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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-41
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「魔法は使用しても?」
「ええ、大魔法も使用可能です」
いや、それあるなら、島に伏兵だ、飛翔だ海中だの関係ないような気がするんですけどね……。
直撃したら、こんな船はひとたまりもないよ。
「魔法結界だよりって事ですか?」
「その通りです。この船にはシズク様がおられますから安心して乗船を」
シズクさんに対して、恐怖感より安心感が勝るなんてね。
「宜しくです。ピート様」
背後から猟奇的バカップルの片割れであるプールさんが僕に挨拶。
シズクさんが僕を様付けだからか、プールさんも様付けだ。
魔導師然たる恰好は相変わらず。
小豆色の長髪を潮風に靡かせながら、佇む姿は目を奪われるほどの美人様なんだけど、虹彩のないオレンジ色の瞳ってのが台無しにしている……。
勿体ないよ……。
「私がこの船にいる以上、大船に乗った気持ちでいてください」
笑顔はなんとも素敵だな。――――そうか、目を閉じてるからか。
「今日こそは、ナイゼルの臓腑をグチャグチャに……」
ああ……、くそったれ! 一瞬でも素敵と思ってしまった僕が馬鹿だったよ。
そうだよ、目の前の人は、ビーフシチューのサワークリームがどうとかで、恋人と殺し合いをしてる人なんだよ。
忘れるなピート。ここはサイコパスしかいないんだ!
「もう、そんな風に、冷え切った目で見ないで」
抱きついてきたよ。くっ騙されるな。いい香りに柔らかさ、これはまやかしなんだ。
「プール!」
僕が色香に危うく屈服しそうになったところで、シズクさんの強い語気。
本日もクロップドなシャツに、スキニーパンツのタイトな服装。とても戦いに赴くものじゃない。
「ピート様に馴れ馴れしすぎ!」
二の句を継いでお怒り発言。
右の指を動かし、パキパキとした音を立てるシズクさん。
関節を鳴らしてるのかと思いきや、キラキラとしたものが宙を舞っている。薄氷を手に纏わせているようだ。
これ以上、僕に抱きつけば、氷漬けにするという意味なんだろうね。
「失礼しました!」
と、僕から離れると直ぐに一礼。
プールさん……。貴女は本来、目の前にいる方と戦うサイドにいたんですよ。なんですかこの絶対忠誠は……、ナイゼルさんが見たら泣きますよ。
――――泣かないか。平然と恋人の命を奪うような人だからな。
――――ついでとばかりに、僕に対して不遜のないように。と、全体にお達し。
僕が抱くのは、とにかく全力で守ってください。という思いだけだ。
「ドレッドノートさんは?」
あの方に守ってもらえるのがいいんだろうけど――――、
「乗船できませんから」
と、イスキさん。
ですよね~。活躍できるとしたら牽引役なんだろうけど、それは禁止だしね。
多分だけど、ドレッドノートさんの牽引は無敵すぎるから、それも含めての禁止なんだろう。
「開戦を伝えなさい」
下知の元、空に向かって魔法が放たれる。
――――ドォォォォォン! と、体の芯まで伝わる衝撃。魔法が鏑矢の代わりという事か。
「抜錨」
錨があげられ、帆が風を受けて進む。
前方のガレー船はたくましい筋肉を有した半漁人さんを中心として、オールを海面に並べると、息を合わせて漕ぎ出し、人間ではあり得ない速度で、小島と小島の間を進んで行く。
「あ、ドレッドノートさんがいますね」
小島の奥から鎌首あげた姿が目に入る。
「ええ、大型の者達は、海に転落した者達の救出係です」
転落しても安心というわけか、サポートはしっかりと出来ている戦闘なんだな。命を奪い合うくせに。矛盾が秀でてるよ。
となると、冒険者サイドは有利ではあるな。毎回ドレッドノートさんの前で大半がお逝きになるから。
でも、結局はシズクさんがいるからな。殲滅戦でしょ? 結局は負けるんじゃないの冒険者サイド……。
でもって、当たり前のように僕の横に立って説明してくれるシズクさん。
イスキさんは後方に下がった。なんだろうか、変なところで気を使ってくださる。
「敵性ガレー船、本船右舷に接近! 数二」
伝達するのはカラフルカラーの半漁人さん。
忘れもしないカラフルさ! 僕に対しても大魔法を使用した、頭の中までカラフルな方だ。
それっぽい伝達しやがって! 知的な感じを醸し出せるなら、僕に対しても分別のついた行動を選択してほしかったよ!
