拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ

PHASE-23

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 ――――プールさん、火球ファイヤーボールを放ったと同時に姿が消えた。
 その直後、ナイゼルさんの背後の空間が歪んで、そこからプールさんが現れると、レイピアにて刺突を見舞う。
 それをクレイモアで捌く。
 金属音の音源はこの一連のものだった――――。

 音の不快さに片目を閉じつつも、見続ける先では、
「これならどう」
 フィンガースナップを一つプールさんが鳴らす。
 音に合わせてプールさんの目の前に、闇に覆われた穴が開く。
 その穴にレイピアだけを突っ込んだ。

「小手先の技など無駄だ」
 容易く回避。

「流石」
 ナイゼルさんの直上からレイピアの切っ先だけが出現して、ナイゼルさんを襲った。
 剣先の長さと、プールさんの手元の剣身の長さから、剣先だけが空間移動しているようだ。

「お次はこれ。氷塊錐フリーズダガー
 これまた自分の前にある穴に、唱えた魔法を放つと、ナイゼルさんの周囲に小さな黒点がいくつも現出。鋭利な氷がそこから飛び出し襲いかかる多角攻撃。
 回避と、切り払いで対応するナイゼルさん。

「まどろっこしい!」
 間断ない攻撃に苛立つナイゼルさん。
 手にするクレイモアに埋め込まれたタリスマンの一つが輝き、斬撃一閃。
 周囲に点在する黒点と、迫る氷の刃を一振りによって消し去った。

「これまた流石」

「この程度、たやす――!?」

「くないでしょ」
 再度、背後をとるプールさんがレイピアによる刺突。
 考えは熟知しているとばかりに、体をよじって躱し、よじった力を利用してクレイモアで横薙ぎを見舞おうとするが途中で止めると、首だけを動かして背後から迫る切っ先を避ける。
 致命傷は避けられたみたいだけど、頬からは鮮血が流れている。
 背後を狙っていた初撃はフェイクだった。
 途中でレイピアの切っ先が消えると、横薙ぎで迎撃に出たナイゼルさんの背後を、空間移動した切っ先が狙う。
 二重で背後を狙う複雑な攻めかた。

「あら、決まったと思ったのに」

「トリッキーすぎるな。空間魔法が更に磨かれている。流石は俺の元パートナーだ」
 え!?

「同じパーティーだったんですか?」
 僕の発言が水入りとなり、双方が間合いをとると、ナイゼルさんが僕に接近。

「あれはヤー・プールといいまして、空間魔法の天才です」

「確かに、名前からして異次元な感じがします」

「は? 異次元でなく、空間ですよ」
 いえ、何でもないです……。ただ、思った事を率直に口に出しただけですから。後悔はしてません。でも、流してもらって結構です。

「可愛い。整備局の方よね」
 うわ!? 僕の背後に現れると、僕に密着してくるプールさん。
 ――――ほほう、そこそこにいいものをお持ちですな。
 
 ふむん、で、あるか――――。
 
 触れている背中に全神経をそそぐ事が、今の僕のすべき使命だというのは理解している。

「へ~。驚きをみせないね。整備局の人って肝が座ってるわね」

「プールに背後を取られたのに、驚きの表情も作らずに凛として、不動の姿勢。それを目にしては、お見事としか言いようがない」
 お二人とも、お褒めいただきありがとうございます。
 驚いているかと問われれば、驚いていますよ。
 背後を取られたことより、背中に当たる弾力にね。
 けっして大きいわけではない。小さくもない。標準よりやや大きいといったところか。
 だがどうだ――、この弾力は。低反発のこの心地よさよ。 
 ハハハハ――――、シズクさんでは叶えられん弾力よな。
 さあ、後はこの弾力を少しでも楽しむために僕がやる事があるとするならば――――、
「どうして、プールさんはシズクさんについたんです?」
 ここで話を延ばす事で、背中の弾力をまだまだ堪能できるというもの。延長、オナシャス!

「だってさ……ナイゼルが、私の作ったビーフシチューが気に入らないって言うんだもの」
 は? 何ですかその異次元な理由は? 名前があれだから異次元な理由なのかな?

「俺はビーフシチューにはサワークリームが鉄板なんだよ」
 おっと、ここにも異次元な理由を言う存在が現れたよ。その名はナイゼル・エース。
 二人揃って異次元がすぎる。

「私は単純に、じっくり煮込んで、うま味が溶け込んだシチューの味を堪能してもらいたいの!」

「サワークリームのほどよい酸味と、濃厚な生クリームがからんでこその至高の味よ」
 ああ――。なんだ。そういう事か……。
 ただのバカップルじゃないか。確かにバカップルの会話は異次元すぎて、一般人には理解できないもんね。
 ハハハハ―――――、死ねばいいのに。
 おっと、いかん、いかん。普段は爆ぜろ止まりなのに、死ねばいいとか直接的だな。
 ヴィン海域ここにに染まってきたのかな?
 でも、ここはヴィン海域。死人に口なしって、ドレッドノートさんも言ってたし、いいのかな。と、思えてくるよ。
 まったくさ、大した原因だな。それが命を奪い合うレベルの仲違いかよ! 異次元すぎだよ!! 思考がさ!!!!
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