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洋上
PHASE-03
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現在、男性陣で大丈夫なのは、僕と店主さんだけですね。
「いや~儲けた儲けた」
ロールさんのおかげでかなりの利益が出たようで、ご満悦だ。
「さて、いい時間だし、帰ろうか」
何事もなく、しっかりとした足取りで歩き出す姿よ……。
外に出れば、もう暗い。
曇りだったこともあり、夕方でも夜に近いね。
「お、美人様がこんな店から出て来るとは、流石にワギョウでイベント有るから、各地から集まって来てるのかな~」
夜の部の先駆け的お客さんと、すれ違い様に軽く会釈。
ロールさんを目にして感想を口に出しつつ、羽根飾りの付いた帽子を被った恰幅のいい男性は、僕たちと入れ替わって店内へ――――、
「何じゃこりゃ!?」
スイングドアの向こうから、店内の状況に対しての驚きの声。しっかりと僕の耳朶に届きましたよ。
――――。
おお! 昨日とは打って変わって快晴だね。
宿屋の二階から窓を開けて、夏の潮風が運んでくる涼を受けつつ港を眺める。
前日、漁に出れなかった方々が、行動がとれなかった分、今の時間から漁にでようと石畳の上をふらつきつつも急ぎ足だ。
遅めだよね。日の昇らないうちから行動のはずなんだけどな。
――多分だけど、昨日の酒場で酔い潰された方達と推測出来る……。
でも急ぐ足は足止めをくらう。
本日は人の流れが、港へと集中しているからだ。
あの中のどれくらいが参加するんだろうか?
海より先に、人の荒波の洗礼を受けている漁師の方達は気の毒だった。
「というか、僕たちもあそこに行くのか……」
人の事を気の毒と思っている状況じゃないな。
――――。
港に辿り着くまでが一苦労だったよ……。
まさか、港近くの宿から、ここまで半刻もかかるなんて……。
「ここから更に時間かかりそうだね」
ですね。流石のロールさんでもこれは疲れるみたいだ。いつも元気なのに、人混みで酔ったみたい。
整備長はというと……。
「帰りたい。もしくはグライフで行きたい」
しゃがみ込んで愚痴ばかりこぼしている。この人の場合、疲れもだろうけど、二日酔いが今の不調の原因を大きく締めている。
馬鹿ですね。
昨日、酔いつぶれた方々は、先ほどの漁師さん達みたいに動けてるのかな? ワギョウが目的の方もいるだろうし、未だに酒が残って動けないとかないよね? 責任は持てませんよこちらは、
ドレークさん、この人の波の中にいるのかな?
――――進まないな……。これ、乗船証のやり取りで時間かかってるんだろうね。船に乗ったら、直ぐにでも横になろう。
――――。
やっとだよ……。
並んでから一刻も立たされてたよ……。
乗船証を見せて、僕たちが乗る客船へと案内される。
港の端まで歩かされる。
乗る前から精神的に疲れたもんだから、だらけて歩いてしまう。帆布製の肩掛けカバンのズレを整えつつ、眼前に見えてきたのが、
「整備局万歳」
壮麗にして華美、勇壮な姿。
船首から船尾にかけて真っ白だ。
立派なマストが三本。横帆からなるシップ型帆装だ。
大きいぞ! こんなのに乗れるなんて僕ビックリ。精神的な疲れも、立派な客船を前に吹っ飛んでいった。
「本当にこれですか?」
「おう、ロールちゃんをしょぼいのには乗せられねえからな」
貴男が頼んだわけじゃないでしょう。局長が気を利かせてくれたんでしょ。
ワギョウにも整備局を設置出来るように、その為の地ならし頑張ってくれと奮発してくれたんですよ。きっと。
