拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ

PHASE-22

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「ナイゼル」

「おう! こっちの遊撃は仕留めた」
 飛翔でこちらに来る人に、ナイゼルさん嬉々として説明。
Cチャーリーも落ちた。後はBバターAアップルだけになっちまった。こっちの残存は六――七人だ」
 おい待て、そこの顔の長いの。僕を見て残存数を訂正するんじゃないよ。僕は無関係なの!

「そうか、七人か」
 おい、ナイゼルさんよ~。あんたはやっぱり馬鹿なのかい? 入れるな! 僕を!!

「ドレッドノート討伐は失敗。加えて犠牲が大きすぎた。どうするナイゼル」

「今回もMVPはドレッドノートだな」
 なんだよMVPって、殺し合いしててそんな事で称えるなよ。

「あいつ何回目だって話だよ。羨ましい」
 おい、そこの顔の長いの、羨むな。仲間の死を悼むんだよ。

「次は俺たちが取ろうじゃないか。ベッチ」

「だな」
 次とか、戦いが起こる度に死人ばかり出してりゃ、MVP以前に誰もいなくなるだろうよ。
 どうなってんの? 欠員が出た時点で、後方支援推奨の方々が駆り出されるって事なんですかね? ロッケンジーさん達は喜ぶんだろうけども。
 この馬鹿な戦いが始まってから、一体どれほどの方々が天へと旅だったんだろうか。きっとここにいなければ、世間で大きく名声を得ることが出来る方々ばかりだったろうに……。
 成長して、魔王さんに届くだけの逸材だっていただろう。



「いたぞ!」
 ああ! 見つかった。僕は関係ないんで。双方で好きにやればいいさ。
 
 ――――……待て、待て、待て! なんで僕の方にも向かってくるの! やめて! 僕、シズクさんに様付けされてるんだぞ! 敬え僕を!

「波さん動いてお願い! 早くここから去るのです」
 こいつら、僕がいるのもお構いなしに詠唱なんてし始めやがりましたよ。
 あの半漁人サハギンさんめ! 僕を巻き込まないような配慮をしないとは! カラフルなボディだからね。仕方ないね。きっと頭の中もさぞカラフルなんでしょうな!!

大竜巻レイジングチェイサー
 ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ! 海から生まれ出た、でっかいた~つ~ま~きぃぃぃぃぃぃ!! あかん! 町が飲み込まれるヤツだよ。馬鹿だよ。あいつやっぱり頭の中がカラフルだよ。

「僕がいるんだよ!!!!」
 裏返った声で叫んでやったけど、大魔法の竜巻は、僕の言葉なんて知ったこっちゃねえとばかりに接近してくる。

「飛べ!」
 飛べ! じゃねえよおめえよ。飛べねえよ!
 おいナイゼル! やいナイゼル! 僕を置いていくなよ!

「波さんもっと早く動いてぇぇぇぇぇぇぇぇ」
 僕の必死が伝わってくれたのか、全速力で竜巻から離れる。
 暴風を生み出す存在に対して僕は板きれを両手でしっかりと掴んで、低い姿勢で波さん頼りに、とにかくこの戦闘域から遁、ずらかる。

「ちぃ! 逃がすな」
 なにが【ちぃ!】だよ。ふざけんなよまったく。手にした三叉矛トライデントをなぜに僕の方にも向けるんだよ。
 しかも、大魔法の竜巻もなんで僕を執拗に追いかけてくるの? 二人は空を飛んでるけど、僕が海を移動しているから追跡しやすいってか?
 こっちは整備局員だぞ。巻き込まないでください……。調査なんです……。

荒天乱舞ゲイルインパクト
 飛んじゃう。やばいよ。竜巻に対して、突風が幾重にもなった波状攻撃。
 竜巻と、手数の風がぶつかり合う。
 荒ぶる高波に颶風、それに翻弄される僕というのが俯瞰から見た状況だろう。
 大魔法が互いの威力で相殺される。

「無事ですか?」
 竜巻を消してくれたのはありがたいですがね。無事でいてほしいなら、こっち来んなよナイゼルさん。飛んで逃げやがって!

「逃げられないわよ。ナイゼル・エース!」

「その声は、プールか!」
 空間が裂けて現れる人物。
 小豆色ラセットブラウンの長髪の美人様。案の定、虹彩のないオレンジ色の瞳。
 先端が垂れ下がった黒色の三角帽子に、同色のケープ。
 魔法使い然たる姿。
 そして、ぐったりとしたベッチさんを掴んでいる。
 ナイゼルさんと飛んで回避してたけど、この人に捕まったみたいだ。
 どうやらすでに事切れているようで、ピクリとも動かない。
 そんな動かないベッチさんを、魔法使いの方は、おもむろに海へと投げ捨てた……。

「ベッチ! おのれプール! 冒険者の裏切り者め!」

「裏切ってはいない。刺激が欲しいだけ。それに袂を分かった原因は貴男でしょ! ナイゼル!!」
 目を吊り上げると、火球ファイヤーボールをナイゼルさんに放つ。
 大きさは、ナイゼルさんの体を容易に包み込むくらいある。リンゴサイズの標準とはかけ離れすぎたサイズ。
 それだけで、プールさんって方の魔力の高さと強さが窺える。
 でも、それをナイゼルさんは軽々と拳で弾いている。
 すげえ――――。
 と、凝視していたら、ギンッって耳を劈くような金属音――――。
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