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ITADAKI-頂-
PHASE-14
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「それにしても、残念……」
応援していたエルンさん達が一日目でいなくなってしまった事に、ここでもロールさんの声のトーンが落ちてしまった……。
フィットさんが敗北した時に、エルンさんが優勝して皆で最上業物を手にしようとか言っていたのを魔石鏡で耳にした分、その発言後すぐの敗北は――、来るのもがあるね……。
大言壮語とは言わないけども。発言した矢先の試合で敗北するとね。かけてあげられる言葉は見つからないね……。
「勝負はどう転ぶか分からない水物。特に拮抗した実力同士ならなおのこと」
エルンさんにかけられなかった言葉をロールさんにとばかりに、お奉行様がそう言ってくれる。
「その通り!」
と、結構いい感じに酔いが回ってきている整備長が首肯しながら相槌を入れてくる。
全くもって適当で、本気を感じる事の出来ない相槌だった。
酒を木製のコップ――――、枡という容器に手酌で注いでは飲み飲み。
まったく、適当男だな。
まあいいけど――――。
「あと、場の雰囲気に呑まれてたな」
あ、まだ続くんですね。
まあ、そこは賛同するよ。やっぱり心配していたように、アウェイの洗礼だったな~。
単純に、相手の方に対する声援が大きかったってだけなんだけど。
エルンさん。貴男は勇者。勇ましい者と書いて勇者。
メンタルだな。貴男が現在もっとも必要なのは…………、
「あの――――ムツ・ノリムネ氏は凄い方なんですか?」
対戦相手の評価に挿げ替えて、ロールさんの気分を変えようと動いてみる。
相手が凄い手練れだったなら仕方ないと思ってもらわないと。
「彼はこのワギョウでも、剣士として十指に入る手練れ」
それだけの実力者なら仕方ないよね。ロールさんには納得して頂きたいところ。
「残り、九指は?」
冗談半分で聞いてみたら、お奉行様、真顔になった……。
正直、怖いです。僕は斬られるんでしょうか?
残りの九指の方々は現在、相応なポストに就いているそうだ。
各地の権力者の剣術指南だったり、大きな道場を構えて多くの門下生を従えてたりと、実力で得た人生を謳歌しているそうだ。
本来ならそのような方々にも出場をしてほしかったそうなんだけども、今の地位からの高転び――。
それを回避したいようで、適当な理由をつけられて出場を拒否されたそうだ。
回避したいってところは、お奉行様の憶測――――。
一度の敗北を喫しただけで、今まで積み上げてきた物が崩れるのが、とても怖くて仕方が無いのだろう。
この部分も、お奉行様の憶測――――。
なんか、毒を吐いてる感じがするけども、気のせいにしておこう。そうしよう。
「その中で、ムツは常に剣士の高みを目指そうとしている者でしてな。剣聖の称号を手にするまで刀剣を置く事はないでしょうな」
剣聖――――。刀剣の使い手たちの頂点に君臨する者に与えられる称号。
その為だけに日夜、刀を握り、技を考え、試行錯誤。
――完成させ、それを進化、昇華させる。
魔法が使用出来なくても極めていけば、斬撃を振るうだけで離れた場にある物を斬る事とも容易に出来るそうだ。
ワギョウに昔からある言い伝えでは、剣聖の称号を持った伝説の人物は、一振りで山を叩き割ったそうで、実際ワギョウには二つに割れた山があるそうで、そこが観光地として人気らしい。
ムツ氏は山を斬るほどの技を目指し、伝説の剣聖を越えるのが彼の剣の道だそうな。
「ふむん。サージャスさんに、ドレークさん。大丈夫だろうか」
「ムツの剣術は【音なしの剣】と呼ばれております。当てるのも触れるのも容易ではないでしょう。苦戦は必至ですな」
体に触れる事も出来ず、刀剣にも触れられない。
試合中、音がしなかったのはムツ氏の戦闘スタイルが故か。
音なしの剣――――。
それを打破しないといけないのか。
二日目、勝ち続ければ当然、二人はムツ氏と戦う事になる。
いや――、サージャスさんとドレークさんが先にぶつかるという事もありえるか。
トーナメント表を見る。百五十三人の参加者。
白、黒、紺の三色の胴着に五十一人ずつに別れてのトーナメントが本日行われた予選一日目。
各ブロックで、一回戦、全二十五試合。五十人が戦った。残りの一人がシード権を得ていたわけだ。
九つの闘技場だったから、誰がシード権だったとか見てなかったな。
基本、応援している人たちしか見てなかったし……。
「特別枠――つまりシード権は、ハズレとも考えられるんですよ」
と、お奉行様。
勝ちの味を知って、勢いあるまま戦いたいという考えが参加者たちの思い。
シード権を持った方の初戦は二回戦から。
初戦で一回戦の勝者と戦う事になるから、気構えの差が出やすいそうだ。
トーナメントの人数から、シード権が出来てしまうのは仕方が無いとしても、そこに入るのはクジの運。実力があるから優先される本来のシード権としての考えは、ITADAKI-頂-にはない。
なるほど、ある意味ハズレなのも頷ける。勢い大事だもんね。
ただでさえ、強い人たちと戦いたいという向上心を抱いた方々が集まってる大会だからね。
勝ちの味を知ってたいよな~。
しかも、シード権との人物と戦い、二回戦で勝利した方は、これまたトーナメント上、今度は五回戦からの参加となる。
本当に、いいんだか悪いんだか……。
予選トーナメントは後二回。五回戦、六回戦のたったの二回だ。
それを通過すれば、各ブロックの勝者三名による総当たり戦。
サージャスさんの優勝への道のりは、近いようで遠いな。
