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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-51
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「ふぅ……」
「死ぬにしても、エレガントに! ですよね!」
だから、僕の方を見て、分かっています的な視線はいいですから……。ですよね! には承服しかねます。
「幹部、セイレーン、ドーナ・ダルブの御首級、マリアン・ルルーチェが取りました」
嬉々として十三歳が屈託のない笑みで、生首を持ち上げてるんだけど……。
「よし! 後はお前だけだなイスキ!」
「欠陥品のタリスマン崩れもこの状況では使えないというのに、先日のようにいくとでも?」
「こっちには本物のタリスマンも豊富だ――疾風脚」
クレイモアに埋め込まれた緑色のタリスマンが光る。
エクスペンダブルズは暴走を利用した消費アイテム。暴走故に力の調整は出来ないけど、正真正銘のタリスマンならソレが可能で消費もしないというのが強味。
やはり、継戦力を考えると、消耗品は本物には到底およばないね。
「速度を上げようとも、この狭い甲板で何が出来るのかしら?」
「俺ばかりに目を向けていいのか?」
動きで翻弄する間に、イスキさんの周囲を冒険者の方々が包囲する。
もちろん次の手柄を狙っているマリアンさんもその中にいる。
――――気がつけば、氷竜王軍でこの船の上に立っているのは、シズクさんとイスキさんだけになっている。
「ふっ」
現状を鼻で笑っている。
イスキさんのそれは余裕のものなのか、虚勢なのか。
余裕、虚勢というより――――、
「はっははははははははは」
追い込まれた事で、迫る死を堪能しながら、ひりつく感覚に支配される事に悦に入っているのだろう。
美人様が台無しになるくらいに口角が上がって、猟奇的な表情で、現状を本気で楽しんでいる……。
「はぁぁぁぁぁあ!」
美人大精霊様の咆哮。
怖いね……。水を槍へと変えると、横に一回転。遠心力でスカートがきわどい部分まで広がる。
穂先から離れようと、冒険者さん達が後方に下がる中、僕はきわどい部分から目が離れないでいる。
とても、不謹慎である……。
「ナイゼル」
驀地して、名を出した方に水の矢を無数に放つ。
躱せば、船端、甲板に貫通して穴が出来る。水の力ってすごいね。
「終わりかな」
「終わりなんですか?」
「イスキの悪い癖です」
シズクさんは眼界の戦闘に辟易しているように首を左右に動かす。
イスキさんは追い詰められると、相手の中で一番の実力者を狙うそうで、そうなると周囲への視野が暗くなるそうだ。
もちろんその事は冒険者さん達も理解しているようで、ナイゼルさんは自分をターゲットとさせ、一歩下がった方々も、散漫な動きになっているイスキさんに狙いを定めている。
掌を向けて、光弾を背後にいくつも放っていく。
ザンデさんのロングナイフを水弾で容易く落とした時とは別人だ。
「つぁ……」
全てが直撃している。
「ほら、駄目駄目。見てください」
攻撃を受けてもなお、周囲に気を配る事もせず、一心不乱にナイゼルさんを執拗に襲う。
「持って生まれた水の加護が慢心に繋がって、防御をおろそかにしすぎるんです」
ウンディーネ様であるイスキさんは、体を魔力を含んだ水の膜で覆っているそうで、対魔法に対する防御力が強いそうだ。
加えて人間と比較すれば、天壌の差の生命力。
これらを有するからこそ、防御を軽んじてしまう悪癖となってしまったそうだ。
水の膜か――――。先日のエクスペンダブルズによる集中攻撃にも絶命せずに耐えきっていたのは、単純に生命力だけってわけじゃなかったんだな。
過信しすぎだね。防御を覚えないと、毎回こんな酷い目に遭うよ。
シズクさんはそれを体で覚えてほしいって思ってるから、戦闘に直接参加しないで、配下の方々に経験を積ませようとしているのかもね。
自分が参加すると、直ぐに勝っちゃうから。――――そうか、だからコンクエストの時も、自陣から動く事がなかったのか。
長だから、胡座をかいてたって事ではないんだな。
配下に厳しいけど、こうやって鍛えていくってのがシズクさんの流儀なんだろう。
「ふ」
「なにがおかしいのかしら」
息吹で呼吸を整えつつ、鼻で笑うナイゼルさんに問いかけている。
「また、俺に狩られるんだなと思うと、滑稽だと思ってな。俺専用の首にでもなりたいのかな?」
