拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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ITADAKI-頂-

PHASE-56

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 クッソ!

「何するんですか! 痛いな!!」
「聞きてえか!」
「何ですか!」
「跳び蹴りって言うんだよ!!」
 別に使用した技名なんて聞いてないよ! ふっざけやがってぇ!!
 くらえ、整備長! 僕が繰り出す憤怒の掌底を!

「しょら!」
 よしっ! 顎に直撃だ。

「いってぇ……。殴ったな! テメー、俺を殴ったな……」
 なんでそこで被害者面するんじゃい! あんたから仕掛けてきたんだろうが!

「もう、絶対に許さねえ。テメーばっかりいい思いしやがって!」
 あんたが馬鹿みたいな言動ばかり繰り返して、人望を失ってるからだろうが!
 お? やんのか。構えやがって。
 やんのかゴラァァァァァァァ!
 
 いいぞ、素人によるITADAKI-頂-前哨戦は、貴男を色街に見送った事でなくなったけども。締めの戦いとしてやるか? 
 ITADAKI-頂-の幕引きを、玄人でなく、素人の戦いで締めくくるか?

「はぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
「ハハハハハハ――ッ! 何をそれっぽく呼気を打って構えてるのかな? アマチュアァァァァァ!」
「お前もそうだろうが! 生意気になった部下のしつけだ。修正してやる!」
「僕の方面軍大移動ララパルーザで、黄泉路を一人寂しく歩むがいい」
 最早、おっさんなど取るに足らん存在よ。
 
 お? なんだ、勝利の美酒が飲めないから、戦う前に飲み納めか? いいぞ、さあ、人生最後の酒を飲むがいい。駄目な四十代よ。
 
 ん? 諸手を僕の方に出してワシワシと動かしてやがる。力比べか? よかろう、受けて立つ。
 本当なら腕まくりでもして、最近鍛えてる筋肉の隆起をロールさんやサージャスさんに見せたかったけど、周囲が……、とくにドレークさんが凄すぎるので、ここは隠したままでいこうと思う。
 
 ――――ガッシリと僕の諸手を握ってきたので、こちらも強く握り返す。
 くっせ! 指呼の距離だと、おっさんが体に纏った酒臭さも武器になるな。
 しかし――――、なぜ急に一言も発しなくなった?
 解せぬ。
 そう思っていた矢先におっさんの口角が上がった。
 そして気付く。
 
 しまったと思った時には遅かった――。

「!?」
 顔に思いっ切り吹きかけられた……。

「あぁぁぁぁ……目が、目がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 おっさんの術中にはまってしまった。
 諸手によるつかみ合いを誘ったのは、酒を吹きかける為の布石だったか。
 諸手を掴まれた状態だったから、おっさんの口に含んだ酒を防ぐことが出来ずに、全てを顔に見舞われてしまった。
 目に入った。しみるぅぅぅぅぅぅ……。

「これぞ俺の奥義、神酒迷霧ハオマスプラッシュ!!」
 アルコールで粘膜が焼けそうだ!
 しかもおっさんの口から出てきたという不浄さに、僕の精神世界アストラルサイドにまでダメージを与えてくるとは、物理、精神の両サイドからの攻撃…………、心胆を寒からしめるものだ。
 精神耐性のアイテムを大至急ください。

「だっす!?」
 目が見えないところで、ゴツンと鈍い音。
 額に走る衝撃。
 目から火花が出るとはこの事か。
 クラクラする。
 おっさんめ! 僕の視界を奪ってから、パチキをほりこんできたな。
 目を潰し、精神も攻撃してからの隙の生じぬ頭突きとは――、おっさんにしては中々のコンボじゃないか。
 だが、しかし――――、
「ぐおぉぉぉぉ……」
 頭突きしたおっさんもダメージを受けている。
 というか、僕よりダメージが大きそうなうめき声だ。
 よいコンボだったけど、馬鹿なのは補えなかったな。

「この石頭め! なんて卑怯な!」

「どこが!」
 平然と目つぶししてくるくせに。直ぐに人に罪をなすりつけようとしやがって!
 やはり、この様な駄目な人間は、僕の――、僕だけの正義の名の下に、成敗しなければ。

 ―――かすんでいるけど、視界が回復してきたところで力任せに押し込んでやる。
 懸命に耐えてるけど、自分が放った頭突きで弱っているようで、簡単に押し倒すことが出来た。
 
 ハハハハ――――ッ! 己の嫉妬深さが招いた結果よ。その結果を悔いながら、我が奥義、方面軍大移動ララパルーザを味わうがいい!
 
 躍動せよ、我が大腿四頭筋クアドリセプス・フェモリス・マッスル! アクセラレーション!!
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