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お兄様Incoming
PHASE-11
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その一撃は、甲鎧王の自慢の黄金の鎧を粉々にし、生まれる衝撃で、拳を振るった方向には、それはそれは巨大な穴が出来た。
――――なんという事でしょう。あっという間に外へと続く道が完成しました。
外気の寒さが届いて、身が震えるよ。なので、それにかこつけて、ロールさんを強めに抱きしめてしまう。
抵抗もないので、嫌がられていない事に喜びを覚える。
我だけを見ろ――――か……。ただの右ストレートなんだけども、大仰な名前であり、ダサいし!
なるほど――。ハッタさんのダサい技名は、邪神にインスパイアされたんだな。
今回の邪神の一撃でそれが理解出来たよ。
というか、死んでないよね?
「起きろ!」
「はっ!」
すげー! 邪神の一言で、吹き飛んでいた甲鎧王が、一瞬にして邪神の前で跪いた姿勢。
痛みはあるようで、一撃の辛さからか、肩で息をしている。
「我の義妹を慰み者にしようとしたのは事実か」
「パンゲア様に捧げる前に技を仕込んでおこうかと……」
「じゃかましゃぁぁぁぁぁぁぁああ」
やかましいと言いたかったようだ。
もうね、怒りからね、呂律が回ってないよ。神なのに……。
「何が技を仕込むだ汚らわしゃぁぁぁぁぁぁ!」
壊れてますな。完全に壊れております。目が渦巻きみたいになっているように見えるのは、僕が殴られた衝撃で、脳に何かしらの障害が出ているからなのかな?
自分の義妹に毒牙にかけようとしていた相手に、お兄ちゃんの怒りは臨界点を突破しており、絶賛、顔真っ赤。スーツの色に負けないくらいに真っ赤か。
「義妹様とはつゆ知らず、大変申し訳ない事を!」
「死ね! とにかく我だけを見ろ」
「ぶっへ……」
とにかく我だけを見ろ。か……。ただの右ハイキックなんだな。
断末魔と共に、宮殿の天井に二つ目の穴が出来て…………、穴というのは訂正か……。天井の一部がなくなってしまった。
寒いよお兄様。雪がガンガン入ってきてるよ。
「お前は、お前で、いつまで義妹と抱きあっとんじゃ!」
僕に矛先を向けないでいただきたい。寒いから暖め合ってるんですよ。最高ですよ。羨ましいでしょ。
「怖い目にあったんですよ。もう少しこうしていて上げないと、可哀想でしょ」
この状況を終わらせてたまるかと、何とか正当化させるために異議を唱えて、ロールさんを抱きしめた状態を維持する。
「怖かったですよね?」
ロールさんにも賛同を得たいと願いつつ問う。
――――首肯で返してくれた。やったぜ!
その姿に邪神は地団駄ふんで羨ましがっている。
「それもこれも、甲鎧王さんと配下の方々が悪いと思います」
「ばあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁる!」
発言を耳にしてくれると、蒸気でも口から出してるのかと思えるくらい勢いある白息を吐き出しつつ、配下の方々に目を向ける。
「ちなみに、配下の方々も、ロールちゃんに淫らな行為をしようとしました」
悪魔が取り憑いたかのような、口が三日月の形になっている整備長が、これが俺の復讐だ。整備局員を脅しやがって! 地獄を見てこいと、拇指で自分の首を掻っ切るようなジェスチャーから舌を出してのサムズダウン。
「いや、違うんですよ」
「そうです、俺たちやってません」
「やったのあいつです」
と、簡単に、甲鎧王にしばかれて、隅っこで転がっている方を一斉に指さしている。
