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異文化
PHASE-21
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「なんかむかつくのは気のせいじゃないよな?」
「じゃないですかね」
「お前、最近さ――――本当に生意気だよな」
「そうですか?」
ヘラヘラとした態度で返してあげる。
むかつくでしょ。貴男の今の態度を表してあげてるんですよ。
ちゃんと真顔でロールさんに謝りなさい。
「コノコノ」
なんだ、頬に聖痕を持つ者よ。やる気か――――。
バタバタと畳みの上で暴れ回る僕たち。ライゴウさん困惑。
――――ゴツン、ゴツンと鈍い音が二つ。
「はしゃがない」
説教の前に見舞われる愛の拳骨がたまりませんよ……。ロールさん。口より手が先に出るタイプなのだろうか?
二人揃って、悶絶……。
「程なくすれば、眼前の門が開かれ、見物人も入ってきます」
頭をおさえて涙目な僕たちに、門を指さしてライゴウさんが説明。
僕も門から入りたかった。目の前に見える門も、先ほどの門と遜色はない。何をもってして、僕たちが通ったくぐり戸の隣の門は参加者、権力者のみなのか。
「北門はその昔、【頂】の初代勝利者が入場した門。それ以降は、参加者や運営の中心者のみが通る事を許可され、それ以外の者たちは何人も通る事が出来なくなったそうです」
このライゴウさんはやり手だね。僕が門を羨んだのを察知してか、黒塗りの門を通れなかった理由の起源を教えてくれたんだから。
験を担ぐのはどの国も似たようなもんか。古都でも西門は覇者の門って呼ばれて、凱旋時に通る門の役割をもってたっけ。
帰りは見物人と同じ門をくぐらせてもらおう。皆さんがいなくなったところで、ゆっくりと一人で。偉くなった気分に浸りたいからね。
「では――――私もこれにて」
「へ? 一緒に見ないんですか」
「お奉行のお手伝いをせねばなりませんから」
「忙しそうですね」
「ええ、【頂】が【ITADAKI-頂-】になり、国際的になったので、世界中の強者を見れるという事もあって、御前試合よりも重きを置かれるようになりまして……」
おや、言葉に重みを感じるね。凄みというより、緊張からの声。
「御前試合より重きを――という事は――――いらっしゃるのですか」
「はい……」
ロールさんは一人だけ理解している事が多々ありますよね。そういう時は僕たちにもちゃんと分かるように、主語を入れるべきだと思います。
誰が来られるのか――、ね。主語大事。
僕と整備長、頭をさすりつつ、二人の会話に首を動かしてついていくだけしか出来ないですよ。
仕事よりも異文化交流という名目でここに来ている邪な考えだったから、自堕落に走ってしまい、調べが足りない僕たちが全面的に悪いんですけども。
「将軍様が来るってことだよ」
ありがとうございます。主語を伝えてくれて。
将軍様ね。茶の席でも、話の中に出てきたね。将軍――。
で――――、偉いの?
将軍でしょ? そこそこの地位ではあるけども、将軍でしょ? 王様とかじゃないんでしょ?
「武家社会であるこの国で、将軍は最高の位だからね。トップです」
分からないという顔の僕に、ロールさんの解説。
そうなの? 整備長。
顔を向けて見るも、初めて知った。と、言わんばかりの相貌だ。
「二人とも少しは予習しときましょうね。異文化交流の」
はい……。すみませんでした。自堕落で、本当にすみませんでした。
静かに、正座するスタイル。
とにかく、この国のトップが来るそうだ。
そうか、将軍ってトップなんだ。王侯とかじゃないのか……。
そうか――――。
「「って、トップ来るのぉぉぉぉぉ」」
整備長とシンクロ。
これは、挨拶に行かないといけないのかな。
やばいよ。まさか、ここで王様的存在が来るなんて思ってもみなかったよ。
こんな――――、つなぎ姿で謁見してもいいものなのか……。
「あの、挨拶は……」
よく言った整備長。
「申し訳ありませんが、謁見は叶いません。私も、直接会う事は出来ません。あくまで下働きで参上するので」
それでも、将軍様のお世話に従事するわけでしょ? あれ? 与力って偉かったりする? 僕の中では奉行所の使いっ走りとか思ってたけど。
「じゃないですかね」
「お前、最近さ――――本当に生意気だよな」
「そうですか?」
ヘラヘラとした態度で返してあげる。
むかつくでしょ。貴男の今の態度を表してあげてるんですよ。
ちゃんと真顔でロールさんに謝りなさい。
「コノコノ」
なんだ、頬に聖痕を持つ者よ。やる気か――――。
バタバタと畳みの上で暴れ回る僕たち。ライゴウさん困惑。
――――ゴツン、ゴツンと鈍い音が二つ。
「はしゃがない」
説教の前に見舞われる愛の拳骨がたまりませんよ……。ロールさん。口より手が先に出るタイプなのだろうか?
