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レコンキスタ
PHASE-13
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「アホか!」
尻餅をついたと同時に投げかけられる罵倒。
加えて――――、
「い゛え゛ぁ!?」
背中に走る激痛……。
思いっ切り蹴られたようである。
王に対し、引き倒し、蹴りを見舞う存在は、この中では一人しかいない。
「なんでしょうか……ビルギット様」
「お前が先頭に出たところで迷惑千万なのじゃ! この指揮所で居住まいを正して鎮座しておれ」
「ですが……」
「お前の仕事はここまでじゃ。後は前線に立つ者たちが主役。お前が次ぎに取りかかるのは、戦後処理からじゃ」
得心がいかないと不服の顔を見せれば、何が気に入らないのかと、紫色のおかっぱ頭を激しくふりながら、シラクサにストンピングの猛攻。
大陸の最高権力者を蹴って蹴って蹴りまくる。
しかし、誰もそれを制止する事は出来なかった。それがラゼンであっても……。
魔王軍の最高権力者には逆らえないのが今の立ち位置であるし、魔王の発言自体は正鵠を射ていると思っていたからである。
「妾の発言に逆らうのは許さないのじゃぁあぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁあ!?」
蘇るテンプルへの衝撃と激痛。
ストンピングは止むが、両足はストンピング時よりも大いに暴れる。
じたばたと動き回り、涙目と叫びが周囲に響く。
「やめろ! やめてくださりませです! はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
繰り出される穿孔摩擦。
この技を魔王に対して使用出来るのは、この世の中でただ一人。
「サージャスさん達に続き、現着しました」
ピート達が魔道開発局から庭園へと到着。
――――穿孔摩擦より解放された魔王はぐったりと芝生の上にころがる。
「相変わらずお前は無茶苦茶するな……」
モノクルの奥の目は、ピートに対する胆力に驚くというより、呆れたものであった。
「最高権力者に対する、目に余る暴挙に見かねての行動です。正道な力の行使であったと、断言します」
きっぱりと言い切ったので、これ以上は追及しないとして、ラゼンはここまでの道のりを簡潔に述べよと口にする。
裏路地と地下道を活用し、可能な限り戦闘を避けつつの移動。
陽動が上手くいった事もあり、敵との遭遇は極端に少なかったと説明するピート。
大変だったのは、市街と王城の間にある広い堀。
堂々と橋を渡り、正門を通るわけにも行かないので、飛行能力を有した者たちに活躍してもらい、時間はかかったものの、誰一人かけることなく、ここまでたどり着く事が出来た。
「途中で、百人長たちに合流できたのもよかったです」
ここへと無事に到着した百人長であるアーメイは、さっそく部下を連れて、亡者の前に立ち戦いを始めていると、ピートはラゼンではなく、倒れている魔王に向かって発言した。
「うるさい!」
返ってきたのは、いじけているのか、背格好どおりの子供のような返答。
それに対して、また見舞ってやろうかと仕草を見せれば、正座して耳を傾けた。
「うむ、ビルギット様はウィザースプーンに任せればいいな……」
ポツリとラゼンが漏らす。
「まあよい。役者も揃いつつある。サージャスをここへ呼ぶのじゃ」
こめかみをさすり、涙目のまま、そう口を開く。
――――前線で戦うサージャスは黒刀を抜き身のまま、再びシラクサ達の前に戻ってくる。
「どうしました? まだこちらは数が不利な状況です。早く前線に戻りたいのですが」
いそぎ戻って戦闘に参加したいとの事だが、
「ここへと来る前に、エギンバで言った事を覚えておるか?」
「はい」
「ここでいま託そう。妾のとっておきじゃ!」
魔王はそう言うと、自身の手を体の中に埋没させていく。
出血などはない。そういう次元の問題ではないようで、体の中から手を引き抜けば、光る球体が現れる。
――――それは徐々に形をなしていき、サージャスの背よりも長い槍へと姿を変えた。
白亜の槍。
捷利嚮導の乙女と同色の槍。
柄も穂先も白亜に統一された、神々しさを感じる事の出来る槍。
口金部分には羽根を模したデザイン。
柄には人が読む事の出来ない文字が刻まれている。
「これが?」
「そうじゃ」
神々しさに、ついつい手を伸ばしてしまうサージャスはハタと我に返る。
まだ受け取る許可も正式にもらっていない。
手を伸ばしてしまう粗相を急ぎやめようとすれば、ズイッと、槍をサージャスの方へ渡そうとする魔王。
――――手に取れば、それだけで驚かされる。槍は羽根のように軽く、持っているという感覚がない。
