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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-15
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「そして、ここはわたくしの主である氷竜王が住まう館です」
「へ!? ウンディーネ様なのに主がいるんですか!?」
四大精霊様の一柱を従えてるなんて、凄い方なんだな、シズクさんって。
そもそも邪神の話では、魔王さんは元々が戦女神。
となれば、カグラさんや妹のシズクさんも、神族的な立ち位置なのかな? そうならば、精霊を従えるってのにも得心はいく。しかし、まさか従えているのが大精霊様とは……。
「気を失ったところを、ドレッドノート様が運ばれたんです」
ああ……、バロニアさん、ザンデさん…………。
ドレッドノートさんの名を聞いて、現実が僕に押し迫ってくる。
嫌でも思い出される、二人の死。
ベッドで頭を抱え込んでしまう。
「気をしっかりと持ってください」
背中を優しく擦ってくれる。
不思議とそれで安心するのだからありがたい。
やはり、人って誰かに支えてもらわないと駄目になるんだな。
とくに、僕みたいなヘタレな存在にはね――――。
「この様な環境です。貴男が気に病むことはありません。覚悟の上でここに居座ってるのですから」
暖かな笑みが、滅入っている心を癒やしてくれる。
「大分、楽になり――――」
「ここでは命など儚きもの、そのような些末な事に苛まれていては、何も出来ませんよ」
おお……、おぉ…………。
なんという、残酷な笑顔か……。
一緒じゃねえか……。向こうの病んでる意識高いガチ勢と一緒じゃないか…………。
「ここはやはり、現世でなく――――地獄だ……」
「いえいえ、ここは楽園です。だって、好きなだけ暴れられるんですから。命の奪い合いって刺激的でいいですよ♪」
なんてこったい……。美しい虹彩の存在からは聞きたくなかったよ……。
澱みもない澄んだ清流のように、すらすらと語ったな。流石は水の大精霊様だ。
なのに、台詞は真逆のドブ泥のようだよ……。
結局はこの方もガチ勢って事か…………。
腐ってやがる!!
誰がなんと言おうと、ここは……、地獄だ…………。
「起き上がれますか」
「はい、大丈夫です……」
「元気がありませんね」
十割で、ここで馬鹿やってる貴方方が原因ですよ。とは言いたいけど、言えない。
殺されたくないからね……。命の奪い合いは刺激的とか言っちゃう時点で、魔王軍サイドも、命を軽んじてるもの。悋気に触れたら、平気で命を刈り取る方々だよ。
はぁ…………、バロニアさん。ザンデさん。本当に死んだんだな……。
初めてだった、人が命を落とすのを目撃するのは、しかもあんな感じで……。
発狂していない自分が、不思議でならないよ。
「では――――行きましょうか」
帰らせてくれるのかな? これで一応、魔王軍サイドも見れたという体も出来たわけだし、これで調査終了って事にならないかな……。
――。
寝室同様、通路もオリエンタルなデザインで統一されていて、木の皮を格子状にして作られた筒状の入れ物や、陶器などの調度品が並んでいる。
僕の前を歩くイスキさん。普段ならその後ろ姿、特に臀部なんかを凝視して喜んだりするんだろうけど、この方もガチ勢と分かった途端に、眺めるって行為が出来なくなった。
心身共に滅入っているよ……。
本来さ、人間って追い込まれたりすると、種の保存に傾倒するらしいけど、反応しないというね……。
あれかな? まだ極限状態じゃないと、本能が理解していたりするのかな? でも、これ以上の極限状態ってないよ。
――。
「こちらへ」
通路から、境となる扉もドアもなく、そのまま広い部屋へと繋がっている。
テラスもあって、眼前にはオーシャンビュー。先ほどの部屋より海が近い。というかテラスの先は真っ白な砂浜が広がった素敵な風光だ。
陽射しは強いけど、心地いい。リゾート地と見紛うばかりだ。
真っ赤な南国の花々に椰子の木。
南国然たる風光。
本当にここで血みどろの戦闘があってるとは考えられないよ。
