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変転
PHASE-30
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ハハハハハハハハハハハハハッ。
まさか邪神の魔力のおかげでこの危機的な状況を回避できるなんてね。
そりゃサージャスさんも、王都の結界は凄いと褒めるわけだな。当たり前だ、神の力が含まれてるんだからね。
初めてかもしれないな。邪神に対して、こんなにもスゲェェェェェェェェェ! って思ってやるの。
「我知り顔じゃなピート。結界が発動した時に漏れた不快な魔力から、想像は出来るが」
貴女の兄は存外使えるって事です。
「はぁ……そうだったな…………」
僕の心を覗いたか、重い嘆息だ。
邪神も魔王さん同様に不快な存在。嘆息を吐ききると、歯を軋らせて苛立っている。
こちらとしては、この一撃のおかげで王都全体に知れ渡ったはずだ。
危機が迫っているって事に。
パニックを起こさずの避難誘導は大変そうだけど、警務局の方々に任せよう。ゴートさんならやってくれる。
「さて、どうする。二射目を防げるとは限らんぞ」
うお!? 急に横に立たないでくださいよ。ケーシーさん。
捷利嚮導の乙女の一撃で、アルコンとの勝負に間が出来たようだ。向こうは向こうで、大きく肩で息をし、追撃はせずに先ほどと同様に呼吸を整えてる。
「亡者を殲滅する事は出来るが、時間を有してしまうね。どうする」
うお!? 急に横に立たないでくださいよ。ゲイアードさん。
ていうか、二人揃ってなんで僕に【どうする】とか聞いてくるの? 僕は素人ですよ。
僕に聞くんじゃなくて、戦闘経験豊富な貴男方が差配してくれるのが普通だと思うんですがね。
「どうするのじゃ」
「どうするボーイ」
――……おい……。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉい! なんで僕に聞くの!」
魔王さんもシュパーブ君もなんで聞くの。
ていうか、魔王さんは撤収の準備をせねば。みたいな事をさっき言ったばかりじゃないか!
素人なの! 僕は素人! なんなの? 僕の横に居並ぶ方々は実を言うと天然なの?
でもって、なんで、僕が案を出そうとするまで口を噤んでるの……。
――……も~!
「転進です。戦ってる場合じゃないですよ。決して後退、撤収という不名誉なものではなく、転進です」
「その言やよし! その通りじゃ、転進じゃ」
先ほどの発言を修正するみたいに転進に変える魔王さん。
続いて皆さんも首肯を行う。いや、僕が指示出さなくても満場一致なら、やっぱりここは場慣れしている方が口にしなさいよ。
「第二射」
次を撃つように指示してる。流石に邪神の効果だって有限だろう。
そもそもが兵仗って対邪神用だし。邪神の魔力に対して効果があるものだと考えられる。
――――二度目はないかもしれないな。だったら、さっさと安全な所に避難しないとな。王城を破壊する事を躊躇わないんだから、王都全体を破壊し尽くす事も平然と行いそうだ。
――。
「強襲は上手くいったようだな」
お? また新しいのが出てきた。
空間に黒い切れ目が入って広がると、そこから現れたのは白髪の長い髪と立派な同色の髭。
髭は三日月の下半分のような形でしっかりと固められてる。
場違いな、温かそうな羊毛のガウン。寝間着姿だ。
王都から五里以内は空間移動魔法は禁止だぞ。
破る時点で、こっちサイドじゃないよな。ヘルムに語りかけてるし。
「いつまで経っても報をよこさんから、わざわざ出向いたぞ」
「これは申し訳ありません。ですが、ケルプト山への攻略は成功です。欲した古龍のプレシャスオパールは手に入ります」
「おお! そうか! こんな事ならば、最初から搦め手ではなく、正攻法で攻めればよかったな。捕らえた炎竜王は質の役目を終えたら妾にし、我が城となる王城で飼ってくれよう」
やり取りで、こいつが子爵のマリド・カルブレース・クラウザーって奴だって理解できた。
どうも、ヘルムの考えとちぐはぐだから、やはり子爵の事は利用しているって感じだな。
カグラさんを妾とか気持ちの悪い事を口にしたので、様はつけない。
思いっ切り殴りたくなる、にやついた顔だ。
で――――、思いっ切り殴った事のある男が子爵の後ろに立ってる。才槌頭のノムロのおっさんだ。
近くに立っているという事は、そこまでのお叱りは受けなかったようだな。
口八丁の人たらしで難を逃れたかな?