「これが妾たちの切り札の一つ。願望破壊の乙女じゃ」
尻餅をついたと同時に投げかけられる罵倒。
加えて――――、
「い゛え゛ぁ!?」
背中に走る激痛……。
思いっ切り蹴られたようである。
王に対し、引き倒し、蹴りを見舞う存在は、この中では一人しかいない。
「なんでしょうか……ビルギット様」
「お前が先頭に出たところで迷惑千万なのじゃ! この指揮所で居住まいを正して鎮座しておれ」
「ですが……」
「お前の仕事はここまでじゃ。後は前線に立つ者たちが主役。お前が次ぎに取りかかるのは、戦後処理からじゃ」
得心がいかないと不服の顔を見せれば、何が気に入らないのかと、紫色のおかっぱ頭を激しくふりながら、シラクサにストンピングの猛攻。
大陸の最高権力者を蹴って蹴って蹴りまくる。
しかし、誰もそれを制止する事は出来なかった。それがラゼンであっても……。
魔王軍の最高権力者には逆らえないのが今の立ち位置であるし、魔王の発言自体は正鵠を射ていると思っていたからである。
「妾の発言に逆らうのは許さないのじゃぁあぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁあ!?」
蘇るテンプルへの衝撃と激痛。
ストンピングは止むが、両足はストンピング時よりも大いに暴れる。
じたばたと動き回り、涙目と叫びが周囲に響く。
「やめろ! やめてくださりませです! はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
繰り出される穿孔摩擦。
この技を魔王に対して使用出来るのは、この世の中でただ一人。
「サージャスさん達に続き、現着しました」
ピート達が魔道開発局から庭園へと到着。
――――穿孔摩擦より解放された魔王はぐったりと芝生の上にころがる。
「相変わらずお前は無茶苦茶するな……」
モノクルの奥の目は、ピートに対する胆力に驚くというより、呆れたものであった。
「最高権力者に対する、目に余る暴挙に見かねての行動です。正道な力の行使であったと、断言します」
きっぱりと言い切ったので、これ以上は追及しないとして、ラゼンはここまでの道のりを簡潔に述べよと口にする。
裏路地と地下道を活用し、可能な限り戦闘を避けつつの移動。
陽動が上手くいった事もあり、敵との遭遇は極端に少なかったと説明するピート。
大変だったのは、市街と王城の間にある広い堀。
堂々と橋を渡り、正門を通るわけにも行かないので、飛行能力を有した者たちに活躍してもらい、時間はかかったものの、誰一人かけることなく、ここまでたどり着く事が出来た。
「途中で、百人長たちに合流できたのもよかったです」
ここへと無事に到着した百人長であるアーメイは、さっそく部下を連れて、亡者の前に立ち戦いを始めていると、ピートはラゼンではなく、倒れている魔王に向かって発言した。
「うるさい!」
返ってきたのは、いじけているのか、背格好どおりの子供のような返答。
それに対して、また見舞ってやろうかと仕草を見せれば、正座して耳を傾けた。
「うむ、ビルギット様はウィザースプーンに任せればいいな……」
ポツリとラゼンが漏らす。
「まあよい。役者も揃いつつある。サージャスをここへ呼ぶのじゃ」
こめかみをさすり、涙目のまま、そう口を開く。
――――前線で戦うサージャスは黒刀を抜き身のまま、再びシラクサ達の前に戻ってくる。
「どうしました? まだこちらは数が不利な状況です。早く前線に戻りたいのですが」
いそぎ戻って戦闘に参加したいとの事だが、
「ここへと来る前に、エギンバで言った事を覚えておるか?」
「はい」
「ここでいま託そう。妾のとっておきじゃ!」
魔王はそう言うと、自身の手を体の中に埋没させていく。
出血などはない。そういう次元の問題ではないようで、体の中から手を引き抜けば、光る球体が現れる。
――――それは徐々に形をなしていき、サージャスの背よりも長い槍へと姿を変えた。
白亜の槍。
捷利嚮導の乙女と同色の槍。
柄も穂先も白亜に統一された、神々しさを感じる事の出来る槍。
口金部分には羽根を模したデザイン。
柄には人が読む事の出来ない文字が刻まれている。
「これが?」
「そうじゃ」
神々しさに、ついつい手を伸ばしてしまうサージャスはハタと我に返る。
まだ受け取る許可も正式にもらっていない。
手を伸ばしてしまう粗相を急ぎやめようとすれば、ズイッと、槍をサージャスの方へ渡そうとする魔王。
――――手に取れば、それだけで驚かされる。槍は羽根のように軽く、持っているという感覚がない。
「これが妾たちの切り札の一つ。願望破壊の乙女じゃ」
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