拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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王都潜入

PHASE-02

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「当然だ」
 と、百人長が返答。分隊長クラスも頷いて同調。
 目に見えない障壁は、空間移動を無効にするのではなく、魔法自体を遮断するものなのだそうだ。
 一里半の外周で、長距離連絡を可能にする伝達ピジョンの魔法にノイズが入ったのは、この魔法遮断が原因である可能性が高いとの事。
 
「あの大公! なんでそんな大事なことを言わないんだよ!」

「だからこその我々なんですよ。ウィザースプーンさん」
 銃を見せつつの百人長。

「でも、銃って使えるんですか?」
 魔弾を発動するのだって、爆裂魔法を封じだ魔石を砕いたものだよね。
 伝達ピジョンだけでなく、魔道具である魔石鏡も使用出来ないなら無理なんじゃ。
 区分するなら、魔弾も魔道具枠だよね。

「そこは試さないと分かりません」

「ぶっつけ本番ですか!?」

「戦いは常にぶっつけ本番です」
 いや、そんな返しいらない。
 使えないんだったら、手にしたコレは、金属と木製のハイブリッド鈍器に早変わりなんですけど!

「ジャジャイ」
 勇気のないライオンさんだ。
 百人長に名を呼ばれて、平原の、誰もいない方向に転がっている、拳大の石に向かって――――、
 ダァァァァァン! なんだ、出るじゃないか。
 ちゃんと石が砕けた。

「ふむ、では次だ」
 排莢して、魔弾を装填。
 
 ――――発動しな……い?

「なるほど」
 と、理解したようだ。

「これが魔王様が言っておられた兵仗、戒律の乙女ヘルフィヨトルの効果か」 

「「「「戒律の乙女ヘルフィヨトル?」」」」
 初めて耳にした僕たちは、声を合わせて口に出す。
 
 この兵仗は、範囲内で魔力を感知すると、使用を強制的に停止させる力を有しているそうだ。
 銃を撃って分かった事は、薬莢に入っている原料は、爆裂魔法を封じた魔石の粉だが、これ自体は受動であり、まだ魔力を帯びていないそうで、発動印が彫られた撃鉄が雷管に触れる事で、初めて魔力反応を起こして爆発するそうだ。
 爆発と同時に魔力が無効化されるみたいだけども、爆発の時点で魔力を有していない鉛玉は、問題なく普通に飛ぶ。
 だが、魔弾は撃った後に鉛ではなく、魔法を発動させるから、そこが戒律の乙女ヘルフィヨトルの強制停止に引っかかるようだと推測した。
 なので、スタン弾も使用不可という事だ。

「じゃあ、殺傷力のあるもの限定ですか」

「そうなりますね」
 いや、僕には人は撃てないですよ。そんな覚悟ないです。
 というか、相手には亡者もいる。下手したら大多数が亡者の可能性だ。実弾は効果ないですよ。
 不安な表情を浮かべてしまったからだろう。

「問題ないですよ。先ほども申しましたが、だからこその我々です」
 疑問符だ。この面子が選ばれた理由は何なんです?

「アクシャイ」

「押忍」
 百人長が、龍人ドラゴニュートのアクシャイさんを呼ぶ。さっきから呼ぶだけだな……。
 アクシャイさん大きく吸気を行うと、勢いよく息を吐き出すような感覚で、炎を口から放出する。

「――――この様に、持って生まれた能力は魔力ではないので、これで亡者に対応できます」
 シュパーブ君の氷の息と同じか。
 能力か――――。
 ロウさんにシナンさんは、常人では捕捉不可能な移動を、音も立てずに行える。
 
 アズナさんやリケルメさん、その他の鳥人タンガタ・マヌさんに、演習中にロープで移動していた僕たちに、突風を浴びせたハーピーの教官は、魔法を使用しなくても、自力で飛行できる能力を有している。
 
 人と変わらない背格好で、生まれた時から有する高い個人能力が、二王さんの所の強味なのかもしれない。
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