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ITADAKI-頂-
PHASE-25
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「よいしょ~」
喋ってくれたムツに対して口角を上げ、木斧を高く掲げつつ、大柄な体躯からは想像の出来ない高い跳躍。
それを目にするピートは、ネーガルにて船に乗り遅れた時に、跳躍して船に乗り込んだドレークを思い出していた。
高く跳び、落下地点にはムツ。
「おら!」
初撃の攻撃とは違い、落下速度が加算された破壊力。
沿うような回避はリスクが生じると判断したムツは、後ろにすり足で移動。
「当たるわけがねえよな! 知ってんだよ!」
この一撃は誘いの為のもの。
後ろに下がる事を読んでいたドレークは、木斧を振り切る事はなく、着地と同時に下がるムツに驀地。
踏みしだいた床はドレークの脚力で抉れる。
「せい!」
重い一撃とは違い、横一文字を止めた防御のように、小手先の利いた攻撃を行う。
大振りではなく、手首のスナップを利かせたもの。
速さ重視の攻撃による緩急。先ほどまでの重々しさと違うそれに、ムツの表情も渋いものに変わる。
上体をよじり、足を動かし、速度のある攻撃を躱しつつ木刀で反撃。
「おらよ」
木斧だけでなく、同時に蹴撃。
盾を持った相手を場外に落とした時と同様のステゴロのような重々しい蹴り。
反撃のための攻撃を、中断せざるを得なくなる。迫る蹴りを木刀で受け止めるための防御に転向。
長身で有りながらも、やせ形のムツは、大男の蹴りが生む衝撃を受けきる事が出来ずに、後方へと飛ばされ、受け身を行う余裕もなかった。
これまでの戦いでは見る事がなかった、床に転がるムツの姿に、ホームであるワギョウの観衆も驚きで声が出せないでいた。
素早く起き上がるが、ムツの表情は曇る。
まさか攻撃を防がれ、更に、自分が攻撃を躱せずに木刀で防いでしまった事。音なしの剣の別称が完全に崩壊させられた。
矜持に傷をつけられると同時に、ドレークとの戦いで、自分がまだまだ狭い世界で戦っていたという現実を突きつけられた。
気付けば場外に近い場所にムツは立っていた。
ドレークは追い込んだという事で、ニカッと口角を上げてガッツポーズ。
今まで同様の場外パターンを考えている。
「ふぅぅぅぅぅ」
大きく呼気を行う。心底で芽生える焦燥を抑えるように。
「よいしょ! まだまだ休むなよ。休憩させてやるほど俺ぁ優しさなんて持ってねえぞ!」
束の間の呼気すらさせないと、上がった口角を元の位置に戻して厳つい表情へとなり、木斧による大振りの横一閃。
焦燥を打ち消す事に時間を割いていた事で、一つ反応が遅れる。達人同士での戦いではそれは致命的。
たまらずムツは垂直に跳躍。
受ければ、捌く前に力で飛ばされる。後方に跳べば場外の危機が高まり、ドレークの方に跳べば場外以上の脅威がある。
結果、垂直へと跳ぶ事が咄嗟に導いた回避方法だった。
ドレークは、後は落ちてくるのを待つだけと、構えた姿勢で待機。
勝負あったかと、落胆の息が場内の四方からこぼれた。
「あばよ!」
どんぴしゃのタイミングで木斧がムツを捉える。
「あ?」
手応えを感じる事の出来ないドレーク。
落胆から感嘆へと変わる観衆の声。
ムツは木斧へと、ふわりと足を下ろす。コロとの試合の時のように。
「いってぇなあ」
木斧の次に着地したのは、ドレークの剃り上がった頭頂部。
勢いよく踏みつけ、踏み台にしてから闘技場へと足をつけた。
「やろう!」
「これで、立ち位置は逆転だな」
「おう、強い以外で長めに喋ったじゃねえか、根暗」
「別に小生は根暗ではない」
「うるせえ! テメーの事を小生とか言うのにろくなのはいねえ」
「なんという偏見か……」
場外との距離が近くなったドレークに対して、偏った考えの相手に首を左右に振りつつ、刺突の構え――――。
床上を滑るような跳躍で仕掛ける。
ドレークも負けじと身を低くし、太もも、ふくらはぎ、足の裏に指にと渾身の力を蓄えて、それを爆発させるように可動。
