってやった。暴力には屈しませんから。
「生意気だなこのガキは! オイ」
顎なんかしゃくってさ、直ぐに僕の事を配下の奴らが拘束してきた。
口の中が、鉄っぽい味がして気分悪くなる。
「あんたな! 流石にやり過ぎだぞ。こっちは話しに来てるんだ。普通はな、一席設けるくらいの対応するんだよ!」
一席設けるって……。政治屋じゃないんですから。
気の抜けるような事を怒り任せに言いますね。下向いたと思っても、僕が殴られると、そこはちゃんと怒りの感情を見せるなんて、上司らしく見えますよ。
「こんな対応なら、我々は炎竜王殿を通して、魔王殿に抗議させてもらいますからね。さっさと、うちの若いのを放せ!」
おお、かっこいいですよ。凄んだ感じで、脅しが利いてますね。いいですよ。公務員としての力を遺憾なく発揮していきましょう。
「ハハハハ――」
また笑ってら。やっぱり離反を考えているのかな。
「言いたきゃ言え。俺にはもう魔王なんて関係ない」
やっぱりか! こんなのが野放しになったら、また荒れた世界になりそうだ。その前に魔王さんや勇者さん達が何とかするだろうけども、それらを相手にしても平気なくらいの力を持っているのか? じゃなきゃこんな事も出来ないだろうし。
「大体、俺はな、仕方なく魔王軍に入っていただけだ。本来の俺は、邪神パンゲア様の忠臣中の忠臣なのよ。あの御方が復活された以上。もう、魔王なんかの下にいる理由なんてねえ! お前等の首でも魔王に送りつけて、宣戦布告というのも有りだな」
高らかに笑い始める。先ほど同様に、周りも笑い始めたけども――――、
僕たちは、無表情。
コイツは馬鹿なのか? と、そんな視線しか送れない。
外の情報はろくすっぽ耳に入れていないのかな? 邪神が復活した事で、有頂天になって、それ以外は耳に入れてないのかな? おたくが抱きしめてる方は、その邪神の教団から女神認定されてる方なんですけども。
更にお前が忠誠を誓う邪神からは、義妹と言われて愛されてるよ。
「パンゲア様は、美しい女を好む。俺が、直ぐにでも邪神様を喜ばせるための体に、今からねっとりと時間をかけて仕込んでやるからな」
無理矢理、横抱き、つまりはお姫様だっこで、この玉座の間から移動しようとしている。
「ロールちゃん」
ここで、整備長の大音声。
「言ってよし!」
拇指を立てるや、それを床の方に向けるサムズダウンで二の句を継いだ。
僕の方にも、【いいのかな?】と困惑な視線を向けてきたので、僕は仕方が無いんじゃないですかね。とばかりに、渋面になりながらも、首肯で返してあげた。
銃なんて必要なかったんや……。今となってはそう思ってしまう。
だって、今からロールさんが口にする台詞で解決だもの。
甲鎧王は何を言うつもりなんだとニヤニヤと笑ってる。
そりゃそうだ。ここで口を開いて、何か解決出来るものなら言ってみろって感じだろうからね。
ロールさん、大きな吸気を行ってから、恥ずかしそうにしつつ、正直、言いたくないという逡巡感を表情に出しながらも、嘆息と一緒に口を開いた。
「助けてください、おにい――――」
「我、参上!」
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