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集結
PHASE-03
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「戦事において私は若輩。なにとぞ不死王殿の経験を頼らせてください」
「無論です。この体を好きなだけ酷使してください」
ふう――――、一触即発って事にはならなかった。
この王様ならそんな事は無いとは思っていたけど、それでも、もしかしたらってのがあったからね。
僕を始め、周囲から安堵の息が漏れていた。
先達者を敬うように、不死王さんの両手を手にして、王様が深々と頭を下げる。
魔王さんならいざしらず、その配下にも恭しい所作。
怨恨など一切無いとばかりだ。
「前王殿は素晴らしいご子息をお持ちになった。仇敵を前にして、大器である」
柔和な笑顔で、双方が向かい合っている。
不死王さんの後ろでは、やり取りを目にし、先ほどに続いて大公様が男泣きだ。
大公様にしか分からないものがあるんだろうな。
前王の弟だし、兄の脱出のために都に残って不死王さんと戦ってたわけだし。
甥が立派になってるのが凄く嬉しいみたいだ。
「私にとって、ラマンディール殿は仇敵ではありません。父が魔王様と会合を開けたのも、貴男様のご助力のおかげです」
「ならば、いまを壊させませんよ。この不死王の――――魂にかけて!」
――うん。ええ話や。
アンデッドだから魂ないやん。って、突っ込んだら袋だたきにあいそうだから言わないけど。
――――なんだろうか、僕だけじゃなく、皆さんも魂の部分で何か言いたそうになっていたようだ。手で口を塞いでる人もいる。
「失礼する」
またも玄関方向から声がする。
聞いた声だ。
――……よかった。無事でしたね。
凛とした佇まいのンダガランさんがそこにいた。
この場に合わせて、落ち着きのある白いローブ姿。魔道師のような服装だ。
中央に移動するなか、僕と目が合うと、笑みを見せてくれた。
でも、表情は憂いに支配されている。
「火蛇殿。ご無事で」
と、大公様がいえば、
「素晴らしき進捗で軍備を整えているようですね。これよりは、炎竜王軍も参加させていただきます」
と、ンダガランさんが返す。
「これも、火蛇殿がケルプト山だけでなく、王都の状況を素早く我らに伝えてくれたおかげです」
そうか、王都の危機を大公様に伝えたのはンダガランさんか。
まあ、お互い魔王軍だから連絡をとりあうのは当然だけど、王都の事も伝えてくれるところが、ンダガランさんの優しさだよな。
王様に典雅な一礼を行えば、先ほどまで不死王さんの事を蹴っていた魔王さんの前で身をかがめ、
「申し訳ございません。我が主をあのような者達に囚われるとは。もっと強く具申し、単独での兵仗探査に反対するべきでした」
「よい。カグラは無事じゃ。あの程度なら耐えてくれる。耐えている間に全力を尽くして救えばよい。その時は、お前、そして、炎竜王軍の実力を知らしめればよい。後悔させてやれ、魔王軍最強の軍勢を敵にした事を」
「お任せください」
魔王さんの小さな手が、ンダガランさんの肩に触れると、力が宿ったかのように、憂いある表情から、黄色い瞳に生気が漲っていく。
ンダガランさんにとって、寄る辺な存在であるカグラさん。
そのカグラさんの寄る辺な存在である魔王さんの言葉が不安を消し去って、安心感を与えてくれたようだ。
「うむ、ンダガラン達がここへと集ってくれたのはよき事。じゃが、一騎当千の猛者が多くとも、総兵力で上回れるのかえ。大公よ」
「王都に攻撃を仕掛けるために、各地の兵力を投入しすぎますと、守りが手薄になります。そうなれば、火事場泥棒のような者達が現れる可能性もあるでしょう。古都のような、堅牢な守りを有する地は別ですが」
王都が陥落し、それが大陸へと伝われば、今度は自分が! と、覇権を狙う者達が現れるかもしれない。
賊が調子に乗って、町村を襲い、新たな王を勝手に名乗る事だって考えられる。
歴史ではよくある事だから。
