拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ

PHASE-45

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「終わらせてあげなさい」
 その声を聞くと、皆さんが一斉に攻撃魔法。
 四艘は四方よりの攻撃を受ける事となり、終わりを迎えようとしている。
 だけど、そんな中で、単縦陣から横陣へと変え、そこからオールを片側だけ動かし、最後の抵抗を敢行しようとしているようで、舷をこちらに向けた単縦陣を敷く。

「何を今更」
 時すでに遅いとばかりに嘲笑を見せるシズクさん。

「撃てぇぇぇぇぇぇぇぇえ」
 ダグラスさんの搾りきった声に呼応して、冒険者サイドが決死の攻撃。
 向けられるのは旗艦じゃなく、旗艦護衛のキャラベル船へと集中。

「撃て撃て撃て!」
 何かに取り憑かれたような一心不乱な姿、恐怖を与えてくるその声、自然と弓なりに体を反らしている僕。

「全く、無謀もいいところ」
 とどめを、とばかりにシズクさんが手を空へと上げると、力強く振り下ろす。
 四方からの魔法に、四艘のガレー船は結界を容易く崩され没セシメラレタ。
 魔王軍は代償として、右舷護衛だったキャラベル船が中破となり、航行不能となってしまった。


「しかしこれは……」

「お気づきとは、流石はピート様」
 と、言うのはイスキさん。いつの間にか僕の横に立っていて驚いてしまう。
 ――――遠浅、側面には小島、そして、単縦陣で没シタ四艘の冒険者のガレー船。

「――――閉塞作戦ね――――生意気な。馬鹿みたいに突っ込んでくるだけの存在だと思っていたけど。そうね、あのダグラスという男はいつも馬鹿みたいに突っ込んでは来るけど、それは味方のために自分を犠牲にする戦い方に矜持を抱いているから――――」
 と、穏やかな口調で馬鹿にしつつも、賞賛を送るシズクさんは、がらんどうになった左舷に目を向ける。
 左舷を守っていたガルイルさん指揮の船は、ダグラスさん達が意地で築いた閉塞作戦の奥側にいる。
 元々護衛についていたキャラベル船も中破。事実上、こちらは一隻に状況。
  
 そして、目を左舷に向ける時宜を狙っていたとばかりに――――、ジャーン、ジャーンと耳を劈く激しい金属音。
 銅鑼を思いっ切り叩いている。

「「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」
 銅鑼に遅れて鬨の声。
 右舷に迫ったガレー船に続いて、左舷方向にある小島の裏側より、キャラック船がのっそりと現れる。僕の乗船する旗艦アイスブランドとほぼ大きさは同じ。


「破壊しろ!」
 冒険者のキャラック船を目にして、ガルイルさんの大音声がここまで聞こえてくる。

「無理だ」
 と、返答するのはドレッドノートさん。
 現在、四艘のガレー船で行われている救助が優先と、沈没船への攻撃は禁止と発する。
  
「ならば、さっさと救出しろ!」

「「「「ゆっくりでいいよ~」」」」 
 してやったりと、シンクロしてのダグラスさん達の発言を耳にしたガルイルさんを望遠鏡で覗き見れば、悔しそうに、立派な髭をピンと天に立てて、まんまとしてやられた事に、腹を立てているみたい。
 怒髪、天を衝くってあるけど、その髭は髪の代わりなのかな?

 ――。

「そうか、あのラッパの吹鳴すいめいは、突撃敢行じゃなく、ナイゼルさん達に知らせるものか」
「そうだと思われます」
伝達ピジョンなんかを使用しないで、ラッパと銅鑼とは、浪漫だな~」
「そうですね」
 なんだろう。シズクさんは僕の発言は全てにおいて肯定するのかな? 依存型だな。それはそれで、可愛くはある。
 僕がほくそ笑んでいる間にも、銅鑼の音がどんどんと近づき、冒険者サイドのキャラック船が全貌を現す。
 攻撃的な、紅蓮に燃えさかるような色のキャラック船だ。派手である。隠れるなんて事を考えていない色味だな。 
 先端には、見るからに殺やる気に充ち満ちた衝角ラムが備わってる。
  
 風は冒険者に味方しているのか、メインマストの横帆が張りに張っている。
 速度を活かしての突撃を仕掛けようとしているようだ。
 なんで突っ込む事しか考えないのだろうか……。
 反対側の勢力からそれを見れば、いかにこの方々が勇猛ではなく蛮勇なのかがよく分かる。
 よくもまあ、生身でドレッドノートさんに突撃していったもんだよ……。
 今回はそれを船でやってるけども。

「迎撃!」
 右舷から左舷に急いで移動すると、シズクさんの指示に従い、魔法を唱える。
 結界で弾きながら、進む速度を落とさない。
 陽射しを反射する金属製の衝角ラム。返しがついている。突き刺されば、外れる事はない。
 喫水線から伸び出て海面にまで姿を見せたソレが直撃すれば、こちらの船が沈んでしまうんじゃないだろうか。
  
 冒険者サイドは、下がる事を知らない玉砕戦か…………。
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