――――そうだよ。
「あの戦闘中ですよね?」
「ええ、しゃにむに戦いを楽しんでいる事でしょう」
――……楽しんでるって部分はいらない。
「へ!? ウンディーネ様なのに主がいるんですか!?」
四大精霊様の一柱を従えてるなんて、凄い方なんだな、シズクさんって。
そもそも邪神の話では、魔王さんは元々が戦女神。
となれば、カグラさんや妹のシズクさんも、神族的な立ち位置なのかな? そうならば、精霊を従えるってのにも得心はいく。しかし、まさか従えているのが大精霊様とは……。
「気を失ったところを、ドレッドノート様が運ばれたんです」
ああ……、バロニアさん、ザンデさん…………。
ドレッドノートさんの名を聞いて、現実が僕に押し迫ってくる。
嫌でも思い出される、二人の死。
ベッドで頭を抱え込んでしまう。
「気をしっかりと持ってください」
背中を優しく擦ってくれる。
不思議とそれで安心するのだからありがたい。
やはり、人って誰かに支えてもらわないと駄目になるんだな。
とくに、僕みたいなヘタレな存在にはね――――。
「この様な環境です。貴男が気に病むことはありません。覚悟の上でここに居座ってるのですから」
暖かな笑みが、滅入っている心を癒やしてくれる。
「大分、楽になり――――」
「ここでは命など儚きもの、そのような些末な事に苛まれていては、何も出来ませんよ」
おお……、おぉ…………。
なんという、残酷な笑顔か……。
一緒じゃねえか……。向こうの病んでる意識高いガチ勢と一緒じゃないか…………。
「ここはやはり、現世でなく――――地獄だ……」
「いえいえ、ここは楽園です。だって、好きなだけ暴れられるんですから。命の奪い合いって刺激的でいいですよ♪」
なんてこったい……。美しい虹彩の存在からは聞きたくなかったよ……。
澱みもない澄んだ清流のように、すらすらと語ったな。流石は水の大精霊様だ。
なのに、台詞は真逆のドブ泥のようだよ……。
結局はこの方もガチ勢って事か…………。
腐ってやがる!!
誰がなんと言おうと、ここは……、地獄だ…………。
「起き上がれますか」
「はい、大丈夫です……」
「元気がありませんね」
十割で、ここで馬鹿やってる貴方方が原因ですよ。とは言いたいけど、言えない。
殺されたくないからね……。命の奪い合いは刺激的とか言っちゃう時点で、魔王軍サイドも、命を軽んじてるもの。悋気に触れたら、平気で命を刈り取る方々だよ。
はぁ…………、バロニアさん。ザンデさん。本当に死んだんだな……。
初めてだった、人が命を落とすのを目撃するのは、しかもあんな感じで……。
発狂していない自分が、不思議でならないよ。
「では――――行きましょうか」
帰らせてくれるのかな? これで一応、魔王軍サイドも見れたという体も出来たわけだし、これで調査終了って事にならないかな……。
――。
寝室同様、通路もオリエンタルなデザインで統一されていて、木の皮を格子状にして作られた筒状の入れ物や、陶器などの調度品が並んでいる。
僕の前を歩くイスキさん。普段ならその後ろ姿、特に臀部なんかを凝視して喜んだりするんだろうけど、この方もガチ勢と分かった途端に、眺めるって行為が出来なくなった。
心身共に滅入っているよ……。
本来さ、人間って追い込まれたりすると、種の保存に傾倒するらしいけど、反応しないというね……。
あれかな? まだ極限状態じゃないと、本能が理解していたりするのかな? でも、これ以上の極限状態ってないよ。
――。
「こちらへ」
通路から、境となる扉もドアもなく、そのまま広い部屋へと繋がっている。
テラスもあって、眼前にはオーシャンビュー。先ほどの部屋より海が近い。というかテラスの先は真っ白な砂浜が広がった素敵な風光だ。
陽射しは強いけど、心地いい。リゾート地と見紛うばかりだ。
真っ赤な南国の花々に椰子の木。
南国然たる風光。
本当にここで血みどろの戦闘があってるとは考えられないよ。
――――そうだよ。
「あの戦闘中ですよね?」
「ええ、しゃにむに戦いを楽しんでいる事でしょう」
――……楽しんでるって部分はいらない。
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