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異文化
PHASE-01
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――――ふむ。全くもって、見る物全てが新鮮だ。
ズボンじゃないぞ。あれが噂に聞く着物という物か? 男の人なのに、スカートみたいなのを履いてるんだな。
そして、あの有名な、チョンマゲスタイル。
なんであんな感じで、頭頂部を剃っているのだろう?
――いかんいかん、笑ってしまったら大変だ。
僕の想像じゃ、男の人って皆チョンマゲスタイルだと思っていたけど、存外、普通に髪を伸ばして、ポニーテールみたいにしてる方もいるんだな。
足下を眺めれば――、靴じゃないな。サンダルか? あんなので疲れないのかな? この道の状況で? 足の裏が強靱なのだろうか?
下船してからは正に別世界だ。砂漠に雪山。それはそれで別世界だったけども、服装や建物の造りは、材質は違っていても似ている物だったからね。親近感はあった。でも、ここはそんなの全くないね。
――――申し訳ないけど、あんまり発展してるとは言えませんね~。
ワギョウの貿易都市であるデジマ。
今現在、僕が立っている場所は港。そこから見える目抜き通りは大陸と共通で、商店が並んでいて、大いに賑わっている。
船からの積み荷を降ろして運び、船に新たな積み荷を積み込む荷役作業の方。
商人さんの活気の良い声も響いてくる。
でもな~。なんか、垢抜けてないよね~。
「何をさっきから珍妙な顔してるんだ? あ――元からか」
ハハ――、チンピラ代表みたいな顔つきの貴男には、何も言われたくないですよ。
見てくださいよ。この道。目抜きですよ。
なのに――、石畳じゃない。土ですよ土。この道を人や馬が歩いて踏み固めただけの道。雨が降ると、足下が大変になるような道ですよ。大丈夫ですか? 言っちゃ悪いですが、文明が遅れてませんか? 野蛮人とかじゃないでしょうね。
怒ると直ぐに斬りかかったりしないか心配ですよ。
僕が目にするだけでも、結構な割合で帯刀している方々が目に入ってくる。
信じられない。
兵士が警邏などで、街中を刀剣を帯びて歩き回っているのは理解出来るけど、普通に帯刀して、普通に歩き回ってる人が凄く多い。傭兵さんの類いか? にしても、多すぎる。大会があるからなのか? でも、服装はボロだよ。ぱっと見、野盗みたいだ。大会なんだから、服装くらい整えてくればいいのに。
大丈夫なのこの国? 治安とか行き届いてるのかな。
「ロールさん。用心しましょうね」
「え? うん。用心?」
もう、心配だな~。全然、用心してないじゃないですか。いくら、新鮮な風景だからといって、危険性のあるものを見逃してはいけませんよ。
――。
「お~い」
ん? なんだ?
「お~い」
段々と声が近づいてくるような。
「お~い」
声の方向に目を向ければ、総髪の髪型をした男性の方がこちらに手を大きく振りつつ、もの凄い勢いで走ってきている。
怖いの来たよコレ……。
まずいよ。帯刀してるよ。通行人が勢いに驚いて、道を空けてる。
というより、なんでそんなサンダルみたいな履き物で、スカートみたいなの履いて、裾を掴んでの挨拶スタイルで、そんなに早く走れるのかが知りたい。
「どうも! 整備局の方ですな」
「はい、そうです」
ロールさん対応しない。こういうのはおっさんがするもんだ。
整備長に目を向ければ、いつの間にか僕たちの後ろに待機。このおっさん、刀もってる方がいきなり走って接近して来たものだから、怯えてやがる。
「それがし、ライゴウ・イワクニと申します。お奉行の命により、案内役を務めます、与力でございます」
「与力?」
なんだ与力って? 案内役だから、使いっ走りみたいな立ち位置か? お奉行ってなに? 命を受けたという事は、局長みたいな役職か?
文化が違えば階級も分からないもんだ。ちゃんと勉強しとけば良かった……。
とりあえず、僕たちも挨拶を返して自己紹介。
元気よく走ってきたから、それに目を奪われていたけど、ライゴウさんの着る着物は良い生地だな。触るのは失礼だろからやらないけども、厚手のしっかりとした安物ではない作りは、目にするだけで分かる。
役職の高い方なのかな? でも、使いっ走りっぽいし。
上半身は黒色で、下半身は僕たちのつなぎと同じ灰色。蛇腹折りっぽいスカートのような履き物。
材質が良い物だから、同色なのに安物とは違って、落ち着いた雰囲気を醸し出した色だ。
ズボンじゃないぞ。あれが噂に聞く着物という物か? 男の人なのに、スカートみたいなのを履いてるんだな。
そして、あの有名な、チョンマゲスタイル。
なんであんな感じで、頭頂部を剃っているのだろう?
