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王都潜入
PHASE-30
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「なんだ?」
振動の後、まっさきに口を開いたのはヘルム。
構えた銃から照準を外して現状を知ろうとする。
「北門より敵接近。大海蛇に牽引された船団が迫っているとの事。帆にはモルドー領主、ハワード家の紋章があるそうです」
伝達でやり取りをしているのか、向こうの冒険者くずれがヘルムに伝えている。
「ハワード。モルドー領の男爵か――――。子爵の甥だったな。攻撃を加えてきたという事は――――」
僕たちに目を向けるヘルム。
南の方角に逃げたってのは分かっているようだ。
そこから推測しているようで、
「男爵は子爵と違って、胆力はあるか。叙勲式後の会食では聡明には思えなかったが、我々に挑むとなれば、中々に見所はあるな」
うん。大公様に脅されてただけだけどな。
「やはり大公か」
ここは推測じゃなく、僕の心を読むんだな。
「そうですよ」
「面倒な存在だな」
「でしょ」
ここだけは意気投合してやる。
「こうしてはいられないか――――。魔石は一時預けておこう。どのみち、そっちにとって、それはただの石ころだからな」
「そんな発言をする奴って、大抵負けるんだよね。口にした内容に足をすくわれるんだよ」
「言っておくといい」
あ、イラッとしたのか、余裕ありげな台詞だけど、語気にトゲがあった。
足早にこの場から去っていくヘルム達。
魔石は奪われなかったけど、ちゃっかり銃は奪っていった。
「ググタムさん。大丈夫ですか?」
背中を見れば出血はしているけど、致命傷ではない。
シナンさんがポシェットから包帯と止血剤を取り出し治療。
「い゛!」
「染みるからって暴れるニャ! この程度で情けない」
いやいや、包帯巻いてから傷口を叩かないであげてシナンさん。それが一番ダメージ大きいみたいですから。
涙目ですよ……。
「さあ、俺ちゃん達も動くぞ」
帰りはダクトではなく、堂々と開発局内を走って外を目指す。
ただ、ロールさんの顔色は悪かった。
僕に塞がれていた両目が解放されたと同時に、凄惨な状況を目にしちゃったからね。
ごめんなさい……。
「大丈夫ですか?」
「うん……。ピート君は平気なの?」
「だな。ブンゴに続いて、俺も卒倒しそうだったのに」
「申し訳ないです……」
走りつつ、ロールさんと、ブンゴさんを背負うタモンさんに心配されるけど、僕はヴィン海域でこれ以上のを見慣れているので。と、サラッと笑顔で返せば、何ともいえない表情で返された。
あれ? 僕の精神。皆とかけ離れてる?
――――外へと出れば、
「おお!」
北門方面に、南門、東門から黒煙が上がっている。
同時に攻撃を開始したようだ。
更に、王都中心部でも爆発。
大攻勢が始まると同時に、今以上の撹乱を行おうと、内側でも、仕掛けていた残りの爆弾を起爆。
なるほど、大量に仕掛けてたけど、こういう状況での使用も考えてたわけだ。
これで相手は、最初の陽動爆発の時よりも、更なる大軍が王都内に侵入したと考えるかもしれない。
兵を割いて対応するだろうけど、そもそもが壁上にもまともな兵員を動員していない事から、王城後である場所以外は、奪われても問題ないと考えているんだろうか?
