拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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トレジャーハントに挑む、三人の公務員

PHASE-04

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 ゲイアードさんがどれだけ気配りが出来る方で、暖かな心を持った人か。
 本当に困っている人物に対しては、黙認してくれるし、激励だってしてくれる。
 サージャスさんへの対応は、冷たくあしらっていたようで、優しさのある行為だった。
 出来る大人として、僕は尊敬している。

 遺骸に対しての発言は、そちらにとっては憤慨するような言い方かもしれないけども、それは合理的な考え方のタイプだから、そう発言してしまっただけだと思う。
 この人の人となりが理解できれば、怒る事もない。
 まあ、それを理解しろってのも、この短い時間じゃ難しいだろうけどさ。

 それでも、ゲイアードさんを冷たい人物と判断するのは納得いかない。

「ゲイアードさんは出来た人です」
 ――――なんとも、アホの子みたいな返答をしてしまった。
 出来た人ってなんだよ。もっと上手い具合に形容できないもんかね、僕……。
 伝える事をもっと上手くなれる大人になりたいものである。

「ハハハハ――――私は出来た人か。言われた事がないから、とても新鮮だよ」
 僕のアホな発言で、少しだけ場が和んだからいいけどさ、それでもピリピリとした雰囲気は払拭される事はないわけで……。

「とりあえず化石を見るだけでも出来ませんか? その後、こちらも対応を考えますから」

「現場の考えでどうこうなるとでも? 子爵の命に従うのが貴男方でしょう」
 そうなんですけど。正直、叙勲式後の事で利用されるってのも納得いかないところもあるし、希少な化石とはいえ、カグラさんの所まで赴いて、掌中に収めたいという考えは、後々の事を考えると、執着するまでではないと思う。
 もし、それを取り返しに炎竜王自らが赴いたとしたら、誰が貴男を守るんだろうね? 子爵様。と、言いたいくらいだもの。
 いないよそんな存在。
 希少化石としても、リスクが高すぎるよ。

「とにかく、見せてください。お願いします」
 公務員お得意の典雅な一礼で誠意を見せて訴える。
 僕に出来る事なんてこれくらいだしね。

「見たければどうぞ」

「ありがとうございます。よろしければご案内も――」

「調子に乗らないでいただきたい。ピート殿たちにだけ付き合うわけにも行かないくらい多忙でして」
 いつものンダガランさんと比べてと、刺々しいのは当たり前だけども。なんだろう? 怒りとは別に焦燥もみられるような?

「相手は――――この者に任せます」
 フィンガースナップが森の中に響き渡る――――。
 ――……え…………?
 嘘でしょ? 慈悲ないですよ。
 
 バッサバッサ!
 ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん――――。
 土煙が舞う。

「グルルルルルルルル――――」
 大きく後を引く声……。
 突風と共に土煙が晴れる。
 やだ~。目と目が合っちゃったよ。
 
 縦長の黒目に、金色の瞳。
 深紅の鋭利な鱗に、刀剣を思わせる爪。先端が鱗以上に鋭利で、鉤状のかえしがある尾。
 大きさは先ほど山の周りを飛んでいた火龍さん達に比べれば遙かに小型。
 この森の中で追跡するのには、火龍さん達より適任。象より一回り大きいくらいだ。
 小型といっても、僕らからしたら、十分に大きいサイズ……。

「バーン・ワイバーン」
 ワイバーンの上位種じゃないか。最古参位エルダークラスだ。

「愚かにも、同胞の眠りを妨げるとはな……」
 喋った。
 流石は賢者と称される龍属だよ。
 翼を大きく広げて身を低くする。これあれだ、クラウチングスタート的なものだ。
 一気にくるよこれ。

「では、任せる」

「御意」
 ンダガランさん、現れた時みたいに炎の柱の中に入っていって、この場から消えた。
 気がつけば周囲の方々もいなくなっている。
 僕たちと、バーン・ワイバーンさんだけの空間。

「はわわわわ……」
 ゴートさん、手にした六角の鉄棒を抱きしめるように持ちながら震えている。
 うん、それでどうこうなんて出来ませんもんね。

「なんだ? その棒きれでマッサージでもしてくれるのかね?」
 言われて直ぐに背後に隠した。
 刺激をしない良い選択ですね。

「ゲイアードさん!」

「うん、逃げよう」
 ですよね! 
 高速で反転してから逃げる。
 背後では直ぐにガチンってすんごい音とバキバキという音。
 後ろを見れば、クラウチングスタートから跳躍してからの――、口ぱっくん。
 僕たちが先ほどまで立っていたところでその動作だ。
 鬱蒼とした木々を強靱な体躯でなぎ倒しながらの口ぱっくん。そう! 口ぱっくんなのである!!

「はわわわわわ……」
 ゴートさんに続いて僕も口にしてしまう。
 これマジのや~つ。
 食べられるや~つ。

とんずらアヴァンティ!、とんずらアヴァンティ!!」
 とん、ずらかる。これ大事!!
 
「何処へ行こうというのかね?」
 翼を動かしながら低空で飛行しつつ追いかけてくる。
 木々の障害なんて何のその。

「ひぃぃぃぃぃいぃぃぃぃいい! 助けてぇぇぇぇぇぇぇぇっぇえ」
 これは完全に冗談じゃなくお怒りだよ。カグラさん陣営。
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