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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-44
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「どうぞ」
と、望遠鏡を手渡される。シズクさんは裸眼でも十分に見えるそうだが、僕みたいな普通の人間には無理がある。
お礼を言って使用する。
キャラベル船で、操舵手の横にて不動のまま、腕だけを右に向け続けているガルイルさん。
面舵を指示しているんだろうけど、敵前でのUターンはいくら結界に守られているからといっても、回頭する事で、攻撃は定まらない。だからだろう、魔力の無駄と判断しているのか、船端で待機する方々は、腰を低くして重心をとり、回頭が終わるまで耐えの状態。
その間にも、四艘のガレー船は単縦陣で追撃に出る。先頭を進むガレー船から、回頭した一隻と一艘に向けて魔法を放ち続けている。
魔法陣に触れる度に、爆発が作り出す輝きと衝撃。船端から海に落ちそうになりながらも耐えに耐えている。
Uターンを終えると、単縦陣に対して、ガルイルさん指揮のもと、側面を冒険者サイドに見せる状態になっていた。
俯瞰から見ればTの字を海上に書いているだろう。
「なるほど」
淡々とした口ぶりで、ガルイルさんの意図を理解するシズクさん。
眺めれば、そのガルイルさんが単縦陣で迫る冒険者サイドのガレー船に向けて腕を振り下ろしている。【放て!】と、シズクさんと同じ台詞を言っているのが口元で何となく理解できた。
右舷では今までの鬱憤晴らしとばかりに、冒険者の先頭のガレー船に対して、魔法による集中攻撃を行い、瞬く間に結界が崩壊し、先頭に直撃が次々に入っていく。
オールがたたき折られ、爆発で宙に舞い、海に落ちる冒険者さん達。
先頭のペースが落ちると、二艘目が先頭になり、反撃するけども、船首を向けた状態では火力が圧倒的に劣ってしまい、結界を破る事が出来ないでいる。
冒険者サイドの結界が簡単に崩壊したのも、結界魔法を唱える術者が、船首を担当する人物だけで展開させていたから、脆かったのかも知れない。
一艘目、二艘目と、先頭が代わっていく冒険者サイドのガレー船に、決定打を与えていくガルイルさんのキャラベル船と、追従するガレー船。
攻勢に更に勢いづいて魔法を放ち続ける。
壊滅は時間の問題かと思ったが、あろう事か、冒険者サイドは、沈みそうな二艘のガレー船を後方において、単縦陣にて突撃を敢行するかのように、ガルイルさんのキャラベル船に向かって猛然と進んでいる。
「相も変わらず、気でも違ったかと思わせる行動だ」
先ほどから、犠牲者を目にしているというのに、僕は冷静に現状を口にしている。
いよいよ、ここにいる方々と同様な、死というものを軽視する存在になりつつあるようだ……。
「ガルイルに仕留めろと伝えなさい」
カラフルな半漁人さんにシズクさんが伝えると、伝達役のその方は、ガルイルさんに魔法で伝えている。
伝達という魔法だ。
整備局員としては、この魔法は習得したいと思えるものだね。遠くの相手と連絡が取れるし、魔石鏡のような大きな代物をいちいち運ばなくていい。
ゲンジ砂漠で使用した通信機の存在で、魔法の取得はいいやとは思ったけども。
早いとこ、商品として出してくれないかな~。あの通信機。
――――なんて、考えていたら。
ププゥゥゥゥゥゥゥゥ――――。
高い音色からなるラッパの吹鳴。
突撃を敢行するための吹鳴としては遅いんじゃないのかな?
それでも冒険者サイドのガレー船はラッパを吹き続け、ガルイルさんの船に接近。
攻撃をする事なく、結界魔法で耐え続けているといった感じだ。
「行けぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
発狂気味の声を上げて、驀地指示をするのはダグラスさん……。突っ込む事に定評のある方だな……。
やはり成長というものが見てとれな――――い!?
