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王都潜入
PHASE-18
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「お前等な! 俺が倒されたらどうなると思うんだ」
「亡者が行動不能になる。だからこそ、出し惜しみをするな」
「レンショウ! 敵に聞こえるように言ってんじゃねえよ! 分かったよ! やってやるよ! くそが!」
言葉に品は無いけど、とっておきがあるようだな。
サージャスさん。ザイオン氏に追撃をやめるように伝えれば、舌打ちしながらも、グリーを追い回すのをやめる。
素直なのはいい事だ。
「出てこい! オーガ」
グリーから伸びる影が広がれば、
「オ゛ォォォォォォォオオォォォォ」
大地と空気を震わせるような雄叫びが、影の中から響いてくる。
――――出てきた手の大きさは、今までの亡者とは比較にならない大きさ。
ほんのりとした緑色の光を纏っている感じは、亡者の証と言ってもいい。
オーガの亡者か……。ヘイターめ! 何でもかんでも亡者にしやがって!
――……想像を裏切る登場だった。
大きい手だったから、のっそりと現れると思ったのに、影から跳躍してからの着地。
着地の衝撃だけで、周囲の建物が半壊するレベルだ。
「おいおい……」
口からぽろりと煙草を落とす整備長。
大きさは亡龍よりは小型。
勤労君たちよりも弱冠大きいくらいだけど、亡者となったオーガのおどろおどろしさは、見てるだけでこちらに恐怖を植え付けてくる。
後頭部に向かって伸びる、らせん状の角が二本。
ボサボサの髪型に、エルフのように長い耳。
遠目だと、耳が角に見えて、四本あるみたいだ。
犬歯が発達して口からはみ出している。
それが原因で、他の歯もはっきりと見て取れる。
ノコギリ状の歯だ。噛みつかれたら、他愛なく体が真っ二つにされるという嫌な想像を掻き立てさせる。
体は、鱗状のスケイルアーマーを纏っている。巨体に見合った鱗の大きさ。使用される鱗はドラゴン系の物だろう。頑丈そうである。左手に持った盾も同様の鱗を使用しているようだ。
右手には幅の広い牛刀のような利器。
モンスターとしては整った装備だ。生前は、知力の高かったオーガだったのかもしれない。
「いけ! 眼前の敵を倒すんだ」
出し惜しみは無しなだけあって、ここに来て、語気が今までで一番の強気だ。
「オーガであっても亡者なら」
先手でサージャスさんが魔法を使用。
雷系に続いて氷結系の連続魔法。
「無駄だ!」
と、グリーが自信を持って言うように、サージャスさんの魔法は効果が無かった。
オーガが魔法を弾く姿に口角を上げるグリー。
対して、別段、慌てる事もなく、なぜ魔法が通用しなかったのかを考察。
「スケイルアーマーは対魔法に特化した装備みたいだね」
と、独白。
「その通りだ!」
「別に貴男が誇る事じゃない」
拾わなくていい独白への返しに、冷たく応対するサージャスさん。
オーガ族の中でも上位種であろう存在を、亡者として操れる。
亡者へとされたオーガ。こんな事を可能にする魔力を有した存在に、実力が段違いだと認識するサージャスさん。
グリーにはまったく目が向いていない。その後方にいるであろう、ヘイターへと視線を向けているような、遠くを見るような目だ。
プライドだけは一丁前な存在にとって、自分を見ていないというのは我慢ならないようだ。
「どうするよ。サージャス。このオーガとどう戦う?」
少しでも、自分を見るようにと、得意げになりながら語りかけるグリー。
「だから、貴男が調子づく事じゃない。これは貴男の力ではないのだから」
手に纏ったチャクラをオーガに放つ。
先ほどの魔法以上に、アンデッドには効果がある。
しかし、盾で防ぐという芸当を見せてきた。
操られているだけなのに、こういう小手先の行動が出来ることから、従来の亡者とは一線を画すようだ。
ゲイアードさんのご両親に、亡龍もだったけど、高い能力を生前に有していた存在は、亡者になってもそれを発揮出来るんだろう。
「いいぞ! 反撃だ」
巨体を物ともしない移動速度。
大きいからこそ、本来なら建物なんかが障害になるはずなのに、触れる場所はすり抜ける。
でかいくせに俊敏ってだけでも脅威なのに、障害物をものともしないアンデッド能力。
何という反則能力……。
「亡者が行動不能になる。だからこそ、出し惜しみをするな」
「レンショウ! 敵に聞こえるように言ってんじゃねえよ! 分かったよ! やってやるよ! くそが!」
言葉に品は無いけど、とっておきがあるようだな。
サージャスさん。ザイオン氏に追撃をやめるように伝えれば、舌打ちしながらも、グリーを追い回すのをやめる。
素直なのはいい事だ。
「出てこい! オーガ」
グリーから伸びる影が広がれば、
「オ゛ォォォォォォォオオォォォォ」
大地と空気を震わせるような雄叫びが、影の中から響いてくる。
――――出てきた手の大きさは、今までの亡者とは比較にならない大きさ。
ほんのりとした緑色の光を纏っている感じは、亡者の証と言ってもいい。
オーガの亡者か……。ヘイターめ! 何でもかんでも亡者にしやがって!
