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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-43
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「次、来るわよ」
更なるガレー船が四艘。
流石に一日じゃあ、大型船は造れなかったのかな? だとしても、あれだけのものを造船できるんだから、やっぱり凄いな。
初手と同様に魔法合戦からの大魔法。こちらは右舷を守っていたガレー船が一艘使用出来ない状況と、救出活動をしていたキャラベル船だけでは対応に遅れが生じてしまう。
「ガルイル」
「は! 旗艦右舷へ移動せよ」
左舷のキャラベル船で指揮を執っていた、ナマズのような立派な髭の幹部である半漁人のガルイルさんが、三叉矛を、迫る冒険者サイドのガレー船の方へと向けて、左舷防衛のガレー船と自らが乗るキャラベル船を突き進ませる。
その間にも、魔法は飛来し、結界によって防いでいく。
右舷で壁となり、駄目になったガレー船から救出され、キャラベル船に乗り込んだ半漁貴族さんが、もうお叱りはごめんとばかりに、必死になって防いでいるのが目に入る。
「直撃とかないですよね?」
「この調子だと、もしかしたらあり得ますね」
「大丈夫ですよね?」
「私が絶対にピート様を守りますから」
本当に、恐怖感より安心感だな。今日のシズクさん。思わず、恋人になってくれたら嬉しいとさえ思えてしまった。
「いいように接近を許してるわよ。不甲斐ない。死にたいの!」
こんなところがなければ、最高の美人なのにな……。
実際シズクさんが言うように、四艘のガレー船は、魔法を放ちながら、左舷を見せているかと思えば反転し右舷を見せ、蛇行しながら、僕たちの乗る船まで迫ってきている。
風を頼らない人力の強さが、ここぞとばかりに発揮されている。
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお」」」」
気合いの入った咆哮を上げながら、こっちサイドの攻撃を気にも留めずに攻め立ててくる。
ここで、旗艦左舷から右舷へと展開したガルイルさん指揮のキャラベル船と、ガレー船が応戦の魔法を放つ。
それすらも気にせずに蛇行しながら突っ込んでくる姿は、こちらに重圧を与えてくるね。
気圧されているんだろう。こちらの魔法が結界にも当たらずに、海に着弾しているもの。
「はあ……」
不甲斐なさにシズクさんが大きく嘆息。
耳朶にする配下の方々は背筋が真っ直ぐになる。
「船首を向けよ!」
ここでガルイルさん、旗艦の緊張を肌で感じたのか、乗員達を鼓舞激励しながら、船首を向かってくる四艘に向ける。
側面にこそ一番火力の高い魔法部隊を配置しているのに、それを活かさない移動に何を考えているのか? と見続けていると、自らが指揮している一隻と一艘で、単縦陣にて移動を始める。
「どららららららら――――」
受けて立つとばかりに冒険者サイドの四艘が魔法を打ち込みながら、同じく単縦陣になって突っ込んでくる。
「突っ込め!」
と、大音声のガルイルさんの指揮の下、突撃。
小島と小島の狭い中をキャラベル船とガレー船が前へと進んでいく。
「救出が終わり次第、護衛に向かわせなさい」
元々右舷で壁となっていたキャラベル船に下知を飛ばすシズクさん。そんな中でも突き進み、四艘のガレー船に向かっていくガルイルさん。
双方が接触しそうなところで、なにを思ったのか、ガルイルさんは、面舵一杯で回頭。
「ガルイル、気でも違ったのかしら?」
ここでまた、嘆息のシズクさん。
単縦陣だ。後続のガレー船は、ガルイルさんの乗船するキャラベル船が回頭した地点、すなわち回頭点で進路を変えて追従する。
そうなると、そこで進路を変えると分かっている冒険者サイドにとっては、後続はただの静止目標に変わってしまう。
袋だたき待ったなしだ。
だからこそ、その様な行動をとってしまったガルイルさんに落胆したと、シズクさんは僕に説明してくれた。