「あれ!?」
単縦陣の四艘は、一隻と一艘を無視。わずかな隙間に入り込んで、必死になってオールを漕いで前進し、こちらに向かってくる。
中破に近い後続の二艘も、維持を見せるように追従している。
突っ込む事に定評はあるけど、ここまで無茶をするとはね……。
「馬鹿ね」
あきれるシズクさん。
四艘は、突っ込んでくる事で、魔王軍サイドに包囲される状況になった。
と、望遠鏡を手渡される。シズクさんは裸眼でも十分に見えるそうだが、僕みたいな普通の人間には無理がある。
お礼を言って使用する。
キャラベル船で、操舵手の横にて不動のまま、腕だけを右に向け続けているガルイルさん。
面舵を指示しているんだろうけど、敵前でのUターンはいくら結界に守られているからといっても、回頭する事で、攻撃は定まらない。だからだろう、魔力の無駄と判断しているのか、船端で待機する方々は、腰を低くして重心をとり、回頭が終わるまで耐えの状態。
その間にも、四艘のガレー船は単縦陣で追撃に出る。先頭を進むガレー船から、回頭した一隻と一艘に向けて魔法を放ち続けている。
魔法陣に触れる度に、爆発が作り出す輝きと衝撃。船端から海に落ちそうになりながらも耐えに耐えている。
Uターンを終えると、単縦陣に対して、ガルイルさん指揮のもと、側面を冒険者サイドに見せる状態になっていた。
俯瞰から見ればTの字を海上に書いているだろう。
「なるほど」
淡々とした口ぶりで、ガルイルさんの意図を理解するシズクさん。
眺めれば、そのガルイルさんが単縦陣で迫る冒険者サイドのガレー船に向けて腕を振り下ろしている。【放て!】と、シズクさんと同じ台詞を言っているのが口元で何となく理解できた。
右舷では今までの鬱憤晴らしとばかりに、冒険者の先頭のガレー船に対して、魔法による集中攻撃を行い、瞬く間に結界が崩壊し、先頭に直撃が次々に入っていく。
オールがたたき折られ、爆発で宙に舞い、海に落ちる冒険者さん達。
先頭のペースが落ちると、二艘目が先頭になり、反撃するけども、船首を向けた状態では火力が圧倒的に劣ってしまい、結界を破る事が出来ないでいる。
冒険者サイドの結界が簡単に崩壊したのも、結界魔法を唱える術者が、船首を担当する人物だけで展開させていたから、脆かったのかも知れない。
一艘目、二艘目と、先頭が代わっていく冒険者サイドのガレー船に、決定打を与えていくガルイルさんのキャラベル船と、追従するガレー船。
攻勢に更に勢いづいて魔法を放ち続ける。
壊滅は時間の問題かと思ったが、あろう事か、冒険者サイドは、沈みそうな二艘のガレー船を後方において、単縦陣にて突撃を敢行するかのように、ガルイルさんのキャラベル船に向かって猛然と進んでいる。
「相も変わらず、気でも違ったかと思わせる行動だ」
先ほどから、犠牲者を目にしているというのに、僕は冷静に現状を口にしている。
いよいよ、ここにいる方々と同様な、死というものを軽視する存在になりつつあるようだ……。
「ガルイルに仕留めろと伝えなさい」
カラフルな半漁人さんにシズクさんが伝えると、伝達役のその方は、ガルイルさんに魔法で伝えている。
伝達という魔法だ。
整備局員としては、この魔法は習得したいと思えるものだね。遠くの相手と連絡が取れるし、魔石鏡のような大きな代物をいちいち運ばなくていい。
ゲンジ砂漠で使用した通信機の存在で、魔法の取得はいいやとは思ったけども。
早いとこ、商品として出してくれないかな~。あの通信機。
――――なんて、考えていたら。
ププゥゥゥゥゥゥゥゥ――――。
高い音色からなるラッパの吹鳴。
突撃を敢行するための吹鳴としては遅いんじゃないのかな?
それでも冒険者サイドのガレー船はラッパを吹き続け、ガルイルさんの船に接近。
攻撃をする事なく、結界魔法で耐え続けているといった感じだ。
「行けぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
発狂気味の声を上げて、驀地指示をするのはダグラスさん……。突っ込む事に定評のある方だな……。
やはり成長というものが見てとれな――――い!?
「あれ!?」
単縦陣の四艘は、一隻と一艘を無視。わずかな隙間に入り込んで、必死になってオールを漕いで前進し、こちらに向かってくる。
中破に近い後続の二艘も、維持を見せるように追従している。
突っ込む事に定評はあるけど、ここまで無茶をするとはね……。
「馬鹿ね」
あきれるシズクさん。
四艘は、突っ込んでくる事で、魔王軍サイドに包囲される状況になった。
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