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トレジャーハントに挑む、三人の公務員
PHASE-30
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しかしさ、コイツの事を蝿にもなれない蛆虫って呼称したって事は、コイツの口にしていた内容をバッチリと耳にしていたって事だからね。
僕が暴行を受けている間も、外で聞いていたって事だろ。
じゃなきゃ、蛆虫野郎の上を行く発言は生まれませんよ……。
意地の悪い年寄りだよ。もっと早く来いっての!
「その拳の行方は?」
貴男の登場に戦いて、痛みも吹き飛んでいるであろう男に、痛みを思い出させつつ、とどめをさそうとしてるんですよ。
でも、貴男の登場で、それも出来ずに終わりですね。
上げてた拳をゆっくりと下ろす。
連動するように、アドレナリンも下がっていった。
途端に、殴った右拳がズキズキと痛み出してくる。
ITADAKI-頂-なんてものを見たせいか、自分も出来ると思ってしまったのかな。
痛む拳は、紛う方なき、自分が素人とだという事を教えてくれる。
「うむ、よい判断だ。後ろの佳人も心配している」
佳人って言い方。普通に美人でいいだろうに。
正直、どういう風に背後を見ればいいのか……。今の荒ぶった感情では分からないよ。
「フッフフ――――言った通りであろう。卿は公務員としては出世しないと」
ああ、そう言えば、叙勲式後の男爵様とのいざこざの時に、そんな事を言われたな~。
「あの時は、誰も避難もせず、私に至っては解説までしてしまったな」
と、言うと、大公様は、戦くノムロのおっさんの前で蹲踞の姿勢だ。
「お前のところのしょうもない子爵には迷惑をかけたな~。私が避難をしなかったばかりに――――」
「へ? いや、そんな。それはあそこの者たちの――――」
「悪かったな~」
うわ~。
輩だよ。輩がいるよ。
整備長と違って、権力持ちの輩が僕の前で、頭を傾けながら、ノムロのおっさんに語りかけてる姿は、輩の親玉だ。
「いえ、めめめめっ滅相もない……」
完全に目の前の権力者の恐怖に飲まれてら。
同情なんてしてやらない。ざまあみろだ。
「しかし、なぜこんな所に?」
「ん? 叙勲後の会食での説明が必要と、違令管理課から召喚状が来てな」
直ぐにゲイアードさんを見ると、素知らぬ顔で、さっきまで立ってたのに、いつの間にかソファに腰掛けて、僕が暴れた事も目にしていないとばかりに、紅茶を入れ始めている……。
何なんだろうあの胆力。大公様がいるのにあの態度。
ゴートさんは固まってるのにね。
これが正しいリアクションですよ。ゲイアードさん。
「でだ、お前のところの主にも話はついている。そもそも、この様な事で公務員を動かして、私欲に走る事は貴族として許されぬ行為だ。貴族は黙って優雅に、励んでいる姿を遠くから見て、愉悦に浸っておけばよいのだ。簡単な事だろう?」
「はい、その通りにございます……」
「男爵がいたろ? 名は何だったか?」
「モルドー領主。ペアニト・ドゥール・ハワード様でございます」
「そう、その某だ。モルドーか――欲しいな――――。その某が、自分が原因ならば止めてほしいと、私に泣いて頼んできたぞ」
某って……。ノムロのおっさん、ちゃんと名前を言ってるのにな。
しかも、しれっと侵攻を考えている発言してるし……。
元々、子爵様にも、四方山話で避難の不手際を話にしてたそうだし、ここまで大げさになってしまって、この事で大公様の悋気に触れてしまえば……と、男爵様は生きた心地がしなかっただろう。
だから、そうなる前に、大公様に泣きついたんだろうね。
その時の心境は、心胆がさぞ寒からしめられた状況だったんだろうな。
「そうでしたか。我が主にも、ハワード様の思いを伝えます」
「そうか」
「はい」
「では、さっさと、いねい! ダラダラと居座るのならば、その才槌頭を利用して、このドアの修繕に従事させるぞ!」
「は、はひぃぃぃぃぃぃ」
腰が砕けた状態で、四つん這いになりながら、この部屋から凄い勢いで飛び出していった。
「ご足労いただき感謝いたします」
「うむ、謂われのない事で、仕打ちを受けるなど馬鹿馬鹿しいからな」
ゲイアードさんは、大公様に対しても物怖じせずに接するな。
余裕がある。
仕打ちを受けるなど、馬鹿馬鹿しいと言いますけども、仕打ちを受けた後なんでね、それよりも早く動いて欲しかったよ。
聞き耳立ててないでさ!
