拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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変転

PHASE-09

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 お兄様が予測してたけど、これが局長の別の力なのかな? 
 ごろつき達を取り巻きにしている。
 おじきって言われているってことは、王都の賭博場の主って事か?
 昨日の追跡がばれたのは、先ほど僕がスタン弾を見舞った人が、何かしら局長と連絡をとっていたのかもしれないな。
 だから追跡がばれたんじゃないだろうか。

「ほう、容赦なしだね」

「多勢に無勢ですから。スタン弾です。演習ではしこたま撃ちましたからね。これを撃つのに躊躇はないです。引き金を引く指も軽いもんですよ」

「胆力は素晴らしいね」
 そう言うと、僕の方に食指を向けてくる。
 取り巻きの方々にやれという合図なんだろう。
 
 馬鹿にして、この距離ならあと二人はダウンさせられる。三人目となると装填が追いつかないけど、僕は一人じゃないからね。
 正直、銃なんていらないくらいの存在がいてくれる。

「シュパーブ君、頼むよ」

「任せろ。俺ちゃんのは、ボーイの護衛だからな」
 本来って何? 別件の仕事でもあるのかな?
 二発目を撃って、更に一人、地に倒れてもらう。撃つと同時に即装填。
 その間にシュパーブ君の口から出される冷水が、勢いよくこちらに向かってきた三人に盛大にかかる。
 とてつもなく冷たいのか、心臓部分に手を当てて、膝から崩れ落ちながら激しく体を震わせている。

「フゥゥゥゥゥゥ――――」
 だめ押しとばかりに、キラキラと太陽の光を反射する塵のような粒子が吹きかけられると、シバリングが加速する。
 そんな方々の体には霜が発生している。

「死なないように調整するのは難しいな。ヴィン海域なら、凍らせてから粉々にするだけの、簡単な作業なのにな~」
 ――……イスキさんが見舞った拳の光景が、フラッシュバックとして襲ってくるから想像させないでもらいたいね……。

「短絡的だな。これだから魔族は……。愛らしく見えても、所詮は絶対悪だな」

「幼子に手を上げる者よりはましだ」

「何も知らないとは、それはそれで罪だよ。さあ、行け!」
 躊躇するよね。瞬く間に五人が倒されたからね。
 これで残りの取り巻きは――――ダァァァァァン! と、数えつつ、また一人を倒す。

「これで局長を守るのは二人です」

「大したものだね。躊躇もなく、外すことなく的確に命中させる。貰って困っていた品物でよくもまあここまで。本当は常に撃つ練習をかかさなかったんじゃないのかな? 誰かを撃ちたくてたまらないという、邪な衝動を宿していたんじゃないのかね?」

「宿したつもりはないですけども、貴方たちになら躊躇なく引き金を引けますね。子供を殴れる存在には、一切の躊躇なんていらないですから」
 演習の時みたいに時間があれば、排莢と装填の練習をやってたからね。
 とくにヴィン海域の二ヶ月ちょっとでは懸命に練習したよ。
 自分に迫る大魔法の二次災害を防ぐためにもと、死にたくないから必死だったよ。

「さて、ボーイが言うように、残りは他愛ないのが二人だ。どうする? 凍るか、しびれるか。この二択から選ばせてやる」
 シュパーブ君の存在がありがたい。
 膂力は体格の程度しかないと言ってたけど、それ以外の能力が秀でてる。
 強い存在が側にいると、こっちも鼓舞される。
 
 古の猛将も、こうやって強さを見せつけて、兵達を鼓舞して牽引することで勝利し、一騎当千として伝説になったんだろうね。
 僕にとっての猛将はシュパーブ君だ。

「どうします」
 残った二人のうちの一人が局長に相談しているけど、局長は口も開かずに、冷たい視線を送り、顎をしゃくって行けとしか合図を出さない。
 こうなると、局長を見限って逃げ出すと思ったけども、残った二人は玉砕覚悟でこちらに驀地。
 ――――僕とシュパーブ君で容易くダウンさせた。
 存外、僕もやれるんだな。ごろつき相手なら。

「気を抜くなよボーイ。相手は余裕だ。何かあるぞ」
 心にゆとりを持ったことを指摘される。
 大きく頷いて返す。

「局長。大人しく従ってください」

「常套句だが。嫌だと言ったら?」
 手にする銃口を貴男に向けるだけですよ。
 余裕の笑みを歪ませてあげます。
 向けても尚、こちらに対して脅威を抱いていないといったところ。
 風格さえある。
 普段の、影が薄い局長の姿はそこにはない。
 
 なにを隠し持っているかは分からないけど、考えていても時間が無駄に過ぎるだけ。拙速も時には大事だ。
 ごっちゃごちゃと考えずに、引き金を引く。
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