拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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トレジャーハントに挑む、三人の公務員

PHASE-17

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「おもしれえ、やりやがったな! 死んでも恨みっこ無しだ」

「仕掛けて来たのはそちらからだ。これは明らかに公務執行妨害だ。お前ら全員、縛に就け!」
 ――――凄いな。向かってくる両ギルドに対して、ズンズンとゆっくりとした足で威圧しながら前へと進んでる。
 
 刀剣の攻撃を防ぐのではなく、それよりも早く、それらを手にする手首を、スナップをきかせた重々しい鉄の棒で叩いていく。
 軽々しく動かしてるね。

「いでぇ……」
 剣を叩き落とされたり、肩を叩かれたりと、痛みで膝をついていく両ギルド。
 立ち回り方も上手い。
 いがみ合っている双方を同時に相手にする事で、両ギルドの精神を攻めている。
 隙を見せたところで、相手ギルドからの側撃がくるのでは? と、思わせる事で、攻撃のテンポを乱していく。

「ほいしょ! これで五人」
 戦い慣れしてるな。やっぱり強いよ。僕も弾を装填して、銃を右手に、鍋を左手にしてから、ゴートさんの背後を守るように立つ。

「的確に関節を叩いていきますね」

「四六時中こればかりやってますからね」
 五人を戦闘不能にして玉の汗を作りながら、ゲイアードさんの賞賛を素直に受けている。
 
 本来ならダウンさせて直ぐに拘束を実行したいけども、拘束が出来る人間がここにはいない。
 拘束術なんて僕は経験がないから、ひたすら背後を守るような立ち位置だ。
 でも、時間が経過すれば、戦闘に再戦してくる脅威も生まれてくるだろう。

「拘束用のロープありますか?」
 手を伸ばして催促するのはゲイアードさん。

「出来ますか!?」

「やってみましょう」
 輪っか状のロープを受け取ると、最初に倒した二人に身を低くしながら高速で接近。

「こいや、男前」
 足をやられてるだけだから、腕は動く。力任せに剣を振り回しているけども。

「静かにする」
 淡々と返して、前腕を踏んづけて難なく攻撃を制すると、関節を極めてから、腕を背中に回してロープで手足を拘束。
 続いて一人、また一人と、弓なりな恰好で拘束されていく。

「やりますな」

「鍛えてるんで」
 そればっかりだよ! 鍛えてどうのこうの出来るもんじゃないでしょ。
 明らかに玄人だよ。

「調子に乗るな!」
 背後からゲイアードさんを、手斧が襲ってくる。
 後ろに目でもあるのかとばかりに、他愛なく回避すると、ゲイアードさんの横を通過していく振り下ろされる手斧。
 見舞ってきた方の手首に手を添える――――。
 たったそれだけの動きで、手斧を持った方は一回転。激しく地面に叩き付けられた。

「彼には拘束は必要ないようだね」
 スマートな発言だ。
 相手の方は反応もなく、白目になってる。
 ――――容易く制圧していく二人。
 こうなってしまうと、多数とはいえ警戒を強めていく。
 警戒を強める対象は僕たちにだけだ、三すくみの状況が、公務員対トレジャーハンターという構図として、出来つつある。
 出来れば、こういう状況にならないように立ち回って欲しかったな~。と、思ってしまうけど、僕はそれを口に出さない。というか、出せない。
 だって、僕が根幹だから。この状況を作ってしまった張本人だもんね……。
 でも、僕はちゃんと責任は取りますからね!

「両ギルド、下がってください」
 僕のターン。
 装填済みだ。さあ、この植物を象った、派手な金細工からなるエングレーブの銃を目にするがいい! 貴方方は未だかつて、この様な武器を目にした事がないでしょう。
 形状からして、筒の中から矢が飛んでくると思っているかな? いしゆみじゃないですよ。
 普段なら鉛玉が出るんだ。
 でも今回は、氷結系の魔弾だよ。
 特別製の武器だよ。
 いいデザインでしょう。余裕の火力だ。威力が違いますよ。
 まだ、試射もしてないから、その辺は分からないけどさ……。

 なので、出来れば撃ちたくない。でも、寄れば撃つよ。本気だよ! 威嚇だけども撃つよ!!

「全くよ、そんなへんてこなもんで何が出来るのか……。馬鹿にされてるよな?」
「ああ、たった三人の分際で」
「やるか?」
「ああ、やろう。警告はしたんだ。それを聞き入れなかった公務員共が悪い」
 おうおう、急に親しげに言葉なんか交わしてさ。
 さっきまで命を奪い合う行為をしてたくせに。
 最初から、そんな風に対話で解決すりゃいいじゃん。
 
 人間って、共通の敵が現れると、今までの事を無かったように出来て、一致団結するところが凄いところであり、怖いところでもあるよね。
 両ギルドが今、完全に、僕たちの事を共通の敵と定めたようです。
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