ドレークさんには悪いけども、サージャスさんを優先して応援だ。
応援していたエルンさん達が一日目でいなくなってしまった事に、ここでもロールさんの声のトーンが落ちてしまった……。
フィットさんが敗北した時に、エルンさんが優勝して皆で最上業物を手にしようとか言っていたのを魔石鏡で耳にした分、その発言後すぐの敗北は――、来るのもがあるね……。
大言壮語とは言わないけども。発言した矢先の試合で敗北するとね。かけてあげられる言葉は見つからないね……。
「勝負はどう転ぶか分からない水物。特に拮抗した実力同士ならなおのこと」
エルンさんにかけられなかった言葉をロールさんにとばかりに、お奉行様がそう言ってくれる。
「その通り!」
と、結構いい感じに酔いが回ってきている整備長が首肯しながら相槌を入れてくる。
全くもって適当で、本気を感じる事の出来ない相槌だった。
酒を木製のコップ――――、枡という容器に手酌で注いでは飲み飲み。
まったく、適当男だな。
まあいいけど――――。
「あと、場の雰囲気に呑まれてたな」
あ、まだ続くんですね。
まあ、そこは賛同するよ。やっぱり心配していたように、アウェイの洗礼だったな~。
単純に、相手の方に対する声援が大きかったってだけなんだけど。
エルンさん。貴男は勇者。勇ましい者と書いて勇者。
メンタルだな。貴男が現在もっとも必要なのは…………、
「あの――――ムツ・ノリムネ氏は凄い方なんですか?」
対戦相手の評価に挿げ替えて、ロールさんの気分を変えようと動いてみる。
相手が凄い手練れだったなら仕方ないと思ってもらわないと。
「彼はこのワギョウでも、剣士として十指に入る手練れ」
それだけの実力者なら仕方ないよね。ロールさんには納得して頂きたいところ。
「残り、九指は?」
冗談半分で聞いてみたら、お奉行様、真顔になった……。
正直、怖いです。僕は斬られるんでしょうか?
残りの九指の方々は現在、相応なポストに就いているそうだ。
各地の権力者の剣術指南だったり、大きな道場を構えて多くの門下生を従えてたりと、実力で得た人生を謳歌しているそうだ。
本来ならそのような方々にも出場をしてほしかったそうなんだけども、今の地位からの高転び――。
それを回避したいようで、適当な理由をつけられて出場を拒否されたそうだ。
回避したいってところは、お奉行様の憶測――――。
一度の敗北を喫しただけで、今まで積み上げてきた物が崩れるのが、とても怖くて仕方が無いのだろう。
この部分も、お奉行様の憶測――――。
なんか、毒を吐いてる感じがするけども、気のせいにしておこう。そうしよう。
「その中で、ムツは常に剣士の高みを目指そうとしている者でしてな。剣聖の称号を手にするまで刀剣を置く事はないでしょうな」
剣聖――――。刀剣の使い手たちの頂点に君臨する者に与えられる称号。
その為だけに日夜、刀を握り、技を考え、試行錯誤。
――完成させ、それを進化、昇華させる。
魔法が使用出来なくても極めていけば、斬撃を振るうだけで離れた場にある物を斬る事とも容易に出来るそうだ。
ワギョウに昔からある言い伝えでは、剣聖の称号を持った伝説の人物は、一振りで山を叩き割ったそうで、実際ワギョウには二つに割れた山があるそうで、そこが観光地として人気らしい。
ムツ氏は山を斬るほどの技を目指し、伝説の剣聖を越えるのが彼の剣の道だそうな。
「ふむん。サージャスさんに、ドレークさん。大丈夫だろうか」
「ムツの剣術は【音なしの剣】と呼ばれております。当てるのも触れるのも容易ではないでしょう。苦戦は必至ですな」
体に触れる事も出来ず、刀剣にも触れられない。
試合中、音がしなかったのはムツ氏の戦闘スタイルが故か。
音なしの剣――――。
それを打破しないといけないのか。
二日目、勝ち続ければ当然、二人はムツ氏と戦う事になる。
いや――、サージャスさんとドレークさんが先にぶつかるという事もありえるか。
トーナメント表を見る。百五十三人の参加者。
白、黒、紺の三色の胴着に五十一人ずつに別れてのトーナメントが本日行われた予選一日目。
各ブロックで、一回戦、全二十五試合。五十人が戦った。残りの一人がシード権を得ていたわけだ。
九つの闘技場だったから、誰がシード権だったとか見てなかったな。
基本、応援している人たちしか見てなかったし……。
「特別枠――つまりシード権は、ハズレとも考えられるんですよ」
と、お奉行様。
勝ちの味を知って、勢いあるまま戦いたいという考えが参加者たちの思い。
シード権を持った方の初戦は二回戦から。
初戦で一回戦の勝者と戦う事になるから、気構えの差が出やすいそうだ。
トーナメントの人数から、シード権が出来てしまうのは仕方が無いとしても、そこに入るのはクジの運。実力があるから優先される本来のシード権としての考えは、ITADAKI-頂-にはない。
なるほど、ある意味ハズレなのも頷ける。勢い大事だもんね。
ただでさえ、強い人たちと戦いたいという向上心を抱いた方々が集まってる大会だからね。
勝ちの味を知ってたいよな~。
しかも、シード権との人物と戦い、二回戦で勝利した方は、これまたトーナメント上、今度は五回戦からの参加となる。
本当に、いいんだか悪いんだか……。
予選トーナメントは後二回。五回戦、六回戦のたったの二回だ。
それを通過すれば、各ブロックの勝者三名による総当たり戦。
サージャスさんの優勝への道のりは、近いようで遠いな。
ドレークさんには悪いけども、サージャスさんを優先して応援だ。
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