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集結
PHASE-17
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――――。
迎賓館に集められてから一日が経過。
キドさんとちびっ子たちが合流。
リザードマンのアーメイ百人長や、僕と同じ班だった、狼の獣人であるロウさん。ダークエルフのググタムさん。猫耳獣人のシナンさんと軽く挨拶を交わした。
キドさんとちびっ子の二王様は、遅れたからと、上の方々に頭を下げて回るはめになっていたようで、下の方々もそれに随伴。ちゃんとした会話は出来なかった。
ちょっとの会話だったけど、ブートキャンプを共にした皆さんは、新兵の顔じゃなくなっていた。
他と一線を画する、まだら模様の兵服。
訓練の時と一緒だけど、あの時よりも着こなしている感がある。
更に一日経過しての今日。
母屋の前にある庭園に集められる。
現状でぶつけられる兵数は三万と、数の上では互角。しかし、質の高さならこちらが遙かに上と言っても過言ではない。
魔王軍幹部が揃っている。正直この方々だけでどうにかなるレベルだ。
捷利嚮導の乙女とヘイターがいなければだけども……。
シズクさんはまだ来ていないか。まあ、ヴィン海域は本当にアレだからな……。
現状の戦力でぶつかる事が理想的なのかもしれない。
「ではこれより、王都こうりゃ――――奪還を開始する」
あの大公は間違えないと気が済まないのか……。
「いよいよだな」
「シュパーブ君。先日の話し合いの後はどこ行ってたの?」
「俺ちゃんは残って話し合いに参加してたのさ」
なんでだよ。僕の護衛だろ。まあ、いいけども。
「気合いを見せてやろうぜボーイ」
なにをだい? 僕は後方支援だよね。というか、ここから動くって事はないと思うんだけども。なんなの? 僕はもしかして戦いの場に赴かなければいけないの? 銃を持っていても素人なんですけども。
――――素人のくせに、立ち位置としては、集まった皆さんを見下ろす、特設の壇上に立っている。
申し訳なく思ってしまう。端っこなのがせめてもの救いだな。
戦いの中核となる方々が整列。
――――眺めれば、本日合流したのか、エルンさんのパーティーも前列にいらっしゃる。目が合えば、皆さん場を考えて、控えめに会釈してきてくれた。
更なる戦力の底上げに繋がるね。
「王よ」
王都攻略という、邪な心をもつ大公様に促されて、王様が前に出る。
開口一番で大公様を引っ捕らえよって言えばいいと思うんだ。
「――――おはよう」
開口一番は朝の挨拶だった。
僕たちには聞こえるけども、その声では眼前の方々には届かないですよ。
些か緊張してらっしゃるな。
ううん。と、喉の調子を整えてから、
「おはよう」
今度のはちゃんと聞こえたようだ。
後列の方々も王様の方向に目を向けた。
注目をあびて、更に緊張したようで、大きな深呼吸を一度おこなう。
「まずは、朝の挨拶から。朝一番の挨拶は大事だからね」
クスリと皆さんが笑む。
王都が一大事だというのに、そこの主は何とも楽観的だと思ったのかもしれない。
「笑みを見せてくれて幸い。私がここに集ってくれた皆さんに出来る事などたかが知れている。笑んでもらえる事が嬉しい。ありがとう」
語末のお礼には、王様の様々な感情が入っていたのか、頭を深々と整列する皆さんに向けて下げれば、それだけで集まった方々の緩んだ口元は、一文字に変わった。
迎賓館に集められてから一日が経過。
キドさんとちびっ子たちが合流。
リザードマンのアーメイ百人長や、僕と同じ班だった、狼の獣人であるロウさん。ダークエルフのググタムさん。猫耳獣人のシナンさんと軽く挨拶を交わした。
キドさんとちびっ子の二王様は、遅れたからと、上の方々に頭を下げて回るはめになっていたようで、下の方々もそれに随伴。ちゃんとした会話は出来なかった。
ちょっとの会話だったけど、ブートキャンプを共にした皆さんは、新兵の顔じゃなくなっていた。
他と一線を画する、まだら模様の兵服。
訓練の時と一緒だけど、あの時よりも着こなしている感がある。
更に一日経過しての今日。
母屋の前にある庭園に集められる。
現状でぶつけられる兵数は三万と、数の上では互角。しかし、質の高さならこちらが遙かに上と言っても過言ではない。
魔王軍幹部が揃っている。正直この方々だけでどうにかなるレベルだ。
捷利嚮導の乙女とヘイターがいなければだけども……。
シズクさんはまだ来ていないか。まあ、ヴィン海域は本当にアレだからな……。
現状の戦力でぶつかる事が理想的なのかもしれない。
「ではこれより、王都こうりゃ――――奪還を開始する」
あの大公は間違えないと気が済まないのか……。
「いよいよだな」
「シュパーブ君。先日の話し合いの後はどこ行ってたの?」
「俺ちゃんは残って話し合いに参加してたのさ」
なんでだよ。僕の護衛だろ。まあ、いいけども。
「気合いを見せてやろうぜボーイ」
なにをだい? 僕は後方支援だよね。というか、ここから動くって事はないと思うんだけども。なんなの? 僕はもしかして戦いの場に赴かなければいけないの? 銃を持っていても素人なんですけども。
――――素人のくせに、立ち位置としては、集まった皆さんを見下ろす、特設の壇上に立っている。
申し訳なく思ってしまう。端っこなのがせめてもの救いだな。
戦いの中核となる方々が整列。
――――眺めれば、本日合流したのか、エルンさんのパーティーも前列にいらっしゃる。目が合えば、皆さん場を考えて、控えめに会釈してきてくれた。
更なる戦力の底上げに繋がるね。
「王よ」
王都攻略という、邪な心をもつ大公様に促されて、王様が前に出る。
開口一番で大公様を引っ捕らえよって言えばいいと思うんだ。
「――――おはよう」
開口一番は朝の挨拶だった。
僕たちには聞こえるけども、その声では眼前の方々には届かないですよ。
些か緊張してらっしゃるな。
ううん。と、喉の調子を整えてから、
「おはよう」
今度のはちゃんと聞こえたようだ。
後列の方々も王様の方向に目を向けた。
注目をあびて、更に緊張したようで、大きな深呼吸を一度おこなう。
「まずは、朝の挨拶から。朝一番の挨拶は大事だからね」
クスリと皆さんが笑む。
王都が一大事だというのに、そこの主は何とも楽観的だと思ったのかもしれない。
「笑みを見せてくれて幸い。私がここに集ってくれた皆さんに出来る事などたかが知れている。笑んでもらえる事が嬉しい。ありがとう」
語末のお礼には、王様の様々な感情が入っていたのか、頭を深々と整列する皆さんに向けて下げれば、それだけで集まった方々の緩んだ口元は、一文字に変わった。
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