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異文化
PHASE-22
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よくよく考えると、奉行所の人たち、ライゴウさんに丁寧な挨拶してたな。
「あの~与力って……いだいっ」
お尻が痛い! なに!? ロールさん、なんでつねってるんですか!?
「なんでしょうか?」
「お気になさらず。お役目がんばってください」
美人様に言われてまんざらでもないのか、ライゴウさんの足取りはとても軽やかだった。
「痛いです……」
「失礼な事を聞こうとするから」
「与力って偉いのかと聞きたかっただけです」
「調べようね。与力はお奉行様を補佐して、同心の方々に指示を出す立場だから」
てことは――、お奉行様が局長クラスなら、与力は整備長クラスと考えるべきか。偉い人なんだな。
案内人にそんな役職の人を回してくれたって事は、僕たちの国との外交を、本気で大事にしてくれてるんだね。
そんな時に、こっちのおっさんは色街とか……。
「勉強不足ですよ。お二人」
僕だけでなく、やはりと言うべきか、与力の地位を、色街大好き整備長も知らなかったようで、言われて目を明後日の方向に向けている。
勉強不足は痛感です。猛反省です。
――――ですがね。
「そう言うロールさんだって、最初に駕籠を見た時は、僕と同じ表情でしたよ。あれ、奴隷制がある? って思ってたでしょ」
「う……」
やっぱり、思ってたんだ。
ふ~ん。勉強不足とか言ってくれちゃいましたけども、
「ロールさん、ここに来て、文化面の知識を入れましたね」
「そうだよ。分からない事が続いたら、それによって失礼な事に繋がる可能性も発生するからね。そういうのはきちんと頭に入れていかないとね」
流石だな――――。
僕としては、追い込んで、焦燥する可愛い姿が見れると思ったんだけども、凜々しく返してきたよ。
知らない事は何も恥ずかしい事ではない。知らないなら調べ、学べばいい。知らないまま、知った顔をする事こそが恥ずかしい事。
――――なのだそうです。
学舎の若者たちの手本が僕の目の前にいます。
などと、やり取りをしていれば、門の向こう側が騒がしくなってきている。見物人の方々が集まってきているようだな。
きっと今頃、門の向こう側では、押すな押すな。や、誰か私の体に触った。なんて、悶着もおきてるかもね。
こうやって、高い位置から見下ろし、しかもそんな苦労もしないで広い空間から見物出来るって、恵まれてるね。
門をくぐりたかったとか、くぐってやるとか、些末な我が儘だな。僕。
ありがたきは異文化交流よ。
ゴゴゴ――――。
開かれる門。きっと我先にと走り出すぞ~。怪我人が出てしまうかな。試合前にそんな問題だけは避けたいよね。
誘導役も命がけだな。将棋倒しになったら、下敷き待ったなしだからね。
――――意外や意外。なんという事でしょう。整然とした観衆の方々。規則正しくならんで、走り出す事なくゆっくりとした足取りで門を通り、観客席へと腰を降ろしていく。
誘導役も手を席の方に向けて立つだけ。
なんだ、この落ち着き払った方々は。ワギョウの人たちって普段からこんなにも整然としてるの? 僕たちの所だと、我先にって感じだと思うんだけども、この落ち着きっぷりは――――、
「感心するね」
と、ロールさんが、楽しげで有りながら、落ち着いた行動を取られるワギョウの方々に感嘆している。
それほどまでに、美しい行動だった。
教育が行き届いている証拠だな。うちの整備長にも師事してあげてほしいよ。
もちろん、ワギョウの方でなく、大陸の見物人もいるけども、周囲が整然とした行動なものだから、それに合わせて我先の行動は見せられないでいる。
群集心理のなせる技――――。
「あの~与力って……いだいっ」
お尻が痛い! なに!? ロールさん、なんでつねってるんですか!?
「なんでしょうか?」
「お気になさらず。お役目がんばってください」
美人様に言われてまんざらでもないのか、ライゴウさんの足取りはとても軽やかだった。
「痛いです……」
「失礼な事を聞こうとするから」
「与力って偉いのかと聞きたかっただけです」
「調べようね。与力はお奉行様を補佐して、同心の方々に指示を出す立場だから」
てことは――、お奉行様が局長クラスなら、与力は整備長クラスと考えるべきか。偉い人なんだな。
案内人にそんな役職の人を回してくれたって事は、僕たちの国との外交を、本気で大事にしてくれてるんだね。
そんな時に、こっちのおっさんは色街とか……。
「勉強不足ですよ。お二人」
僕だけでなく、やはりと言うべきか、与力の地位を、色街大好き整備長も知らなかったようで、言われて目を明後日の方向に向けている。
勉強不足は痛感です。猛反省です。
――――ですがね。
「そう言うロールさんだって、最初に駕籠を見た時は、僕と同じ表情でしたよ。あれ、奴隷制がある? って思ってたでしょ」
「う……」
やっぱり、思ってたんだ。
ふ~ん。勉強不足とか言ってくれちゃいましたけども、
「ロールさん、ここに来て、文化面の知識を入れましたね」
「そうだよ。分からない事が続いたら、それによって失礼な事に繋がる可能性も発生するからね。そういうのはきちんと頭に入れていかないとね」
流石だな――――。
僕としては、追い込んで、焦燥する可愛い姿が見れると思ったんだけども、凜々しく返してきたよ。
知らない事は何も恥ずかしい事ではない。知らないなら調べ、学べばいい。知らないまま、知った顔をする事こそが恥ずかしい事。
――――なのだそうです。
学舎の若者たちの手本が僕の目の前にいます。
などと、やり取りをしていれば、門の向こう側が騒がしくなってきている。見物人の方々が集まってきているようだな。
きっと今頃、門の向こう側では、押すな押すな。や、誰か私の体に触った。なんて、悶着もおきてるかもね。
こうやって、高い位置から見下ろし、しかもそんな苦労もしないで広い空間から見物出来るって、恵まれてるね。
門をくぐりたかったとか、くぐってやるとか、些末な我が儘だな。僕。
ありがたきは異文化交流よ。
ゴゴゴ――――。
開かれる門。きっと我先にと走り出すぞ~。怪我人が出てしまうかな。試合前にそんな問題だけは避けたいよね。
誘導役も命がけだな。将棋倒しになったら、下敷き待ったなしだからね。
――――意外や意外。なんという事でしょう。整然とした観衆の方々。規則正しくならんで、走り出す事なくゆっくりとした足取りで門を通り、観客席へと腰を降ろしていく。
誘導役も手を席の方に向けて立つだけ。
なんだ、この落ち着き払った方々は。ワギョウの人たちって普段からこんなにも整然としてるの? 僕たちの所だと、我先にって感じだと思うんだけども、この落ち着きっぷりは――――、
「感心するね」
と、ロールさんが、楽しげで有りながら、落ち着いた行動を取られるワギョウの方々に感嘆している。
それほどまでに、美しい行動だった。
教育が行き届いている証拠だな。うちの整備長にも師事してあげてほしいよ。
もちろん、ワギョウの方でなく、大陸の見物人もいるけども、周囲が整然とした行動なものだから、それに合わせて我先の行動は見せられないでいる。
群集心理のなせる技――――。
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