それらを抑えるためにも、駐屯する兵達を動かすのはよくないと考えているようだ。
「無論です。この体を好きなだけ酷使してください」
ふう――――、一触即発って事にはならなかった。
この王様ならそんな事は無いとは思っていたけど、それでも、もしかしたらってのがあったからね。
僕を始め、周囲から安堵の息が漏れていた。
先達者を敬うように、不死王さんの両手を手にして、王様が深々と頭を下げる。
魔王さんならいざしらず、その配下にも恭しい所作。
怨恨など一切無いとばかりだ。
「前王殿は素晴らしいご子息をお持ちになった。仇敵を前にして、大器である」
柔和な笑顔で、双方が向かい合っている。
不死王さんの後ろでは、やり取りを目にし、先ほどに続いて大公様が男泣きだ。
大公様にしか分からないものがあるんだろうな。
前王の弟だし、兄の脱出のために都に残って不死王さんと戦ってたわけだし。
甥が立派になってるのが凄く嬉しいみたいだ。
「私にとって、ラマンディール殿は仇敵ではありません。父が魔王様と会合を開けたのも、貴男様のご助力のおかげです」
「ならば、いまを壊させませんよ。この不死王の――――魂にかけて!」
――うん。ええ話や。
アンデッドだから魂ないやん。って、突っ込んだら袋だたきにあいそうだから言わないけど。
――――なんだろうか、僕だけじゃなく、皆さんも魂の部分で何か言いたそうになっていたようだ。手で口を塞いでる人もいる。
「失礼する」
またも玄関方向から声がする。
聞いた声だ。
――……よかった。無事でしたね。
凛とした佇まいのンダガランさんがそこにいた。
この場に合わせて、落ち着きのある白いローブ姿。魔道師のような服装だ。
中央に移動するなか、僕と目が合うと、笑みを見せてくれた。
でも、表情は憂いに支配されている。
「火蛇殿。ご無事で」
と、大公様がいえば、
「素晴らしき進捗で軍備を整えているようですね。これよりは、炎竜王軍も参加させていただきます」
と、ンダガランさんが返す。
「これも、火蛇殿がケルプト山だけでなく、王都の状況を素早く我らに伝えてくれたおかげです」
そうか、王都の危機を大公様に伝えたのはンダガランさんか。
まあ、お互い魔王軍だから連絡をとりあうのは当然だけど、王都の事も伝えてくれるところが、ンダガランさんの優しさだよな。
王様に典雅な一礼を行えば、先ほどまで不死王さんの事を蹴っていた魔王さんの前で身をかがめ、
「申し訳ございません。我が主をあのような者達に囚われるとは。もっと強く具申し、単独での兵仗探査に反対するべきでした」
「よい。カグラは無事じゃ。あの程度なら耐えてくれる。耐えている間に全力を尽くして救えばよい。その時は、お前、そして、炎竜王軍の実力を知らしめればよい。後悔させてやれ、魔王軍最強の軍勢を敵にした事を」
「お任せください」
魔王さんの小さな手が、ンダガランさんの肩に触れると、力が宿ったかのように、憂いある表情から、黄色い瞳に生気が漲っていく。
ンダガランさんにとって、寄る辺な存在であるカグラさん。
そのカグラさんの寄る辺な存在である魔王さんの言葉が不安を消し去って、安心感を与えてくれたようだ。
「うむ、ンダガラン達がここへと集ってくれたのはよき事。じゃが、一騎当千の猛者が多くとも、総兵力で上回れるのかえ。大公よ」
「王都に攻撃を仕掛けるために、各地の兵力を投入しすぎますと、守りが手薄になります。そうなれば、火事場泥棒のような者達が現れる可能性もあるでしょう。古都のような、堅牢な守りを有する地は別ですが」
王都が陥落し、それが大陸へと伝われば、今度は自分が! と、覇権を狙う者達が現れるかもしれない。
賊が調子に乗って、町村を襲い、新たな王を勝手に名乗る事だって考えられる。
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それらを抑えるためにも、駐屯する兵達を動かすのはよくないと考えているようだ。
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