拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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PHASE-06

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「我らに力をお貸しくださるとは、感謝いたします。パンゲア神」

「別に、貴様らのために力を貸すわけではない。義妹のためよ」

「はぁ~」
 やり取りを断ち切るかのような、大きなため息を行う妹様。
 背筋を伸ばして、呼吸を整え、覚悟を決めた邪神が魔王さんへと体を向けて、
「ひ、久しいな。息災か?」

「……………………」
 返事がない。ただのガン無視のようだ。
 ハハハ――――。邪神の目が大いに泳いでおる。
 困ったようで、両手の指を絡め合っている。

「あのですね」
 話が進展しないから、ロールさんが状況を述べようとすれば、
「分かっておる。捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデであろう」

「流石は封じられる時に、最もいたぶられた兵仗なだけあって、しっかりと名を覚えておるのじゃな」
 無視をしてたくせに、嫌みったらしく口を開いたよ。

「ぬう……」
 それでも反論できないところが情けない兄だ。
 よくもまあこんなんで、大昔に戦い合ったな。
 このやり取り見てると、圧倒的な戦力差で魔王さんサイドが勝利したんじゃないのか。
 とまあ、そんな事はどうでもいいんだよ。

「あのですね。兄妹喧嘩が発端なんですよ。その責任を少しは感じていただきたいんですよね。少しは歩み寄りましょうか」
 普段の邪神はシスコンでどうしようもない神だと思ってるけど、魔王さんの態度を見てると、邪神をひいき目に見てしまう。

「コレが、この世の物の全てが自分の物と言い切ったのが悪いのじゃ」

「それに関してはもう済んだでしょ。邪神は負けて封じられたんだから。いつまでも過去の事を持ち出して。これじゃあヘルムと同類ですよ」

「なんじゃと! 生意気な事を言うの! ピート!」
 と、生意気な語勢なので、握り拳を作り、中指の第二関節を隆起させる。
 すぐさま視線を僕からはずした。
 おいおい、魔王軍のトップである魔王さんにとって、僕が脅威の対象になってるんじゃないのか。
 なんだろうか――――、この優越感は。
 でもって、普段は男は喋るなとか言うくせに、僕が魔王さんに対して強い存在と理解したのか、邪神が僕の背後に立つような位置取りだ。
 ――――なんだこの状況。
 まあ、僕がいる事で、お二方の緩衝材になるんならいいけども。
 
 これで話が進むと判断したのか、
「さて、ここが一番の問題なのですが」
 と、大公様が話を進行する。

勝利嚮導の乙女ブリュンヒルデは破壊可能なのでしょうか?」
 魔王さんに問う。

「無論、可能じゃ」
「では、攻略の指南を」
「現状ではきついの~。妾が作りだした、合金オレイカルコスで全体を作っておるからな」
「パンゲア殿がおられてもですか?」
「コレ対策の兵仗じゃからの~。全ての魔法を無効化するオレイカルコス製の装甲! 巨体からの圧倒的破壊力! 妾が考えた最強の兵仗じゃ」
 ハハ……、語末……。
 勝利嚮導の乙女ブリュンヒルデって、ちびっ子諸君が考えそうな発想で造り出されたんだな……。
 迷惑なこった……。
 しかし――――、この面子の中で最強の存在である邪神がいてもつらいと……。

「まあ、コレでも、妾の傑作の動きを封じる事くらいは短時間なら可能であろう。まあ、コレにはその程度しか出来んがの」
 ちょくちょくと、刺々しく邪神に言い放つな。
 対して、反論をしないから一見ヘタレにも見えるが、大人な対応とも思えるな。
 なんだろうか、邪神なのに、魔王さんよりも好感を抱いてしまうぞ。

「ま、まあ、動きくらいは何とかしてみせよう」
 おお……。兄として、妹をたてたよ。
 僕の中での邪神に対する好感度が更にぐんっと上がったね。

「現状、厳しくても、逆転の一手とか用意してないんですか」
 邪神が僕の背後に隠れているから、代わりに魔王さんに問うてみる。
 せっかく兄の方が動きは止めると言っているんだから、それを有効に活かさないのは愚の骨頂だからな。

「あるぞ」
 の言葉に、場が一気に明るく活気に満ちる。
 まったく、そんなのがあるなら最初から言えよ。

「この場にいる面子で、相応しいのがおればいいのじゃが……」
 面子? つまりは――――、
「託せる程の実力がここの方々にはないんでしょうか?」
 ここで、これを発言できる僕も凄いよね。
 とても失礼な事を口にしてるからね。
 正直、居並んでる方々の目を見るのが怖いくらいだ……。
 思った事を直ぐに口に出してしまう悪い癖は、最後まで直る事はないようである。

「まだ思案中じゃ。兵仗は心の清き勇者に託さねばならないからの」
 うん……。貴女の見立てを信じていいのかな? 不安になってくるよ……。
 だって、大昔の勇者たちが兵仗の欲に負けたから、結果としてこの状況を作りだしたわけだからね。
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