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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-01
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――――栄光の日々が始まると言ったな――――。
あれは嘘だ。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
絶対に戻ってくとか強く思っていたけども。この世の中には、絶対なんて絶対ないんだよ!
「ふぅぅぅぅぅぅぅ――――」
これほどまでに重い嘆息をした事があっただろうか。
あったかもしれないが――――、今回、記録を更新したよ。
ポズンの村。
いま、僕が立っている場所。
小さな村だ。
瓦よりも、茅葺き屋根と土壁で出来た家屋が多くを占めている。
街道に続く道は、出来はともかく、石畳で作られているが、それ以外は舗装のされていない土道だ。
うむ、ワギョウを馬鹿に出来なかった……。これが王都に住まう者の、視野角の狭さか。精進が足りないな。
大陸の村々もまだまだである。
だがしかし、この小さな村からは想像が出来ない活気はどうだ。
眼界に入る旅商人のこの数は! 村の家屋よりも街商の方が多いじゃないか。
村長が言うには、この村は、過疎化が進んで、廃村の道を歩んでいたそうなんだけども、ある日を境に潤い始めたとの事。
そして、ここ最近になって、更にその潤いが増しているそうだ。
老若男女の笑顔たるや。活気がよくなれば、大きな街にいった若者たちも、子連れで戻ってきてるってさ。
景気がよくなればそうなるのは必然か。
今では廃村? そんな事はなかったんだ。とばかりの蘇りようだ。
富を落としていく旅商人にとっては、こんな小さな村なので、宿泊場がなくて難儀してたそうだけど、商魂と機転の利く方が、移動式住居を持参して、宿屋の経営にまで手を伸ばしている。
僕も昨晩はお世話になった。たいした商魂である。
本音は、こんなとこに来るくらいなら、ここから北にある、魔術学都市で名高い、サージャスさんの故郷、クリネアに行きたかったよ。
そこで、調査したって事で、お茶を濁したかった。
こんな危険な場からはさっさと遁、ずらかりたいもんだ。
――。
村長の所に送り届けられた僕宛の荷物。
木箱の中身は――――うむ、これから先、僕の命を守ってくれる存在たちが詰まってる。
見た感じ、百発くらいは入ってるな。ありがたい。これだけあれば心にも余裕が出るってもんだ――――。
ズゥゥゥゥゥゥゥン――――。
「おお……揺れる、揺れる…………」
地震を思わせるこの揺れよ……。今しがたまであった余裕が振り落とされるよ……。
人生最大の嘆息を生む要因だよ、コレが! この揺れが!!
そして――――、この揺れは断続的に続く。
「うわっ」
時折、遠方から空を覆う強い輝き。
遅れて爆発音が耳朶に響き、大気と大地を震わせる。
輝きを発生させる方角にあるのが、ヴィン海域……。
本日も絶賛、ガチ勢の方々が、大魔法をドカドカと、制限がないもんだから満足するまで唱え続けて、剣戟を大いに楽しんでいるのだろうか?
――。
「アイテムくれ」
ヴィン海域から最も近いこのポズンの村には、ガチ勢の方々がやって来ては、村で売られている物資の悉くを購入していくそうだ。
景気右肩上がりの原因がこのガチ勢の存在。彼等の存在が、ポズンの村、廃村の運命を断ち切った。
この村でのリスクは、常に衝撃と揺れ、雷のようなゴロゴロとした音が聞こえてくる事だ。
儲けはあるけども、わざわざこの危険地帯一歩手前のような所にくる商人さんてのは、相当のゼニゲバ――――、もとい、商魂たくましい方なのである。
なので、ここに赴く商人さんは固定していて、新規の旅商人さんは中々にいない。
そのおかげで、独占状態ではあるみたいだけども。
――。
「どうも」
「こんにちは」
挨拶に挨拶で返す僕。
商人さんからアイテムを買い尽くし、五輌編成の大型幌馬車に荷を積み込む作業の手を止めて、手入れをしていないボサボサの栗毛からなる短髪の方が、僕に軽い会釈をしてくる。
「王都から遠路はるばるご苦労様です。自分が案内役の、ロッケンジー・マナルガルです」
「地形調査などを行わせていただきます。ピートマック・ウィザースプーンです」
ガチ勢とか聞いてたから、厳つい方かと思ったけど、普通の冒険者と変わらない顔つきである。
ロッケンジーさんは勇者だそうで、買い出しに来ている方々は、ロッケンジーさんのパーティーメンバーだそうだ。
一人一人、目が合えば、笑顔と共に挨拶をしてくださる。
普通だな。
――――と、思ったけども、何だろう? 何なんだろうか……。違和感を覚える。
あまりジロジロ見るのも失礼だとは分かっているけども、今一度、皆さんを見直す。
――……違和感が理解できた…………。
ロッケンジーさんのパーティーってさ、目の虹彩の色素が薄いんだよ……。
瞳孔もね、開いてるみたいな……。
とにかく、こういう目をした方々を今まで見た事がない……。
――――いや、あるぞ。そうだ! あれだ! 不死王さんのくすんだ目に近い。
うん――、死者の目だな……。コレは…………。
生気がない……。
あれは嘘だ。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
絶対に戻ってくとか強く思っていたけども。この世の中には、絶対なんて絶対ないんだよ!