弩から放たれた、一直線に飛ぶ矢のように、自らの体をムツへとぶつけるような勢いで対抗する。
喋ってくれたムツに対して口角を上げ、木斧を高く掲げつつ、大柄な体躯からは想像の出来ない高い跳躍。
それを目にするピートは、ネーガルにて船に乗り遅れた時に、跳躍して船に乗り込んだドレークを思い出していた。
高く跳び、落下地点にはムツ。
「おら!」
初撃の攻撃とは違い、落下速度が加算された破壊力。
沿うような回避はリスクが生じると判断したムツは、後ろにすり足で移動。
「当たるわけがねえよな! 知ってんだよ!」
この一撃は誘いの為のもの。
後ろに下がる事を読んでいたドレークは、木斧を振り切る事はなく、着地と同時に下がるムツに驀地。
踏みしだいた床はドレークの脚力で抉れる。
「せい!」
重い一撃とは違い、横一文字を止めた防御のように、小手先の利いた攻撃を行う。
大振りではなく、手首のスナップを利かせたもの。
速さ重視の攻撃による緩急。先ほどまでの重々しさと違うそれに、ムツの表情も渋いものに変わる。
上体をよじり、足を動かし、速度のある攻撃を躱しつつ木刀で反撃。
「おらよ」
木斧だけでなく、同時に蹴撃。
盾を持った相手を場外に落とした時と同様のステゴロのような重々しい蹴り。
反撃のための攻撃を、中断せざるを得なくなる。迫る蹴りを木刀で受け止めるための防御に転向。
長身で有りながらも、やせ形のムツは、大男の蹴りが生む衝撃を受けきる事が出来ずに、後方へと飛ばされ、受け身を行う余裕もなかった。
これまでの戦いでは見る事がなかった、床に転がるムツの姿に、ホームであるワギョウの観衆も驚きで声が出せないでいた。
素早く起き上がるが、ムツの表情は曇る。
まさか攻撃を防がれ、更に、自分が攻撃を躱せずに木刀で防いでしまった事。音なしの剣の別称が完全に崩壊させられた。
矜持に傷をつけられると同時に、ドレークとの戦いで、自分がまだまだ狭い世界で戦っていたという現実を突きつけられた。
気付けば場外に近い場所にムツは立っていた。
ドレークは追い込んだという事で、ニカッと口角を上げてガッツポーズ。
今まで同様の場外パターンを考えている。
「ふぅぅぅぅぅ」
大きく呼気を行う。心底で芽生える焦燥を抑えるように。
「よいしょ! まだまだ休むなよ。休憩させてやるほど俺ぁ優しさなんて持ってねえぞ!」
束の間の呼気すらさせないと、上がった口角を元の位置に戻して厳つい表情へとなり、木斧による大振りの横一閃。
焦燥を打ち消す事に時間を割いていた事で、一つ反応が遅れる。達人同士での戦いではそれは致命的。
たまらずムツは垂直に跳躍。
受ければ、捌く前に力で飛ばされる。後方に跳べば場外の危機が高まり、ドレークの方に跳べば場外以上の脅威がある。
結果、垂直へと跳ぶ事が咄嗟に導いた回避方法だった。
ドレークは、後は落ちてくるのを待つだけと、構えた姿勢で待機。
勝負あったかと、落胆の息が場内の四方からこぼれた。
「あばよ!」
どんぴしゃのタイミングで木斧がムツを捉える。
「あ?」
手応えを感じる事の出来ないドレーク。
落胆から感嘆へと変わる観衆の声。
ムツは木斧へと、ふわりと足を下ろす。コロとの試合の時のように。
「いってぇなあ」
木斧の次に着地したのは、ドレークの剃り上がった頭頂部。
勢いよく踏みつけ、踏み台にしてから闘技場へと足をつけた。
「やろう!」
「これで、立ち位置は逆転だな」
「おう、強い以外で長めに喋ったじゃねえか、根暗」
「別に小生は根暗ではない」
「うるせえ! テメーの事を小生とか言うのにろくなのはいねえ」
「なんという偏見か……」
場外との距離が近くなったドレークに対して、偏った考えの相手に首を左右に振りつつ、刺突の構え――――。
床上を滑るような跳躍で仕掛ける。
ドレークも負けじと身を低くし、太もも、ふくらはぎ、足の裏に指にと渾身の力を蓄えて、それを爆発させるように可動。
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