「このまま俺ちゃん達は主戦場まで移動だ」
なんて恐ろしい事を言うのだろうか……。
僕としては、開発局内に籠もっていたいくらいなんだけど。
「行こう!」
どうしてロールさんはそんなにやる気に満ちてるんだろうか。
先ほどの凄惨な光景以上のものが目に飛び込んでくる世界へと、足を踏み入れる事になるのに……。
――。
裏路地を走って行く最中、ここより離れた大通り方面から、鬨の声が上がっている。
本格的に戦いが始まったようだ。
現状、こちらは魔法が使用出来ない不利な状況だけど、質で負けているとは思わない。
だからこそ、皆さんの活躍を信じながら、コソコソと移動しつつ、王城跡を目指す。
北門からは王様や大公様に、魔王さん。
東門、南門からは、不死王さん、キドさんちびっ子。後は邪神と男爵様の軍か。
皆さんの健闘を祈りひた走る。
北門は、ケーシーさんとゲイアードさんがいれば問題ないな。
冒険者の中では、エルンさん御一行が大いに活躍してくれるだろう。
メンタルを鍛えていればの話だけども……。
振動の後、まっさきに口を開いたのはヘルム。
構えた銃から照準を外して現状を知ろうとする。
「北門より敵接近。大海蛇に牽引された船団が迫っているとの事。帆にはモルドー領主、ハワード家の紋章があるそうです」
伝達でやり取りをしているのか、向こうの冒険者くずれがヘルムに伝えている。
「ハワード。モルドー領の男爵か――――。子爵の甥だったな。攻撃を加えてきたという事は――――」
僕たちに目を向けるヘルム。
南の方角に逃げたってのは分かっているようだ。
そこから推測しているようで、
「男爵は子爵と違って、胆力はあるか。叙勲式後の会食では聡明には思えなかったが、我々に挑むとなれば、中々に見所はあるな」
うん。大公様に脅されてただけだけどな。
「やはり大公か」
ここは推測じゃなく、僕の心を読むんだな。
「そうですよ」
「面倒な存在だな」
「でしょ」
ここだけは意気投合してやる。
「こうしてはいられないか――――。魔石は一時預けておこう。どのみち、そっちにとって、それはただの石ころだからな」
「そんな発言をする奴って、大抵負けるんだよね。口にした内容に足をすくわれるんだよ」
「言っておくといい」
あ、イラッとしたのか、余裕ありげな台詞だけど、語気にトゲがあった。
足早にこの場から去っていくヘルム達。
魔石は奪われなかったけど、ちゃっかり銃は奪っていった。
「ググタムさん。大丈夫ですか?」
背中を見れば出血はしているけど、致命傷ではない。
シナンさんがポシェットから包帯と止血剤を取り出し治療。
「い゛!」
「染みるからって暴れるニャ! この程度で情けない」
いやいや、包帯巻いてから傷口を叩かないであげてシナンさん。それが一番ダメージ大きいみたいですから。
涙目ですよ……。
「さあ、俺ちゃん達も動くぞ」
帰りはダクトではなく、堂々と開発局内を走って外を目指す。
ただ、ロールさんの顔色は悪かった。
僕に塞がれていた両目が解放されたと同時に、凄惨な状況を目にしちゃったからね。
ごめんなさい……。
「大丈夫ですか?」
「うん……。ピート君は平気なの?」
「だな。ブンゴに続いて、俺も卒倒しそうだったのに」
「申し訳ないです……」
走りつつ、ロールさんと、ブンゴさんを背負うタモンさんに心配されるけど、僕はヴィン海域でこれ以上のを見慣れているので。と、サラッと笑顔で返せば、何ともいえない表情で返された。
あれ? 僕の精神。皆とかけ離れてる?
――――外へと出れば、
「おお!」
北門方面に、南門、東門から黒煙が上がっている。
同時に攻撃を開始したようだ。
更に、王都中心部でも爆発。
大攻勢が始まると同時に、今以上の撹乱を行おうと、内側でも、仕掛けていた残りの爆弾を起爆。
なるほど、大量に仕掛けてたけど、こういう状況での使用も考えてたわけだ。
これで相手は、最初の陽動爆発の時よりも、更なる大軍が王都内に侵入したと考えるかもしれない。
兵を割いて対応するだろうけど、そもそもが壁上にもまともな兵員を動員していない事から、王城後である場所以外は、奪われても問題ないと考えているんだろうか?
「このまま俺ちゃん達は主戦場まで移動だ」
なんて恐ろしい事を言うのだろうか……。
僕としては、開発局内に籠もっていたいくらいなんだけど。
「行こう!」
どうしてロールさんはそんなにやる気に満ちてるんだろうか。
先ほどの凄惨な光景以上のものが目に飛び込んでくる世界へと、足を踏み入れる事になるのに……。
――。
裏路地を走って行く最中、ここより離れた大通り方面から、鬨の声が上がっている。
本格的に戦いが始まったようだ。
現状、こちらは魔法が使用出来ない不利な状況だけど、質で負けているとは思わない。
だからこそ、皆さんの活躍を信じながら、コソコソと移動しつつ、王城跡を目指す。
北門からは王様や大公様に、魔王さん。
東門、南門からは、不死王さん、キドさんちびっ子。後は邪神と男爵様の軍か。
皆さんの健闘を祈りひた走る。
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