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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-19
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「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――」
訪れる動。
絹を裂くような叫び声が青空の下でよく響く。
心地のよい波の音だけしかしないこの空間だと、本当によく響く。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい!」
「謝るならどきなさいよ! バカ!!」
ここでどいたら僕は氷漬けにされてしまうような気がするので、この体勢を維持したいところなんだけども。
「どいてよぉぉぉぉ……」
「はい」
流石にこれ以上の体勢維持は、どかないよりも危険なリスクが生じそうだ。弱々しい声が逆に恐怖である。
つと起き上がって、すかさず深々と頭を下げて謝罪を行う。
「何なのよ……男の人に触られたことなんて、今までなかったのに……」
「大変、申し訳ありませんでした」
――――命を奪われるって事は今のところない。
しじまに支配される状況だ。
心臓の鼓動がやばい。この後のシズクさんの行動で、僕の生死が決まるんだからね。
巡れ我が脳漿。降臨せよ妙案。
――――駄目だ! 焦りから全くもって頭が回転しない。
――。
――――あれ? なにも反応がないよ。
恐る恐るシズクさんを窺う。
ん? 落ち込んでる? 項垂れてますけども。力なく座り込んだ状態ですけど。
「ひ、ぐっ……ひ……」
あれぇぇぇぇぇぇぇぇ!? 泣いちゃったんですけど!?
「普段、男性とは関わらないから苦手なのよ。だから近づいてほしくなかったのに……なのに体を弄られるし」
弄るって表現はやめてください。まるで僕が卑劣漢みたいじゃないですか。
それよりも、男性が苦手? だからつんけんしてたの? 高慢ちきってわけじゃなく、初心なだけなの?
「姉なんかと比べてさ、非礼な事ばっかり言って。私は姉と比べられるのが嫌なの!」
「ごめんなさい」
やはり、カグラさんのスタイルに嫉妬しているようだ。的を射て、申し訳ないです。
謝る事しか出来ない。
先ほどは、強襲してきた御一行を瞬間冷凍して、腹心のイスキさんまで凍らせた、心も凍りついてる方だと思っていたのに、ただ初心な方だったっていうね。
命を平気で奪う初心ってのも何だかな~。と、思いますけども。
だがしかし、どんな女性であれ、女性に泣かれたらその時点で負けだという風に思いたい男。ピートマック・ウィザースプーンです。
「ごめんなさい」
むせび泣いている呼吸が、安定したところで、座り込んでるシズクさんに、視線を合わせてから言葉を述べて、頭を下げた。
DOGEZAスタイルである。先ほど以上に誠心誠意の謝罪である。
頭を起こしてから、大粒の涙がこぼれるシズクさんに、ポケットからハンカチを取り出す。
今までの経験を活かし、ようやくハンカチを携帯できる男になれた。
自分用でなく、ロールさんを中心とした、女性陣用として購入した、シルク製だ。
現状、蓄えを除くと赤貧である僕が、大枚をはたいて購入した、肌触り抜群の、染み一つない、美しい純白の物だ。
まっさらの未使用品。女性の涙のためのアイテム。
出来れば最初はロールさんがよかったけど、女性の涙をいつでも拭いてあげられるような立場になりたい男。ピートマック・ウィザースプーンです。
「どうぞ」
ぐすっと泣きながらも、ハンカチを受け取ってくれた。
「ありがと……」
おう、その弱々しい仕草には、ぐっとくるよ。可愛いよ。
「洗ってから返す」
「いいですよ」
「とにかく目を覚ましたなら、帰りなさい」
僕はもう、終わらせて王都に帰りたいです。調査がまだ必要となるなら、結界が展開しているここの方が、精神的にゆとりが出来るんで、ここにいたいんですけど。ちゃんとした寝室もあるし。
でも、帰れって言われる以上、ここにいるのもね……。泣かせちゃったしね。
ここは素直に従って戻るか……。魚の目を持つ集団の陣営に…………。
「もう一度、ちゃんと貴男の名前をきちんと聞かせて」
知ってるんでしょ? まあいいけど、
「ピートマック・ウィザースプーンです。親しい方々からはピートと呼ばれています」
「そう――――」
しっかりと覚えてもらったかな?
――さて、帰れと言われても、どうやって帰ればいいのか。
帰るにしても、結界の外はどういう状況なのか分からないから、結界外に繋がる海の方に、足が向かない。
それに、まさかですけど、泳いで帰れとか言わないですよね?
どうすべきかと右往左往してると、シズクさんがフィンガースナップを一つ。
音が小気味よく響くと、イスキさんの体に付着していた霜がパラパラとはがれていき、ダイヤモンドダストを思わせるように、キラキラと大気を輝かせる。
「――――ふう、流石にこれは手厳しいですよ」
「うるさいわね! ピート様をお送りしなさい」
は? 様ぁ!? 様、様て……。
いきなりの様付けだ。カグラさんだって殿止まりなのに。様とか、背中あたりがこそばゆいよ。
まあ、悪い気はしないけどさ。
でも、なんで様?