――……想像を裏切る登場だった。
大きい手だったから、のっそりと現れると思ったのに、影から跳躍してからの着地。
着地の衝撃だけで、周囲の建物が半壊するレベルだ。
「おいおい……」
口からぽろりと煙草を落とす整備長。
大きさは亡龍よりは小型。
勤労君たちよりも弱冠大きいくらいだけど、亡者となったオーガのおどろおどろしさは、見てるだけでこちらに恐怖を植え付けてくる。
後頭部に向かって伸びる、らせん状の角が二本。
ボサボサの髪型に、エルフのように長い耳。
遠目だと、耳が角に見えて、四本あるみたいだ。
犬歯が発達して口からはみ出している。
それが原因で、他の歯もはっきりと見て取れる。
ノコギリ状の歯だ。噛みつかれたら、他愛なく体が真っ二つにされるという嫌な想像を掻き立てさせる。
体は、鱗状のスケイルアーマーを纏っている。巨体に見合った鱗の大きさ。使用される鱗はドラゴン系の物だろう。頑丈そうである。左手に持った盾も同様の鱗を使用しているようだ。
右手には幅の広い牛刀のような利器。
モンスターとしては整った装備だ。生前は、知力の高かったオーガだったのかもしれない。
「いけ! 眼前の敵を倒すんだ」
出し惜しみは無しなだけあって、ここに来て、語気が今までで一番の強気だ。
「オーガであっても亡者なら」
先手でサージャスさんが魔法を使用。
雷系に続いて氷結系の連続魔法。
「無駄だ!」
と、グリーが自信を持って言うように、サージャスさんの魔法は効果が無かった。
オーガが魔法を弾く姿に口角を上げるグリー。
対して、別段、慌てる事もなく、なぜ魔法が通用しなかったのかを考察。
「スケイルアーマーは対魔法に特化した装備みたいだね」
と、独白。
「その通りだ!」
「別に貴男が誇る事じゃない」
拾わなくていい独白への返しに、冷たく応対するサージャスさん。
オーガ族の中でも上位種であろう存在を、亡者として操れる。
亡者へとされたオーガ。こんな事を可能にする魔力を有した存在に、実力が段違いだと認識するサージャスさん。
グリーにはまったく目が向いていない。その後方にいるであろう、ヘイターへと視線を向けているような、遠くを見るような目だ。
プライドだけは一丁前な存在にとって、自分を見ていないというのは我慢ならないようだ。
「どうするよ。サージャス。このオーガとどう戦う?」
少しでも、自分を見るようにと、得意げになりながら語りかけるグリー。
「だから、貴男が調子づく事じゃない。これは貴男の力ではないのだから」
手に纏ったチャクラをオーガに放つ。
先ほどの魔法以上に、アンデッドには効果がある。
しかし、盾で防ぐという芸当を見せてきた。
操られているだけなのに、こういう小手先の行動が出来ることから、従来の亡者とは一線を画すようだ。
ゲイアードさんのご両親に、亡龍もだったけど、高い能力を生前に有していた存在は、亡者になってもそれを発揮出来るんだろう。
「いいぞ! 反撃だ」
巨体を物ともしない移動速度。
大きいからこそ、本来なら建物なんかが障害になるはずなのに、触れる場所はすり抜ける。
でかいくせに俊敏ってだけでも脅威なのに、障害物をものともしないアンデッド能力。
何という反則能力……。
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