後続を囮に使用した戦い方なのだろうか? このヴィン海域在住の方々なら当たり前の戦術なのかも知れないけど、戦術家としてガルイルさんを評価するなら、低いものになりそうだな。
更なるガレー船が四艘。
流石に一日じゃあ、大型船は造れなかったのかな? だとしても、あれだけのものを造船できるんだから、やっぱり凄いな。
初手と同様に魔法合戦からの大魔法。こちらは右舷を守っていたガレー船が一艘使用出来ない状況と、救出活動をしていたキャラベル船だけでは対応に遅れが生じてしまう。
「ガルイル」
「は! 旗艦右舷へ移動せよ」
左舷のキャラベル船で指揮を執っていた、ナマズのような立派な髭の幹部である半漁人のガルイルさんが、三叉矛を、迫る冒険者サイドのガレー船の方へと向けて、左舷防衛のガレー船と自らが乗るキャラベル船を突き進ませる。
その間にも、魔法は飛来し、結界によって防いでいく。
右舷で壁となり、駄目になったガレー船から救出され、キャラベル船に乗り込んだ半漁貴族さんが、もうお叱りはごめんとばかりに、必死になって防いでいるのが目に入る。
「直撃とかないですよね?」
「この調子だと、もしかしたらあり得ますね」
「大丈夫ですよね?」
「私が絶対にピート様を守りますから」
本当に、恐怖感より安心感だな。今日のシズクさん。思わず、恋人になってくれたら嬉しいとさえ思えてしまった。
「いいように接近を許してるわよ。不甲斐ない。死にたいの!」
こんなところがなければ、最高の美人なのにな……。
実際シズクさんが言うように、四艘のガレー船は、魔法を放ちながら、左舷を見せているかと思えば反転し右舷を見せ、蛇行しながら、僕たちの乗る船まで迫ってきている。
風を頼らない人力の強さが、ここぞとばかりに発揮されている。
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお」」」」
気合いの入った咆哮を上げながら、こっちサイドの攻撃を気にも留めずに攻め立ててくる。
ここで、旗艦左舷から右舷へと展開したガルイルさん指揮のキャラベル船と、ガレー船が応戦の魔法を放つ。
それすらも気にせずに蛇行しながら突っ込んでくる姿は、こちらに重圧を与えてくるね。
気圧されているんだろう。こちらの魔法が結界にも当たらずに、海に着弾しているもの。
「はあ……」
不甲斐なさにシズクさんが大きく嘆息。
耳朶にする配下の方々は背筋が真っ直ぐになる。
「船首を向けよ!」
ここでガルイルさん、旗艦の緊張を肌で感じたのか、乗員達を鼓舞激励しながら、船首を向かってくる四艘に向ける。
側面にこそ一番火力の高い魔法部隊を配置しているのに、それを活かさない移動に何を考えているのか? と見続けていると、自らが指揮している一隻と一艘で、単縦陣にて移動を始める。
「どららららららら――――」
受けて立つとばかりに冒険者サイドの四艘が魔法を打ち込みながら、同じく単縦陣になって突っ込んでくる。
「突っ込め!」
と、大音声のガルイルさんの指揮の下、突撃。
小島と小島の狭い中をキャラベル船とガレー船が前へと進んでいく。
「救出が終わり次第、護衛に向かわせなさい」
元々右舷で壁となっていたキャラベル船に下知を飛ばすシズクさん。そんな中でも突き進み、四艘のガレー船に向かっていくガルイルさん。
双方が接触しそうなところで、なにを思ったのか、ガルイルさんは、面舵一杯で回頭。
「ガルイル、気でも違ったのかしら?」
ここでまた、嘆息のシズクさん。
単縦陣だ。後続のガレー船は、ガルイルさんの乗船するキャラベル船が回頭した地点、すなわち回頭点で進路を変えて追従する。
そうなると、そこで進路を変えると分かっている冒険者サイドにとっては、後続はただの静止目標に変わってしまう。
袋だたき待ったなしだ。
だからこそ、その様な行動をとってしまったガルイルさんに落胆したと、シズクさんは僕に説明してくれた。
後続を囮に使用した戦い方なのだろうか? このヴィン海域在住の方々なら当たり前の戦術なのかも知れないけど、戦術家としてガルイルさんを評価するなら、低いものになりそうだな。
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