どうしても助かりたいと思っているようだ。
「止めなかった時点で、全員同罪じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
でも、そこは邪神。邪悪な存在。許してくれるわけがない。
まあ、暴れる暴れる。頭掴んで、振り回しては、投げたり叩き付けたり、悲鳴と鎧の金属音が奏でる阿鼻叫喚な地獄絵図を作り出していく。
慈悲があるとすれば、命までは取らないでいることか。
ロールさんがいる手前、流血はあっても殺戮は無しの方向。
暴れる邪神をまるで自分が操っているかのような立ち位置で、空席になった玉座に座って葉煙草を楽しんでいる姿は、久しぶりに整備長に怖いという感情を抱いてしまった。
「ハハハハハハ――――――ッ」
ほら見てくださいよロールさん。
あの整備長の笑い。
さっきの甲鎧王と配下たちが見せた笑いよりも、邪悪で大きなものですよ……。
もう少しこの温もりを堪能したいけども、
「ロールさん。そろそろ、止めてください」
これ以上、整備長を調子づかせるのもよくないからね。
ゆっくりと、離れていく感覚はなんとも寂しいもの。先ほどまで感じていた暖かなところが、外気に触れる事で、温もりが奪われる感覚はもの悲しいね。
「あの、もういいです。落ち着いてください」
「うむ」
うわ~。本当に一言で止まるんだな……。
すげ~な。邪神を完全に手なずけてるよ。
上襟から手を入れて沿わせて下襟へ。さんざっぱら暴れた事で、乱れたスーツを整えると、静かになった。
――。
皆様、見事に鎧を砕かれて、床で痙攣しております。酷い方は天井やら壁にめり込んだ状態。
全員に指さされた方は、甲鎧王にしばかれただけでなく、無理矢理に起こされてから天井に向かって投げつけられ、頭が天井に突き刺さり、プラプラとぶら下がっている。
見ようによっては、地獄をモチーフにしたアートに見えなくもないかな? うん。見えね~よ。
――で、ここの主は何処に行ったのだろうか?
とにかく我だけを見ろなる右ハイキックを見舞われてからというもの、姿が見えないんだけども。
「あの、甲鎧王さんは?」
流石に、このままでは収拾も付かないので、ここの代表者である方の事を心配し始めるロールさん。
「来い!」
「はっ!」
先ほど同様に、邪神の一言で瞬時に戻ってきて、邪神の前で跪いている。自分で忠臣と言うだけあって。お呼びとあらば即参上だ。何となく体育会系の匂いがするな。
――――なんという事でしょう。あっという間に外へと続く道が完成しました。
外気の寒さが届いて、身が震えるよ。なので、それにかこつけて、ロールさんを強めに抱きしめてしまう。
抵抗もないので、嫌がられていない事に喜びを覚える。
我だけを見ろ――――か……。ただの右ストレートなんだけども、大仰な名前であり、ダサいし!
なるほど――。ハッタさんのダサい技名は、邪神にインスパイアされたんだな。
今回の邪神の一撃でそれが理解出来たよ。
というか、死んでないよね?
「起きろ!」
「はっ!」
すげー! 邪神の一言で、吹き飛んでいた甲鎧王が、一瞬にして邪神の前で跪いた姿勢。
痛みはあるようで、一撃の辛さからか、肩で息をしている。
「我の義妹を慰み者にしようとしたのは事実か」
「パンゲア様に捧げる前に技を仕込んでおこうかと……」
「じゃかましゃぁぁぁぁぁぁぁああ」
やかましいと言いたかったようだ。
もうね、怒りからね、呂律が回ってないよ。神なのに……。
「何が技を仕込むだ汚らわしゃぁぁぁぁぁぁ!」
壊れてますな。完全に壊れております。目が渦巻きみたいになっているように見えるのは、僕が殴られた衝撃で、脳に何かしらの障害が出ているからなのかな?
