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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-42
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「備えなさい」
「ヨーソロー、ヨーソロー」
乗船する船でも配下の方々が忙しなく走り回り、右舷船端に二列で待機していく。
皆さん、シズクさんの下知を待っている状態だ。
「――――放て」
待ってましたとばかりに、船端に待機していた方々が、一斉に魔法を唱えて、迫るガレー船に放つ。
そこはやはり、氷竜王配下という事もあって、水系に氷結系の魔法が使用される。
旗艦、護衛船から鋭角な氷の塊や、球体の水が飛んでいく。
同時に、冒険者サイドの二艘のガレー船からも、様々な色合いの魔法がこちらに迫ってくる。
統一性の無さが、個性の豊かさだな。
案外、冷静な僕。
「守りなさい」
攻撃魔法を唱えた方々が後方に下がり、その後方で待機していた方々が前方へ。
操舵手の近くにいる僕は、船端より一段上の位置で見ているために、動きがよく把握できる。
船端では市松模様を思わせる二列縦隊だ。
迫ってくる魔法は船に飛来してくる事はない。
二列目が前へと出ると、船の上に魔法陣が現れ、結界魔法を展開してくれる。
それによって消滅させたり、弾き返してくれていた。
正確に言うと、攻撃を防いだのは、護衛船の結界魔法であり、この船には到達しなかった。
「反応が遅い」
と、消滅させる事が出来ず、弾き飛ばしてしまった、ガレー船に乗船する方を指さしてお説教のシズクさん。
弾かれたのが海に落ちたから良かったものの、側の船に当たっていれば、どう責任をとるのかとお怒り。
僕からすると、結界を展開しているからいいんじゃない? と、思うんだけど、確実に対処する事で、万全を尽くしたいと考えるシズクさんは納得しないご様子。
頭を下げて平謝りの、半漁人さんの上位で、腕が四本と特徴的な半漁貴族さん。
「まったく、なんのために無駄に四本も腕があるのよ」
「まあ、そう怒らずに」
「これは、はしたないところを……」
僕には謙虚なシズクさん。それを配下の方にもお願いします。
「次」
――……僕以外には淡々としている……。
でも、次には移行してほしくない……。
困った事に眼下では、結界魔法を展開している後方で、第一陣として攻撃を行った方々が、長い詠唱を唱えている。
間違いなく大魔法じゃないか……。
初手で挨拶代わりの素早い通常魔法。継いで結界となり、大魔法というのが一連の流れなら、向こう側も同じだよね。
双方、結界魔法は一緒のタイミングだったから、まず間違いなく冒険者サイドの次の一手は大魔法だろう。
こちらの皆さんは、同じ詠唱を行ってる。遅れてる方もいるから、輪唱で歌っているみたいにも聞こえる。
「「「「大竜巻」」」」
――――海に現れる巨大な竜巻。
僕を追いかけてきたヤツだ。操舵手の隣で伝達を行っている。頭の中もカラフルな半漁人さんが使用した大魔法じゃないか。
凄い数だ……。あの時は一つだったけど、眼界の見渡す限りに竜巻が発生している。
さらにそれらが合わさって、一つになっていき、怪物を思わせる竜巻へと変貌していく。
近くの小島を通過するだけで小島は崩れ去る。こちらから離れていくのが救いだけど、当然、冒険者サイドも大魔法だ。
火を纏った巨大な岩のメテオ系に、雷、爆発系と、何でもござれな個性豊かな大魔法。
結界魔法がそれを受け止め耐えるものの、ビシビシと音を立て亀裂が現出している。いまにも魔法陣が崩壊しそうだ。
「耐えてみせなさい」
シズクさんの下知が、伝達役を通して、護衛船にも伝わると、気合いの雄叫びと共に、亀裂の部分が修復していった。
ここからは根比べの時間のようだ。
恐怖で戦くかと思っていたのに、目の前に迫る大魔法を目にしても尚、冷静でいられる僕。僕自身が驚いてしまうくらいに冷静に見ているよ。
なんたって、直立で胸を張って、腕組みして見てるからね。慣れって怖い。
「よし! 押し切りなさい」
ここ! と、判断したのか、強く発したシズクさんの語気に背中を押されるように気合いの入った咆哮が轟くと、大魔法の連続攻撃を防ぎきった。
旗艦である、アイスブランドは無事だけど、大魔法の衝撃によって、旗艦の壁役となったガレー船一艘が大破状態。
沈没まで時間の問題といったところ、無事だった方々は、となりのキャラベル船へと移動及び救出されている。
そして、魔王軍サイドの大魔法は統一性の強さが発揮したのか、冒険者のガレー船二艘は、それに飲み込まれ、没セシメラレタ。
相当数の犠牲者が出たと思われる。
無事だった方々は、今回、不参加の皆さんによって救助されるだろう。