「ふぅぅぅぅぅぅぅ――――」
これほどまでに重い嘆息をした事があっただろうか。
あったかもしれないが――――、今回、記録を更新したよ。
ポズンの村。
いま、僕が立っている場所。
小さな村だ。
瓦よりも、茅葺き屋根と土壁で出来た家屋が多くを占めている。
街道に続く道は、出来はともかく、石畳で作られているが、それ以外は舗装のされていない土道だ。
うむ、ワギョウを馬鹿に出来なかった……。これが王都に住まう者の、視野角の狭さか。精進が足りないな。
大陸の村々もまだまだである。
だがしかし、この小さな村からは想像が出来ない活気はどうだ。
眼界に入る旅商人のこの数は! 村の家屋よりも街商の方が多いじゃないか。
村長が言うには、この村は、過疎化が進んで、廃村の道を歩んでいたそうなんだけども、ある日を境に潤い始めたとの事。
そして、ここ最近になって、更にその潤いが増しているそうだ。
老若男女の笑顔たるや。活気がよくなれば、大きな街にいった若者たちも、子連れで戻ってきてるってさ。
景気がよくなればそうなるのは必然か。
今では廃村? そんな事はなかったんだ。とばかりの蘇りようだ。
富を落としていく旅商人にとっては、こんな小さな村なので、宿泊場がなくて難儀してたそうだけど、商魂と機転の利く方が、移動式住居を持参して、宿屋の経営にまで手を伸ばしている。
僕も昨晩はお世話になった。たいした商魂である。
本音は、こんなとこに来るくらいなら、ここから北にある、魔術学都市で名高い、サージャスさんの故郷、クリネアに行きたかったよ。
そこで、調査したって事で、お茶を濁したかった。
こんな危険な場からはさっさと遁、ずらかりたいもんだ。
――。
村長の所に送り届けられた僕宛の荷物。
木箱の中身は――――うむ、これから先、僕の命を守ってくれる存在たちが詰まってる。
見た感じ、百発くらいは入ってるな。ありがたい。これだけあれば心にも余裕が出るってもんだ――――。
ズゥゥゥゥゥゥゥン――――。
「おお……揺れる、揺れる…………」
地震を思わせるこの揺れよ……。今しがたまであった余裕が振り落とされるよ……。
人生最大の嘆息を生む要因だよ、コレが! この揺れが!!
そして――――、この揺れは断続的に続く。
「うわっ」
時折、遠方から空を覆う強い輝き。
遅れて爆発音が耳朶に響き、大気と大地を震わせる。
輝きを発生させる方角にあるのが、ヴィン海域……。
本日も絶賛、ガチ勢の方々が、大魔法をドカドカと、制限がないもんだから満足するまで唱え続けて、剣戟を大いに楽しんでいるのだろうか?
――。
「アイテムくれ」
ヴィン海域から最も近いこのポズンの村には、ガチ勢の方々がやって来ては、村で売られている物資の悉くを購入していくそうだ。
景気右肩上がりの原因がこのガチ勢の存在。彼等の存在が、ポズンの村、廃村の運命を断ち切った。
この村でのリスクは、常に衝撃と揺れ、雷のようなゴロゴロとした音が聞こえてくる事だ。
儲けはあるけども、わざわざこの危険地帯一歩手前のような所にくる商人さんてのは、相当のゼニゲバ――――、もとい、商魂たくましい方なのである。
なので、ここに赴く商人さんは固定していて、新規の旅商人さんは中々にいない。
そのおかげで、独占状態ではあるみたいだけども。
――。
「どうも」
「こんにちは」
挨拶に挨拶で返す僕。
商人さんからアイテムを買い尽くし、五輌編成の大型幌馬車に荷を積み込む作業の手を止めて、手入れをしていないボサボサの栗毛からなる短髪の方が、僕に軽い会釈をしてくる。
「王都から遠路はるばるご苦労様です。自分が案内役の、ロッケンジー・マナルガルです」
「地形調査などを行わせていただきます。ピートマック・ウィザースプーンです」
ガチ勢とか聞いてたから、厳つい方かと思ったけど、普通の冒険者と変わらない顔つきである。
ロッケンジーさんは勇者だそうで、買い出しに来ている方々は、ロッケンジーさんのパーティーメンバーだそうだ。
一人一人、目が合えば、笑顔と共に挨拶をしてくださる。
普通だな。
――――と、思ったけども、何だろう? 何なんだろうか……。違和感を覚える。
あまりジロジロ見るのも失礼だとは分かっているけども、今一度、皆さんを見直す。
――……違和感が理解できた…………。
ロッケンジーさんのパーティーってさ、目の虹彩の色素が薄いんだよ……。
瞳孔もね、開いてるみたいな……。
とにかく、こういう目をした方々を今まで見た事がない……。
――――いや、あるぞ。そうだ! あれだ! 不死王さんのくすんだ目に近い。
うん――、死者の目だな……。コレは…………。
生気がない……。
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