訪れる動。
絹を裂くような叫び声が青空の下でよく響く。
心地のよい波の音だけしかしないこの空間だと、本当によく響く。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい!」
「謝るならどきなさいよ! バカ!!」
ここでどいたら僕は氷漬けにされてしまうような気がするので、この体勢を維持したいところなんだけども。
「どいてよぉぉぉぉ……」
「はい」
流石にこれ以上の体勢維持は、どかないよりも危険なリスクが生じそうだ。弱々しい声が逆に恐怖である。
つと起き上がって、すかさず深々と頭を下げて謝罪を行う。
「何なのよ……男の人に触られたことなんて、今までなかったのに……」
「大変、申し訳ありませんでした」
――――命を奪われるって事は今のところない。
しじまに支配される状況だ。
心臓の鼓動がやばい。この後のシズクさんの行動で、僕の生死が決まるんだからね。
巡れ我が脳漿。降臨せよ妙案。
――――駄目だ! 焦りから全くもって頭が回転しない。
――。
――――あれ? なにも反応がないよ。
恐る恐るシズクさんを窺う。
ん? 落ち込んでる? 項垂れてますけども。力なく座り込んだ状態ですけど。
「ひ、ぐっ……ひ……」
あれぇぇぇぇぇぇぇぇ!? 泣いちゃったんですけど!?
「普段、男性とは関わらないから苦手なのよ。だから近づいてほしくなかったのに……なのに体を弄られるし」
弄るって表現はやめてください。まるで僕が卑劣漢みたいじゃないですか。
それよりも、男性が苦手? だからつんけんしてたの? 高慢ちきってわけじゃなく、初心なだけなの?
「姉なんかと比べてさ、非礼な事ばっかり言って。私は姉と比べられるのが嫌なの!」
「ごめんなさい」
やはり、カグラさんのスタイルに嫉妬しているようだ。的を射て、申し訳ないです。
謝る事しか出来ない。
先ほどは、強襲してきた御一行を瞬間冷凍して、腹心のイスキさんまで凍らせた、心も凍りついてる方だと思っていたのに、ただ初心な方だったっていうね。
命を平気で奪う初心ってのも何だかな~。と、思いますけども。
だがしかし、どんな女性であれ、女性に泣かれたらその時点で負けだという風に思いたい男。ピートマック・ウィザースプーンです。
「ごめんなさい」
むせび泣いている呼吸が、安定したところで、座り込んでるシズクさんに、視線を合わせてから言葉を述べて、頭を下げた。
DOGEZAスタイルである。先ほど以上に誠心誠意の謝罪である。
頭を起こしてから、大粒の涙がこぼれるシズクさんに、ポケットからハンカチを取り出す。
今までの経験を活かし、ようやくハンカチを携帯できる男になれた。
自分用でなく、ロールさんを中心とした、女性陣用として購入した、シルク製だ。
現状、蓄えを除くと赤貧である僕が、大枚をはたいて購入した、肌触り抜群の、染み一つない、美しい純白の物だ。
まっさらの未使用品。女性の涙のためのアイテム。
出来れば最初はロールさんがよかったけど、女性の涙をいつでも拭いてあげられるような立場になりたい男。ピートマック・ウィザースプーンです。
「どうぞ」
ぐすっと泣きながらも、ハンカチを受け取ってくれた。
「ありがと……」
おう、その弱々しい仕草には、ぐっとくるよ。可愛いよ。
「洗ってから返す」
「いいですよ」
「とにかく目を覚ましたなら、帰りなさい」
僕はもう、終わらせて王都に帰りたいです。調査がまだ必要となるなら、結界が展開しているここの方が、精神的にゆとりが出来るんで、ここにいたいんですけど。ちゃんとした寝室もあるし。
でも、帰れって言われる以上、ここにいるのもね……。泣かせちゃったしね。
ここは素直に従って戻るか……。魚の目を持つ集団の陣営に…………。
「もう一度、ちゃんと貴男の名前をきちんと聞かせて」
知ってるんでしょ? まあいいけど、
「ピートマック・ウィザースプーンです。親しい方々からはピートと呼ばれています」
「そう――――」
しっかりと覚えてもらったかな?
――さて、帰れと言われても、どうやって帰ればいいのか。
帰るにしても、結界の外はどういう状況なのか分からないから、結界外に繋がる海の方に、足が向かない。
それに、まさかですけど、泳いで帰れとか言わないですよね?
どうすべきかと右往左往してると、シズクさんがフィンガースナップを一つ。
音が小気味よく響くと、イスキさんの体に付着していた霜がパラパラとはがれていき、ダイヤモンドダストを思わせるように、キラキラと大気を輝かせる。
「――――ふう、流石にこれは手厳しいですよ」
「うるさいわね! ピート様をお送りしなさい」
は? 様ぁ!? 様、様て……。
いきなりの様付けだ。カグラさんだって殿止まりなのに。様とか、背中あたりがこそばゆいよ。
まあ、悪い気はしないけどさ。
でも、なんで様?
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