拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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変転

PHASE-47

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 僕の遠近感が馬鹿になっているのだろうか。
 それとも、空を飛んでるのがデカいのだろうか。
 円を描きつつ徐々にこっちに近づいてくるよ。
 おお、見た事のある――――、
 ズン!
 僕の目の前に一頭が着地すれば、
「だい!?」
 嘴で殴られた。
 
 円を描いていたのはグライフ君だった。しかも六頭。
 各局で活躍してくれている幻獣は全て無事だったようだ。

「なんでロールさんを押し倒しているんですか!」
 怒号にも似た声は聞いた事がある。
 僕を殴ったグライフ君の背に目を向ければ、亜麻色のショートカット。
 紫水晶アメジストの瞳は僕を睨んでいる。

「あれ!? サージャスさん」
 なんでこんな所にいるんだ? しかもグライフ君に乗って。
 見渡せば、パーティーメンバーも揃ってますね。
 皆さんお元気そうで何より。

「なんで、グライフ君に乗ってるんです?」
 真っ先に思った事を口にしてみれば、
「なんでロールさんの上の乗ってたんですか!」
 と、返ってくる。
 ううん。僕が聞いてるのはグライフ君に乗っているという事であって、僕がロールさんに乗っているとかはいいの。
 ――――乗ってるとか卑猥だね。そうなる事を夢見てるけども。

「皆、無事だったんだね」
 僕たちのやり取りなんて気にも留めずに、グライフ君に抱きつくロールさん。
 六頭が美人様を取り囲んで、
「「「「キュィィィィ」」」」
 って、甘えている。
 あんな姿は見た事もない。いつも僕に対しては、馬鹿にした目で見てくるのに。

「で、なんでサージャスさんはグライフ君に乗ってるんですか?」
 ロールさんの喜びでうやむやになったのか、追及する事を嘆息と一緒に吐き出してあきらめると、
「この子たちがクリネアまで飛んできたんです」
 え!? なんでクリネアまで?

「すっげー焦っててよ。クリネアの空に浮かんでる結界に体当たりしてでも入ろうとしてたんだぜ」
 サバサバした語り口は相変わらずなザイオン氏。
 
 幻獣が六頭、しかもなりふり構わない行動に、何事かと緊張が走ったそうで、クリネアでクエストや修練を行っていたサージャスさんのパーティーが対応したそうだ。
 
 不思議とサージャスさんを目にしたら大人しくなり、匂いを嗅ぐような仕草を行えば、体を低くして乗るように促してきたとの事。
 
 次には王都が攻撃を受けたという報がクリネアにも伝わり、グライフ君はその事で自分たちの所に来たと直感したサージャスさんは、装備一式を整えてからグライフ君に跨がると、勢いよく飛び立ち、モルドーはエギンバへと到着。
 ――――で、僕がロールさんを押し倒しているところに出くわしたそうだ。

「でも、なんでサージャスさんの事を知ってるんだろう。グライフ君と会った事あります」

「いえ、不思議ですよね幻獣って」
 それでかたづけられてもな~。
 匂いを嗅いだって事は、なんだろうか、鎧か? 鎧製作のタモンさん、所有する僕の匂いでも付いていたのか? 
 でも、クリネアって。流石に王都から匂いで辿れる距離じゃないぞ。
 あれか? ヴィン海域からの帰り道で、クリネアに寄ってみたいって事を独白していたのを聞いていたのか?
 それでクリネアには頼りになる人物がいると判断して、結果、知っている匂いを感知して、ここまで連れてきてくれたのだろうか?
 
 ――――だとすると、
「凄いねグライフ君!」
 感心して、僕もロールさんを真似て抱きつこうとしたら、獅子のような尾っぽで顔をはたかれてしまった……。
 くそ! 鳥め!
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