拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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変転

PHASE-36

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「ピート君。流石に私じゃ荷が重いよ」
「ロールさんが重いなら、誰もその荷は担げませんから」
「だ~か~ら! お~れ! な! お、れ!」
「シュパーブ君」
 うるさいから黙らせようと、幼龍ドラゴネットに参上してもらえば、直ぐに静かになった。

「では、まほろばガール。ここにいる者たちに指示を出すんだ。従わない奴は――――」
 可愛らしい拇指で自分の首を掻ききる仕草。
 大丈夫だよ。皆さんロールさんの指示には従うんで。絶大な信頼を寄せてますから。
 対しておっさんに従う人間はいないけども。

「では、暫定局長。お願いします」
 僕の典雅な一礼に皆さんが続く。一人おっさんを除いて。
 戸惑っていたみたいだけど、コホンと愛らしい咳払いを行い。

「現状、私たちに出来る事は微々たるものです。専門の方々に比べれば大したことは出来ません。ですが、警務局、王都兵の方々に冒険者。そして、バッカスの皆さんのように、民間で協力している方々に対して、自分たちが現在できる事を実行し、皆さんの支えになりましょう。過信は駄目です。出来ない事は出来る方に任せましょう。専門職でない者が失敗すると、大きな失態に繋がります。それは回避しましょう。そして――――、皆さん、安全第一で励みましょう」

「「「「はい!」」」」
 うむ、皆の士気は高い。

「では、いけい」
 締めがちびっ子ドラゴンだったのに得心はいかなかったようだけども、皆さん各局のサポート、誘導に再び戻っていく。
 おっさんの足取りだけは重かったけども。
 招集時、誰よりも遅く。解散時、誰より遅い――――。駄目な奴だよ!
 まったく、イライラすると喉が渇くもんだ。

「どうぞ」

「あ、どうも」
 ホルテン君が僕にエードをくれる。
 未だに僕を見ると挙動不審だね。僕は女性にしか興味ないから。

「ご協力感謝します」
 言ってあげると、笑顔を見せてバッカスの方々と共に、軽食を避難している人達に配り始める。
 自分たちだって避難者なのに。素晴らしい店員さん達である。
 
 おや? 女性の人垣が出来ているけど――――。
 目立つ銀髪。お兄様じゃないか。ご無事で何よりだ。王都に調査に来ただけなのにえらい目に遭いましたね。
 でも、滞在してくれていたおかげで、女性陣は混乱なく、男前のお兄様の指示に忠実に従っている。
 目が合えば手を振ってきた。僕に話しかけようと思っていたみたいだけど、まわりの女性陣たちへの応対でそうもいかないみたいだ。
 避難後、ゆっくり話そう。
 ふむん――――、こうなると、ロールさんは男性陣の相手になるのか……。
 本来なら嫉妬に狂うけど、ここは皆さんの心のよりどころになっていただきたいですね。

「宰相」

「はっ」
 王様の呼びかけに、小太りな体型とは思えない軽快さで接近するブールさん。
 無駄な動きのなさが、仕事が出来るといったところだろうな。
 
 ――。

「分かりました。魔道開発局の者たちに指示します」
 なんだ? と、思って程なくすると、勤労君達がポージングを行いながら現れ、
「よーいやさー」
 の発言で、豪腕を城壁に叩き付けていく。

「ああ……」
 美しく築き上げた、コンクリートを覆った煉瓦が、瓦礫へと姿を変えていく……。
 容赦なく崩しにかかる勤労君たち。
 大穴を空ければ、穴通しをつなぐように、中隔部分を破壊し、更なる大穴を仕立て上げていく。
 三重構造の城壁の一部に穴が空き、門以外からも脱出が出来るようになると、そこへと誘導を行い始める。
 
 ――――順調と思われた中で、
「敵、来ます!」
 壁上で立哨にあたっていた兵士の方が下へと伝えれば、不安からざわつき始める。

「装備は!」
 しっかりとした声でブールさんが問えば、完全装備の兵士が密集隊形で迫りつつあるとの事だった。
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