――――変なオチはないよね? 実をいうと、この白い客船の奥に小さな船があった~とか……。
そんなベタベタなのはいらないからね――――。
――――よかった。やっぱりこの船だ。
船から、舷梯を下ろしてくれる。
船員さんが、僕たちに一礼。上ってきてどうぞってことだね。
凄いぞ! お金持ちになった気分だ。
左舷から上る時に目に入ってきた、希望という金文字。
この船の名前だね。
「ようこそ」
おお、なんか海の男だから、厳ついのかと思ったら、小綺麗な制服を着ている方々ばかりだ。
「疲れた~」
荷物を甲板に投げ置いて、船端に体をだらりと預けて、海の方を見ながら一服し始める整備長。
体に悪いのは理解しているけども、何だろうか、海で葉煙草――――。
咥えて火を付ける。どうしようもないおっさんなのに、その所作だけで格好良く見えてしまう、船と海が織りなす効果。
昨日も、波止場で同じような格好良さがあったし、僕も将来は煙草を吸うべきか――。
まあ、そんなんで格好つけるより、人間力で格好良くなるように頑張ろう。
僕たち以外の乗客は、文字通り上客な方々。お金持ちな服装の面々だ。
「まもなく出港ですので、船内にお入りください」
船員の方の誘導で、甲板から下に続く階段を下りていく。
僕たちは二等客室か。流石に一等とはいかないよね。
雑魚寝になるのかな――――。
「へ~」
感嘆の声を漏らしてしまった。
「これで二等か。流石は力の入った客船だ」
ですね。整備長も僕同様に、床に敷物でも敷いて寝る、雑魚寝だと思ってたみたいだけど、凄いぞ、二段式のベッドがたくさん並んでいる。
しかも、プライベート空間にも重きを置いてくれているようで、ベッドの四方には間仕切りカーテンが施されている。
これ……、相当に奮発してくれたね。
ありがとうございます! 局長。
王都の方角に向かって、ついつい手を合わせてしまった。
「制限もあるけど、体も拭けるって」
大事なことですよね。僕もそこは都会っ子。最悪お風呂に入れなくても、体が拭けるのはありがたい。ロールさんと二人揃って、笑顔だ。
貴重な水も、この客船では使用出来る許容範囲が広いようだ。他の船ならまずあり得ないだろう。
もう一度、王都に向かって、感謝の気持ちを込めて手を合わせた。
「いや~儲けた儲けた」
ロールさんのおかげでかなりの利益が出たようで、ご満悦だ。
「さて、いい時間だし、帰ろうか」
何事もなく、しっかりとした足取りで歩き出す姿よ……。
外に出れば、もう暗い。
曇りだったこともあり、夕方でも夜に近いね。
「お、美人様がこんな店から出て来るとは、流石にワギョウでイベント有るから、各地から集まって来てるのかな~」
夜の部の先駆け的お客さんと、すれ違い様に軽く会釈。
ロールさんを目にして感想を口に出しつつ、羽根飾りの付いた帽子を被った恰幅のいい男性は、僕たちと入れ替わって店内へ――――、
「何じゃこりゃ!?」
スイングドアの向こうから、店内の状況に対しての驚きの声。しっかりと僕の耳朶に届きましたよ。
――――。
おお! 昨日とは打って変わって快晴だね。
宿屋の二階から窓を開けて、夏の潮風が運んでくる涼を受けつつ港を眺める。
前日、漁に出れなかった方々が、行動がとれなかった分、今の時間から漁にでようと石畳の上をふらつきつつも急ぎ足だ。
遅めだよね。日の昇らないうちから行動のはずなんだけどな。
――多分だけど、昨日の酒場で酔い潰された方達と推測出来る……。
でも急ぐ足は足止めをくらう。
本日は人の流れが、港へと集中しているからだ。
あの中のどれくらいが参加するんだろうか?