二人揃って、悶絶……。
「程なくすれば、眼前の門が開かれ、見物人も入ってきます」
頭をおさえて涙目な僕たちに、門を指さしてライゴウさんが説明。
僕も門から入りたかった。目の前に見える門も、先ほどの門と遜色はない。何をもってして、僕たちが通ったくぐり戸の隣の門は参加者、権力者のみなのか。
「北門はその昔、【頂】の初代勝利者が入場した門。それ以降は、参加者や運営の中心者のみが通る事を許可され、それ以外の者たちは何人も通る事が出来なくなったそうです」
このライゴウさんはやり手だね。僕が門を羨んだのを察知してか、黒塗りの門を通れなかった理由の起源を教えてくれたんだから。
験を担ぐのはどの国も似たようなもんか。古都でも西門は覇者の門って呼ばれて、凱旋時に通る門の役割をもってたっけ。
帰りは見物人と同じ門をくぐらせてもらおう。皆さんがいなくなったところで、ゆっくりと一人で。偉くなった気分に浸りたいからね。
「では――――私もこれにて」
「へ? 一緒に見ないんですか」
「お奉行のお手伝いをせねばなりませんから」
「忙しそうですね」
「ええ、【頂】が【ITADAKI-頂-】になり、国際的になったので、世界中の強者を見れるという事もあって、御前試合よりも重きを置かれるようになりまして……」
おや、言葉に重みを感じるね。凄みというより、緊張からの声。
「御前試合より重きを――という事は――――いらっしゃるのですか」
「はい……」
ロールさんは一人だけ理解している事が多々ありますよね。そういう時は僕たちにもちゃんと分かるように、主語を入れるべきだと思います。
誰が来られるのか――、ね。主語大事。
僕と整備長、頭をさすりつつ、二人の会話に首を動かしてついていくだけしか出来ないですよ。
仕事よりも異文化交流という名目でここに来ている邪な考えだったから、自堕落に走ってしまい、調べが足りない僕たちが全面的に悪いんですけども。
「将軍様が来るってことだよ」
ありがとうございます。主語を伝えてくれて。
将軍様ね。茶の席でも、話の中に出てきたね。将軍――。
で――――、偉いの?
将軍でしょ? そこそこの地位ではあるけども、将軍でしょ? 王様とかじゃないんでしょ?
「武家社会であるこの国で、将軍は最高の位だからね。トップです」
分からないという顔の僕に、ロールさんの解説。
そうなの? 整備長。
顔を向けて見るも、初めて知った。と、言わんばかりの相貌だ。
「二人とも少しは予習しときましょうね。異文化交流の」
はい……。すみませんでした。自堕落で、本当にすみませんでした。
静かに、正座するスタイル。
とにかく、この国のトップが来るそうだ。
そうか、将軍ってトップなんだ。王侯とかじゃないのか……。
そうか――――。
「「って、トップ来るのぉぉぉぉぉ」」
整備長とシンクロ。
これは、挨拶に行かないといけないのかな。
やばいよ。まさか、ここで王様的存在が来るなんて思ってもみなかったよ。
こんな――――、つなぎ姿で謁見してもいいものなのか……。
「あの、挨拶は……」
よく言った整備長。
「申し訳ありませんが、謁見は叶いません。私も、直接会う事は出来ません。あくまで下働きで参上するので」
それでも、将軍様のお世話に従事するわけでしょ? あれ? 与力って偉かったりする? 僕の中では奉行所の使いっ走りとか思ってたけど。
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