「護衛船、出なさい」
オールを漕いで迫るガレー船に対して、シズクさんの指示の元。こちらも一艘のガレー船と、一隻のキャラベル船で対応。
こちらサイドは、右舷を相手に見せながら、旗艦の壁になるように縦隊。
向こうも同じように縦隊で左舷側を見せている。
「ええ、大魔法も使用可能です」
いや、それあるなら、島に伏兵だ、飛翔だ海中だの関係ないような気がするんですけどね……。
直撃したら、こんな船はひとたまりもないよ。
「魔法結界だよりって事ですか?」
「その通りです。この船にはシズク様がおられますから安心して乗船を」
シズクさんに対して、恐怖感より安心感が勝るなんてね。
「宜しくです。ピート様」
背後から猟奇的バカップルの片割れであるプールさんが僕に挨拶。
シズクさんが僕を様付けだからか、プールさんも様付けだ。
魔導師然たる恰好は相変わらず。
小豆色の長髪を潮風に靡かせながら、佇む姿は目を奪われるほどの美人様なんだけど、虹彩のないオレンジ色の瞳ってのが台無しにしている……。
勿体ないよ……。
「私がこの船にいる以上、大船に乗った気持ちでいてください」
笑顔はなんとも素敵だな。――――そうか、目を閉じてるからか。
「今日こそは、ナイゼルの臓腑をグチャグチャに……」
ああ……、くそったれ! 一瞬でも素敵と思ってしまった僕が馬鹿だったよ。
そうだよ、目の前の人は、ビーフシチューのサワークリームがどうとかで、恋人と殺し合いをしてる人なんだよ。
忘れるなピート。ここはサイコパスしかいないんだ!
「もう、そんな風に、冷え切った目で見ないで」
抱きついてきたよ。くっ騙されるな。いい香りに柔らかさ、これはまやかしなんだ。
「プール!」
僕が色香に危うく屈服しそうになったところで、シズクさんの強い語気。
本日もクロップドなシャツに、スキニーパンツのタイトな服装。とても戦いに赴くものじゃない。
「ピート様に馴れ馴れしすぎ!」
二の句を継いでお怒り発言。
右の指を動かし、パキパキとした音を立てるシズクさん。
関節を鳴らしてるのかと思いきや、キラキラとしたものが宙を舞っている。薄氷を手に纏わせているようだ。
これ以上、僕に抱きつけば、氷漬けにするという意味なんだろうね。
「失礼しました!」
と、僕から離れると直ぐに一礼。
プールさん……。貴女は本来、目の前にいる方と戦うサイドにいたんですよ。なんですかこの絶対忠誠は……、ナイゼルさんが見たら泣きますよ。
――――泣かないか。平然と恋人の命を奪うような人だからな。
――――ついでとばかりに、僕に対して不遜のないように。と、全体にお達し。
僕が抱くのは、とにかく全力で守ってください。という思いだけだ。
「ドレッドノートさんは?」
あの方に守ってもらえるのがいいんだろうけど――――、
「乗船できませんから」
と、イスキさん。
ですよね~。活躍できるとしたら牽引役なんだろうけど、それは禁止だしね。
多分だけど、ドレッドノートさんの牽引は無敵すぎるから、それも含めての禁止なんだろう。
「開戦を伝えなさい」
下知の元、空に向かって魔法が放たれる。
――――ドォォォォォン! と、体の芯まで伝わる衝撃。魔法が鏑矢の代わりという事か。
「抜錨」
錨があげられ、帆が風を受けて進む。
前方のガレー船はたくましい筋肉を有した半漁人さんを中心として、オールを海面に並べると、息を合わせて漕ぎ出し、人間ではあり得ない速度で、小島と小島の間を進んで行く。
「あ、ドレッドノートさんがいますね」
小島の奥から鎌首あげた姿が目に入る。
「ええ、大型の者達は、海に転落した者達の救出係です」
転落しても安心というわけか、サポートはしっかりと出来ている戦闘なんだな。命を奪い合うくせに。矛盾が秀でてるよ。
となると、冒険者サイドは有利ではあるな。毎回ドレッドノートさんの前で大半がお逝きになるから。
でも、結局はシズクさんがいるからな。殲滅戦でしょ? 結局は負けるんじゃないの冒険者サイド……。
でもって、当たり前のように僕の横に立って説明してくれるシズクさん。
イスキさんは後方に下がった。なんだろうか、変なところで気を使ってくださる。
「敵性ガレー船、本船右舷に接近! 数二」
伝達するのはカラフルカラーの半漁人さん。
忘れもしないカラフルさ! 僕に対しても大魔法を使用した、頭の中までカラフルな方だ。
それっぽい伝達しやがって! 知的な感じを醸し出せるなら、僕に対しても分別のついた行動を選択してほしかったよ!
「護衛船、出なさい」
オールを漕いで迫るガレー船に対して、シズクさんの指示の元。こちらも一艘のガレー船と、一隻のキャラベル船で対応。
こちらサイドは、右舷を相手に見せながら、旗艦の壁になるように縦隊。
向こうも同じように縦隊で左舷側を見せている。
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