海より先に、人の荒波の洗礼を受けている漁師の方達は気の毒だった。
「というか、僕たちもあそこに行くのか……」
人の事を気の毒と思っている状況じゃないな。
――――。
港に辿り着くまでが一苦労だったよ……。
まさか、港近くの宿から、ここまで半刻もかかるなんて……。
「ここから更に時間かかりそうだね」
ですね。流石のロールさんでもこれは疲れるみたいだ。いつも元気なのに、人混みで酔ったみたい。
整備長はというと……。
「帰りたい。もしくはグライフで行きたい」
しゃがみ込んで愚痴ばかりこぼしている。この人の場合、疲れもだろうけど、二日酔いが今の不調の原因を大きく締めている。
馬鹿ですね。
昨日、酔いつぶれた方々は、先ほどの漁師さん達みたいに動けてるのかな? ワギョウが目的の方もいるだろうし、未だに酒が残って動けないとかないよね? 責任は持てませんよこちらは、
ドレークさん、この人の波の中にいるのかな?
――――進まないな……。これ、乗船証のやり取りで時間かかってるんだろうね。船に乗ったら、直ぐにでも横になろう。
――――。
やっとだよ……。
並んでから一刻も立たされてたよ……。
乗船証を見せて、僕たちが乗る客船へと案内される。
港の端まで歩かされる。
乗る前から精神的に疲れたもんだから、だらけて歩いてしまう。帆布製の肩掛けカバンのズレを整えつつ、眼前に見えてきたのが、
「整備局万歳」
壮麗にして華美、勇壮な姿。
船首から船尾にかけて真っ白だ。
立派なマストが三本。横帆からなるシップ型帆装だ。
大きいぞ! こんなのに乗れるなんて僕ビックリ。精神的な疲れも、立派な客船を前に吹っ飛んでいった。
「本当にこれですか?」
「おう、ロールちゃんをしょぼいのには乗せられねえからな」
貴男が頼んだわけじゃないでしょう。局長が気を利かせてくれたんでしょ。
ワギョウにも整備局を設置出来るように、その為の地ならし頑張ってくれと奮発してくれたんですよ。きっと。
――――変なオチはないよね? 実をいうと、この白い客船の奥に小さな船があった~とか……。
そんなベタベタなのはいらないからね――――。
――――よかった。やっぱりこの船だ。
船から、舷梯を下ろしてくれる。
船員さんが、僕たちに一礼。上ってきてどうぞってことだね。
凄いぞ! お金持ちになった気分だ。
左舷から上る時に目に入ってきた、希望という金文字。
この船の名前だね。
「ようこそ」
おお、なんか海の男だから、厳ついのかと思ったら、小綺麗な制服を着ている方々ばかりだ。
「疲れた~」
荷物を甲板に投げ置いて、船端に体をだらりと預けて、海の方を見ながら一服し始める整備長。
体に悪いのは理解しているけども、何だろうか、海で葉煙草――――。
咥えて火を付ける。どうしようもないおっさんなのに、その所作だけで格好良く見えてしまう、船と海が織りなす効果。
昨日も、波止場で同じような格好良さがあったし、僕も将来は煙草を吸うべきか――。
まあ、そんなんで格好つけるより、人間力で格好良くなるように頑張ろう。
僕たち以外の乗客は、文字通り上客な方々。お金持ちな服装の面々だ。
「まもなく出港ですので、船内にお入りください」
船員の方の誘導で、甲板から下に続く階段を下りていく。
僕たちは二等客室か。流石に一等とはいかないよね。
雑魚寝になるのかな――――。
「へ~」
感嘆の声を漏らしてしまった。
「これで二等か。流石は力の入った客船だ」
ですね。整備長も僕同様に、床に敷物でも敷いて寝る、雑魚寝だと思ってたみたいだけど、凄いぞ、二段式のベッドがたくさん並んでいる。
しかも、プライベート空間にも重きを置いてくれているようで、ベッドの四方には間仕切りカーテンが施されている。
これ……、相当に奮発してくれたね。
ありがとうございます! 局長。
王都の方角に向かって、ついつい手を合わせてしまった。
「制限もあるけど、体も拭けるって」
大事なことですよね。僕もそこは都会っ子。最悪お風呂に入れなくても、体が拭けるのはありがたい。ロールさんと二人揃って、笑顔だ。
貴重な水も、この客船では使用出来る許容範囲が広いようだ。他の船ならまずあり得ないだろう。
もう一度、王都に向かって、感謝の気持ちを込めて手を合わせた。
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