まさか邪神の魔力のおかげでこの危機的な状況を回避できるなんてね。
そりゃサージャスさんも、王都の結界は凄いと褒めるわけだな。当たり前だ、神の力が含まれてるんだからね。
初めてかもしれないな。邪神に対して、こんなにもスゲェェェェェェェェェ! って思ってやるの。
「我知り顔じゃなピート。結界が発動した時に漏れた不快な魔力から、想像は出来るが」
貴女の兄は存外使えるって事です。
「はぁ……そうだったな…………」
僕の心を覗いたか、重い嘆息だ。
邪神も魔王さん同様に不快な存在。嘆息を吐ききると、歯を軋らせて苛立っている。
こちらとしては、この一撃のおかげで王都全体に知れ渡ったはずだ。
危機が迫っているって事に。
パニックを起こさずの避難誘導は大変そうだけど、警務局の方々に任せよう。ゴートさんならやってくれる。
「さて、どうする。二射目を防げるとは限らんぞ」
うお!? 急に横に立たないでくださいよ。ケーシーさん。
捷利嚮導の乙女の一撃で、アルコンとの勝負に間が出来たようだ。向こうは向こうで、大きく肩で息をし、追撃はせずに先ほどと同様に呼吸を整えてる。
「亡者を殲滅する事は出来るが、時間を有してしまうね。どうする」
うお!? 急に横に立たないでくださいよ。ゲイアードさん。
ていうか、二人揃ってなんで僕に【どうする】とか聞いてくるの? 僕は素人ですよ。
僕に聞くんじゃなくて、戦闘経験豊富な貴男方が差配してくれるのが普通だと思うんですがね。
「どうするのじゃ」
「どうするボーイ」
――……おい……。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉい! なんで僕に聞くの!」
魔王さんもシュパーブ君もなんで聞くの。
ていうか、魔王さんは撤収の準備をせねば。みたいな事をさっき言ったばかりじゃないか!
素人なの! 僕は素人! なんなの? 僕の横に居並ぶ方々は実を言うと天然なの?
でもって、なんで、僕が案を出そうとするまで口を噤んでるの……。
――……も~!
「転進です。戦ってる場合じゃないですよ。決して後退、撤収という不名誉なものではなく、転進です」
「その言やよし! その通りじゃ、転進じゃ」
先ほどの発言を修正するみたいに転進に変える魔王さん。
続いて皆さんも首肯を行う。いや、僕が指示出さなくても満場一致なら、やっぱりここは場慣れしている方が口にしなさいよ。
「第二射」
次を撃つように指示してる。流石に邪神の効果だって有限だろう。
そもそもが兵仗って対邪神用だし。邪神の魔力に対して効果があるものだと考えられる。
――――二度目はないかもしれないな。だったら、さっさと安全な所に避難しないとな。王城を破壊する事を躊躇わないんだから、王都全体を破壊し尽くす事も平然と行いそうだ。
――。
「強襲は上手くいったようだな」
お? また新しいのが出てきた。
空間に黒い切れ目が入って広がると、そこから現れたのは白髪の長い髪と立派な同色の髭。
髭は三日月の下半分のような形でしっかりと固められてる。
場違いな、温かそうな羊毛のガウン。寝間着姿だ。
王都から五里以内は空間移動魔法は禁止だぞ。
破る時点で、こっちサイドじゃないよな。ヘルムに語りかけてるし。
「いつまで経っても報をよこさんから、わざわざ出向いたぞ」
「これは申し訳ありません。ですが、ケルプト山への攻略は成功です。欲した古龍のプレシャスオパールは手に入ります」
「おお! そうか! こんな事ならば、最初から搦め手ではなく、正攻法で攻めればよかったな。捕らえた炎竜王は質の役目を終えたら妾にし、我が城となる王城で飼ってくれよう」
やり取りで、こいつが子爵のマリド・カルブレース・クラウザーって奴だって理解できた。
どうも、ヘルムの考えとちぐはぐだから、やはり子爵の事は利用しているって感じだな。
カグラさんを妾とか気持ちの悪い事を口にしたので、様はつけない。
思いっ切り殴りたくなる、にやついた顔だ。
で――――、思いっ切り殴った事のある男が子爵の後ろに立ってる。才槌頭のノムロのおっさんだ。
近くに立っているという事は、そこまでのお叱りは受けなかったようだな。
口八丁の人たらしで難を逃れたかな?
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