拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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公務員が接待するけど私的なら関係ないよねっ 

PHASE-07

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 暗がりの小路を抜けて再び目抜き通りに戻ってくると、陽射しが強くて視界を奪われてしまう。

「他のギルドと同じだ」
 ほぼ同時に二人で目を開いてから、僕に向かってお兄様がそう言う。

「すげない応対と、途中退席とかですか?」

「それもあるけど、バイジャン氏にも言ったけど、同じ回答なんだよね」

「マニュアルでもあるんですかね」
 冗談で言ったつもりだったけど、お兄様もそう思っているのか、首肯で返してきた。
 となれば、前もって誰かに入れ知恵されているか、指示を受けていることになる。
 クエストの減少で誰かが得をするって事か?

「メリットは?」

「分からないね。分かっているのは、冒険者にとって、現在の王都にはメリットが無いって事くらいかな」
 でしょうね。
 勇者ティアナ・ブレイスガードル。
 魔王との会談に参加した少女の勇者。
 彼女が創設したギルド、ブレイスガードルの現状を知ったら、さぞ心を痛めるだろう。
 現在は、同僚にすら詳しく状況を話さない、閉鎖的なギルドになっているからね。
 初代会頭でもあるティアナさんは確か、七、八年前に亡くなったよな。
 その後もここのギルドは好評だったから、ここ最近おかしくなったのか。
 僕が出向している間に何があったのやら。

 ――。

「しちめんどくさい時は、拷問という手もあってだな。あのリックという男を拷問するか?」

「さらっと、怖いことを言わないでくれるかな。ヴィン海域の出自君」

「ちなみにどんなのを考えてるの?」
 さらっと、興味を持たないでくださいよ。お兄様……。

「まず俺ちゃんが、ブレスなり魔法で個室を極寒の世界に変える」
「ふむふむ」
「拉致したリックを閉じ込める」
「そしてそして」
「全裸にして体を椅子なんかに固定する」
「うわ~」
「ここまでやって喋ればいい。だが――――」
「だが?」
「喋らないのならば、揮発性の高い液体で凍らない物を用意する。アルコールならスピリタスがいいな」
「お、おお……」
「それを勢いよくリックの体にぶちまけるのよ」
「…………」
 嬉々として語るシュパーブ君に対して、会話が進むにつれて、ひいていくお兄様。
 
 寒いところで全裸ってだけでも地獄なのに、揮発性の高い液体なんかを体にかけたら、瞬く間に液体から気体に変わる。
 その時、気化熱を奪うことで、体温は急激に低下、地獄の更に向こう側を経験することが出来るね。
 その前にショック死まったなしだろうけど……。
 流石はガチ勢というか、サイコパスの集うヴィン海域の出自。発想からしていかれているよ。

「それは――――、駄目だから」
 目を見てからはっきりとした意思表示で伝える。

「残念」

「でも、自分から喋らせる方法は見つけたいよね」
 と、お兄さん。
 
 方法としては、接待をするのが一番でしょうかね。
 べろべろに酔わせれば、勝手に話し出す人もいるし。整備長とか、整備長とか、整備長とか。
 後は酒が進むように美人どころがいるお店かな~。なんて話を二人と一匹で行う。

「う~ん。身内自慢になってしまうが、ここはロールに一肌――――」

「駄目に決まってるでしょ!」

「だ、だね……」
 まったく! いくらお兄様でもその発想は許されませんよ。
 ロールさんが接待していいのは僕だけ。脱ぐのも僕の前だけ。
 へへへ――――。

「この案はピート君に反対されるのは分かってたけどさ」
「当たり前です。あやまってください」
「申し訳ない」
「あっ、はい」
 本当に謝罪するなんて。冗談で言ったつもりなのに、典雅で深々な一礼をされてしまった。
 目抜き通りの人の多いところでだ……。
 ――……やめてもらっていいですか。男前がそれをするとですね。周囲の女性からの視線が、僕に痛いくらいに突き刺さってくるんですよ。
 僕は見えていないの? ってくらいに、男前と愛玩だけを見ていたのに、こんな状況になると、僕の事が見えるんだもんな……。
 
 間違いなく――――、今日は睨まれる日だ…………。
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