ドレッドノートさんが動き出しているのがよい証拠。
模擬海戦開幕のアドバンテージは、魔王軍が得たようである。
「ヨーソロー、ヨーソロー」
乗船する船でも配下の方々が忙しなく走り回り、右舷船端に二列で待機していく。
皆さん、シズクさんの下知を待っている状態だ。
「――――放て」
待ってましたとばかりに、船端に待機していた方々が、一斉に魔法を唱えて、迫るガレー船に放つ。
そこはやはり、氷竜王配下という事もあって、水系に氷結系の魔法が使用される。
旗艦、護衛船から鋭角な氷の塊や、球体の水が飛んでいく。
同時に、冒険者サイドの二艘のガレー船からも、様々な色合いの魔法がこちらに迫ってくる。
統一性の無さが、個性の豊かさだな。
案外、冷静な僕。
「守りなさい」
攻撃魔法を唱えた方々が後方に下がり、その後方で待機していた方々が前方へ。
操舵手の近くにいる僕は、船端より一段上の位置で見ているために、動きがよく把握できる。
船端では市松模様を思わせる二列縦隊だ。
迫ってくる魔法は船に飛来してくる事はない。
二列目が前へと出ると、船の上に魔法陣が現れ、結界魔法を展開してくれる。
それによって消滅させたり、弾き返してくれていた。
正確に言うと、攻撃を防いだのは、護衛船の結界魔法であり、この船には到達しなかった。
「反応が遅い」
と、消滅させる事が出来ず、弾き飛ばしてしまった、ガレー船に乗船する方を指さしてお説教のシズクさん。
弾かれたのが海に落ちたから良かったものの、側の船に当たっていれば、どう責任をとるのかとお怒り。
僕からすると、結界を展開しているからいいんじゃない? と、思うんだけど、確実に対処する事で、万全を尽くしたいと考えるシズクさんは納得しないご様子。
頭を下げて平謝りの、半漁人さんの上位で、腕が四本と特徴的な半漁貴族さん。
「まったく、なんのために無駄に四本も腕があるのよ」
「まあ、そう怒らずに」
「これは、はしたないところを……」
僕には謙虚なシズクさん。それを配下の方にもお願いします。
「次」
――……僕以外には淡々としている……。
でも、次には移行してほしくない……。
困った事に眼下では、結界魔法を展開している後方で、第一陣として攻撃を行った方々が、長い詠唱を唱えている。
間違いなく大魔法じゃないか……。
初手で挨拶代わりの素早い通常魔法。継いで結界となり、大魔法というのが一連の流れなら、向こう側も同じだよね。
双方、結界魔法は一緒のタイミングだったから、まず間違いなく冒険者サイドの次の一手は大魔法だろう。
こちらの皆さんは、同じ詠唱を行ってる。遅れてる方もいるから、輪唱で歌っているみたいにも聞こえる。
「「「「大竜巻」」」」
――――海に現れる巨大な竜巻。
僕を追いかけてきたヤツだ。操舵手の隣で伝達を行っている。頭の中もカラフルな半漁人さんが使用した大魔法じゃないか。
凄い数だ……。あの時は一つだったけど、眼界の見渡す限りに竜巻が発生している。
さらにそれらが合わさって、一つになっていき、怪物を思わせる竜巻へと変貌していく。
近くの小島を通過するだけで小島は崩れ去る。こちらから離れていくのが救いだけど、当然、冒険者サイドも大魔法だ。
火を纏った巨大な岩のメテオ系に、雷、爆発系と、何でもござれな個性豊かな大魔法。
結界魔法がそれを受け止め耐えるものの、ビシビシと音を立て亀裂が現出している。いまにも魔法陣が崩壊しそうだ。
「耐えてみせなさい」
シズクさんの下知が、伝達役を通して、護衛船にも伝わると、気合いの雄叫びと共に、亀裂の部分が修復していった。
ここからは根比べの時間のようだ。
恐怖で戦くかと思っていたのに、目の前に迫る大魔法を目にしても尚、冷静でいられる僕。僕自身が驚いてしまうくらいに冷静に見ているよ。
なんたって、直立で胸を張って、腕組みして見てるからね。慣れって怖い。
「よし! 押し切りなさい」
ここ! と、判断したのか、強く発したシズクさんの語気に背中を押されるように気合いの入った咆哮が轟くと、大魔法の連続攻撃を防ぎきった。
旗艦である、アイスブランドは無事だけど、大魔法の衝撃によって、旗艦の壁役となったガレー船一艘が大破状態。
沈没まで時間の問題といったところ、無事だった方々は、となりのキャラベル船へと移動及び救出されている。
そして、魔王軍サイドの大魔法は統一性の強さが発揮したのか、冒険者のガレー船二艘は、それに飲み込まれ、没セシメラレタ。
相当数の犠牲者が出たと思われる。
無事だった方々は、今回、不参加の皆さんによって救助されるだろう。
ドレッドノートさんが動き出しているのがよい証拠。
模擬海戦開幕のアドバンテージは、魔王軍が得たようである。
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