自分の義妹に毒牙にかけようとしていた相手に、お兄ちゃんの怒りは臨界点を突破しており、絶賛、顔真っ赤。スーツの色に負けないくらいに真っ赤か。
「義妹様とはつゆ知らず、大変申し訳ない事を!」
「死ね! とにかく我だけを見ろ」
「ぶっへ……」
とにかく我だけを見ろ。か……。ただの右ハイキックなんだな。
断末魔と共に、宮殿の天井に二つ目の穴が出来て…………、穴というのは訂正か……。天井の一部がなくなってしまった。
寒いよお兄様。雪がガンガン入ってきてるよ。
「お前は、お前で、いつまで義妹と抱きあっとんじゃ!」
僕に矛先を向けないでいただきたい。寒いから暖め合ってるんですよ。最高ですよ。羨ましいでしょ。
「怖い目にあったんですよ。もう少しこうしていて上げないと、可哀想でしょ」
この状況を終わらせてたまるかと、何とか正当化させるために異議を唱えて、ロールさんを抱きしめた状態を維持する。
「怖かったですよね?」
ロールさんにも賛同を得たいと願いつつ問う。
――――首肯で返してくれた。やったぜ!
その姿に邪神は地団駄ふんで羨ましがっている。
「それもこれも、甲鎧王さんと配下の方々が悪いと思います」
「ばあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁる!」
発言を耳にしてくれると、蒸気でも口から出してるのかと思えるくらい勢いある白息を吐き出しつつ、配下の方々に目を向ける。
「ちなみに、配下の方々も、ロールちゃんに淫らな行為をしようとしました」
悪魔が取り憑いたかのような、口が三日月の形になっている整備長が、これが俺の復讐だ。整備局員を脅しやがって! 地獄を見てこいと、拇指で自分の首を掻っ切るようなジェスチャーから舌を出してのサムズダウン。
「いや、違うんですよ」
「そうです、俺たちやってません」
「やったのあいつです」
と、簡単に、甲鎧王にしばかれて、隅っこで転がっている方を一斉に指さしている。
どうしても助かりたいと思っているようだ。
「止めなかった時点で、全員同罪じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
でも、そこは邪神。邪悪な存在。許してくれるわけがない。
まあ、暴れる暴れる。頭掴んで、振り回しては、投げたり叩き付けたり、悲鳴と鎧の金属音が奏でる阿鼻叫喚な地獄絵図を作り出していく。
慈悲があるとすれば、命までは取らないでいることか。
ロールさんがいる手前、流血はあっても殺戮は無しの方向。
暴れる邪神をまるで自分が操っているかのような立ち位置で、空席になった玉座に座って葉煙草を楽しんでいる姿は、久しぶりに整備長に怖いという感情を抱いてしまった。
「ハハハハハハ――――――ッ」
ほら見てくださいよロールさん。
あの整備長の笑い。
さっきの甲鎧王と配下たちが見せた笑いよりも、邪悪で大きなものですよ……。
もう少しこの温もりを堪能したいけども、
「ロールさん。そろそろ、止めてください」
これ以上、整備長を調子づかせるのもよくないからね。
ゆっくりと、離れていく感覚はなんとも寂しいもの。先ほどまで感じていた暖かなところが、外気に触れる事で、温もりが奪われる感覚はもの悲しいね。
「あの、もういいです。落ち着いてください」
「うむ」
うわ~。本当に一言で止まるんだな……。
すげ~な。邪神を完全に手なずけてるよ。
上襟から手を入れて沿わせて下襟へ。さんざっぱら暴れた事で、乱れたスーツを整えると、静かになった。
――。
皆様、見事に鎧を砕かれて、床で痙攣しております。酷い方は天井やら壁にめり込んだ状態。
全員に指さされた方は、甲鎧王にしばかれただけでなく、無理矢理に起こされてから天井に向かって投げつけられ、頭が天井に突き刺さり、プラプラとぶら下がっている。
見ようによっては、地獄をモチーフにしたアートに見えなくもないかな? うん。見えね~よ。
――で、ここの主は何処に行ったのだろうか?
とにかく我だけを見ろなる右ハイキックを見舞われてからというもの、姿が見えないんだけども。
「あの、甲鎧王さんは?」
流石に、このままでは収拾も付かないので、ここの代表者である方の事を心配し始めるロールさん。
「来い!」
「はっ!」
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