僕が暴行を受けている間も、外で聞いていたって事だろ。
じゃなきゃ、蛆虫野郎の上を行く発言は生まれませんよ……。
意地の悪い年寄りだよ。もっと早く来いっての!
「その拳の行方は?」
貴男の登場に戦いて、痛みも吹き飛んでいるであろう男に、痛みを思い出させつつ、とどめをさそうとしてるんですよ。
でも、貴男の登場で、それも出来ずに終わりですね。
上げてた拳をゆっくりと下ろす。
連動するように、アドレナリンも下がっていった。
途端に、殴った右拳がズキズキと痛み出してくる。
ITADAKI-頂-なんてものを見たせいか、自分も出来ると思ってしまったのかな。
痛む拳は、紛う方なき、自分が素人とだという事を教えてくれる。
「うむ、よい判断だ。後ろの佳人も心配している」
佳人って言い方。普通に美人でいいだろうに。
正直、どういう風に背後を見ればいいのか……。今の荒ぶった感情では分からないよ。
「フッフフ――――言った通りであろう。卿は公務員としては出世しないと」
ああ、そう言えば、叙勲式後の男爵様とのいざこざの時に、そんな事を言われたな~。
「あの時は、誰も避難もせず、私に至っては解説までしてしまったな」
と、言うと、大公様は、戦くノムロのおっさんの前で蹲踞の姿勢だ。
「お前のところのしょうもない子爵には迷惑をかけたな~。私が避難をしなかったばかりに――――」
「へ? いや、そんな。それはあそこの者たちの――――」
「悪かったな~」
うわ~。
輩だよ。輩がいるよ。
整備長と違って、権力持ちの輩が僕の前で、頭を傾けながら、ノムロのおっさんに語りかけてる姿は、輩の親玉だ。
「いえ、めめめめっ滅相もない……」
完全に目の前の権力者の恐怖に飲まれてら。
同情なんてしてやらない。ざまあみろだ。
「しかし、なぜこんな所に?」
「ん? 叙勲後の会食での説明が必要と、違令管理課から召喚状が来てな」
直ぐにゲイアードさんを見ると、素知らぬ顔で、さっきまで立ってたのに、いつの間にかソファに腰掛けて、僕が暴れた事も目にしていないとばかりに、紅茶を入れ始めている……。
何なんだろうあの胆力。大公様がいるのにあの態度。
ゴートさんは固まってるのにね。
これが正しいリアクションですよ。ゲイアードさん。
「でだ、お前のところの主にも話はついている。そもそも、この様な事で公務員を動かして、私欲に走る事は貴族として許されぬ行為だ。貴族は黙って優雅に、励んでいる姿を遠くから見て、愉悦に浸っておけばよいのだ。簡単な事だろう?」
「はい、その通りにございます……」
「男爵がいたろ? 名は何だったか?」
「モルドー領主。ペアニト・ドゥール・ハワード様でございます」
「そう、その某だ。モルドーか――欲しいな――――。その某が、自分が原因ならば止めてほしいと、私に泣いて頼んできたぞ」
某って……。ノムロのおっさん、ちゃんと名前を言ってるのにな。
しかも、しれっと侵攻を考えている発言してるし……。
元々、子爵様にも、四方山話で避難の不手際を話にしてたそうだし、ここまで大げさになってしまって、この事で大公様の悋気に触れてしまえば……と、男爵様は生きた心地がしなかっただろう。
だから、そうなる前に、大公様に泣きついたんだろうね。
その時の心境は、心胆がさぞ寒からしめられた状況だったんだろうな。
「そうでしたか。我が主にも、ハワード様の思いを伝えます」
「そうか」
「はい」
「では、さっさと、いねい! ダラダラと居座るのならば、その才槌頭を利用して、このドアの修繕に従事させるぞ!」
「は、はひぃぃぃぃぃぃ」
腰が砕けた状態で、四つん這いになりながら、この部屋から凄い勢いで飛び出していった。
「ご足労いただき感謝いたします」
「うむ、謂われのない事で、仕打ちを受けるなど馬鹿馬鹿しいからな」
ゲイアードさんは、大公様に対しても物怖じせずに接するな。
余裕がある。
仕打ちを受けるなど、馬鹿馬鹿しいと言いますけども、仕打ちを受けた後なんでね、それよりも早く動いて欲しかったよ。
聞き耳立ててないでさ!
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