――いかんいかん、笑ってしまったら大変だ。
僕の想像じゃ、男の人って皆チョンマゲスタイルだと思っていたけど、存外、普通に髪を伸ばして、ポニーテールみたいにしてる方もいるんだな。
足下を眺めれば――、靴じゃないな。サンダルか? あんなので疲れないのかな? この道の状況で? 足の裏が強靱なのだろうか?
下船してからは正に別世界だ。砂漠に雪山。それはそれで別世界だったけども、服装や建物の造りは、材質は違っていても似ている物だったからね。親近感はあった。でも、ここはそんなの全くないね。
――――申し訳ないけど、あんまり発展してるとは言えませんね~。
ワギョウの貿易都市であるデジマ。
今現在、僕が立っている場所は港。そこから見える目抜き通りは大陸と共通で、商店が並んでいて、大いに賑わっている。
船からの積み荷を降ろして運び、船に新たな積み荷を積み込む荷役作業の方。
商人さんの活気の良い声も響いてくる。
でもな~。なんか、垢抜けてないよね~。
「何をさっきから珍妙な顔してるんだ? あ――元からか」
ハハ――、チンピラ代表みたいな顔つきの貴男には、何も言われたくないですよ。
見てくださいよ。この道。目抜きですよ。
なのに――、石畳じゃない。土ですよ土。この道を人や馬が歩いて踏み固めただけの道。雨が降ると、足下が大変になるような道ですよ。大丈夫ですか? 言っちゃ悪いですが、文明が遅れてませんか? 野蛮人とかじゃないでしょうね。
怒ると直ぐに斬りかかったりしないか心配ですよ。
僕が目にするだけでも、結構な割合で帯刀している方々が目に入ってくる。
信じられない。
兵士が警邏などで、街中を刀剣を帯びて歩き回っているのは理解出来るけど、普通に帯刀して、普通に歩き回ってる人が凄く多い。傭兵さんの類いか? にしても、多すぎる。大会があるからなのか? でも、服装はボロだよ。ぱっと見、野盗みたいだ。大会なんだから、服装くらい整えてくればいいのに。
大丈夫なのこの国? 治安とか行き届いてるのかな。
「ロールさん。用心しましょうね」
「え? うん。用心?」
もう、心配だな~。全然、用心してないじゃないですか。いくら、新鮮な風景だからといって、危険性のあるものを見逃してはいけませんよ。
――。
「お~い」
ん? なんだ?
「お~い」
段々と声が近づいてくるような。
「お~い」
声の方向に目を向ければ、総髪の髪型をした男性の方がこちらに手を大きく振りつつ、もの凄い勢いで走ってきている。
怖いの来たよコレ……。
まずいよ。帯刀してるよ。通行人が勢いに驚いて、道を空けてる。
というより、なんでそんなサンダルみたいな履き物で、スカートみたいなの履いて、裾を掴んでの挨拶スタイルで、そんなに早く走れるのかが知りたい。
「どうも! 整備局の方ですな」
「はい、そうです」
ロールさん対応しない。こういうのはおっさんがするもんだ。
整備長に目を向ければ、いつの間にか僕たちの後ろに待機。このおっさん、刀もってる方がいきなり走って接近して来たものだから、怯えてやがる。
「それがし、ライゴウ・イワクニと申します。お奉行の命により、案内役を務めます、与力でございます」
「与力?」
なんだ与力って? 案内役だから、使いっ走りみたいな立ち位置か? お奉行ってなに? 命を受けたという事は、局長みたいな役職か?
文化が違えば階級も分からないもんだ。ちゃんと勉強しとけば良かった……。
とりあえず、僕たちも挨拶を返して自己紹介。
元気よく走ってきたから、それに目を奪われていたけど、ライゴウさんの着る着物は良い生地だな。触るのは失礼だろからやらないけども、厚手のしっかりとした安物ではない作りは、目にするだけで分かる。
役職の高い方なのかな? でも、使いっ走りっぽいし。
上半身は黒色で、下半身は僕たちのつなぎと同じ灰色。蛇腹折りっぽいスカートのような履き物。
材質が良い物だから、同色なのに安物とは違って、落ち着いた雰囲気を醸し出した色だ。
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