「言ってくれる!」
ああ、簡単に挑発に乗って……。普段の穏やかさが見る影もない。
「死ぬにしても、エレガントに! ですよね!」
だから、僕の方を見て、分かっています的な視線はいいですから……。ですよね! には承服しかねます。
「幹部、セイレーン、ドーナ・ダルブの御首級、マリアン・ルルーチェが取りました」
嬉々として十三歳が屈託のない笑みで、生首を持ち上げてるんだけど……。
「よし! 後はお前だけだなイスキ!」
「欠陥品のタリスマン崩れもこの状況では使えないというのに、先日のようにいくとでも?」
「こっちには本物のタリスマンも豊富だ――疾風脚」
クレイモアに埋め込まれた緑色のタリスマンが光る。
エクスペンダブルズは暴走を利用した消費アイテム。暴走故に力の調整は出来ないけど、正真正銘のタリスマンならソレが可能で消費もしないというのが強味。
やはり、継戦力を考えると、消耗品は本物には到底およばないね。
「速度を上げようとも、この狭い甲板で何が出来るのかしら?」
「俺ばかりに目を向けていいのか?」
動きで翻弄する間に、イスキさんの周囲を冒険者の方々が包囲する。
もちろん次の手柄を狙っているマリアンさんもその中にいる。
――――気がつけば、氷竜王軍でこの船の上に立っているのは、シズクさんとイスキさんだけになっている。
「ふっ」
現状を鼻で笑っている。
イスキさんのそれは余裕のものなのか、虚勢なのか。
余裕、虚勢というより――――、
「はっははははははははは」
追い込まれた事で、迫る死を堪能しながら、ひりつく感覚に支配される事に悦に入っているのだろう。
美人様が台無しになるくらいに口角が上がって、猟奇的な表情で、現状を本気で楽しんでいる……。
「はぁぁぁぁぁあ!」
美人大精霊様の咆哮。
怖いね……。水を槍へと変えると、横に一回転。遠心力でスカートがきわどい部分まで広がる。
穂先から離れようと、冒険者さん達が後方に下がる中、僕はきわどい部分から目が離れないでいる。
とても、不謹慎である……。
「ナイゼル」
驀地して、名を出した方に水の矢を無数に放つ。
躱せば、船端、甲板に貫通して穴が出来る。水の力ってすごいね。
「終わりかな」
「終わりなんですか?」
「イスキの悪い癖です」
シズクさんは眼界の戦闘に辟易しているように首を左右に動かす。
イスキさんは追い詰められると、相手の中で一番の実力者を狙うそうで、そうなると周囲への視野が暗くなるそうだ。
もちろんその事は冒険者さん達も理解しているようで、ナイゼルさんは自分をターゲットとさせ、一歩下がった方々も、散漫な動きになっているイスキさんに狙いを定めている。
掌を向けて、光弾を背後にいくつも放っていく。
ザンデさんのロングナイフを水弾で容易く落とした時とは別人だ。
「つぁ……」
全てが直撃している。
「ほら、駄目駄目。見てください」
攻撃を受けてもなお、周囲に気を配る事もせず、一心不乱にナイゼルさんを執拗に襲う。
「持って生まれた水の加護が慢心に繋がって、防御をおろそかにしすぎるんです」
ウンディーネ様であるイスキさんは、体を魔力を含んだ水の膜で覆っているそうで、対魔法に対する防御力が強いそうだ。
加えて人間と比較すれば、天壌の差の生命力。
これらを有するからこそ、防御を軽んじてしまう悪癖となってしまったそうだ。
水の膜か――――。先日のエクスペンダブルズによる集中攻撃にも絶命せずに耐えきっていたのは、単純に生命力だけってわけじゃなかったんだな。
過信しすぎだね。防御を覚えないと、毎回こんな酷い目に遭うよ。
シズクさんはそれを体で覚えてほしいって思ってるから、戦闘に直接参加しないで、配下の方々に経験を積ませようとしているのかもね。
自分が参加すると、直ぐに勝っちゃうから。――――そうか、だからコンクエストの時も、自陣から動く事がなかったのか。
長だから、胡座をかいてたって事ではないんだな。
配下に厳しいけど、こうやって鍛えていくってのがシズクさんの流儀なんだろう。
「ふ」
「なにがおかしいのかしら」
息吹で呼吸を整えつつ、鼻で笑うナイゼルさんに問いかけている。
「また、俺に狩られるんだなと思うと、滑稽だと思ってな。俺専用の首にでもなりたいのかな?」
「言ってくれる!」
ああ、簡単に挑発に乗って……。普段の穏やかさが見る影もない。
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