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レコンキスタ
PHASE-14
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* *
「願望破壊の乙女ですか」
復唱するサージャスさん。
「さよう」
緊張気味に柄を持ち直している。
「で、これってどんな効果があるんです?」
こめかみを擦りながら、僕の問いかけに睨みで返してくる。
相当に痛かったようだ。
僕が更に見舞わないためにも、丁寧な説明を願いたいね。
「これは穂先で傷を与えた兵仗の効果を無効化する力がある。この兵仗、願望破壊の乙女は、唯一無二の対兵仗の兵仗じゃ」
「カウンター武器ですね」
「さよう、毒蛇が自らの毒で死ねば滑稽。耐性を持つから使えるのじゃ。兵仗も一緒。強大な力を抑えるには、それに見合う存在があるという事」
「それは凄い。なら、捷利嚮導の乙女もこれで――――」
男爵様のとこではもったいぶってたけども、ようやく出したんだからね。それくらいの効果が無いと困るってもんだ。
でも、これをぶっさせば、無効化できるって事だから、一気に攻略難易度が下がったんじゃないか。
「妾の考えた捷利嚮導の乙女がそんな簡単に無効化できるものか!」
何を偉そうにふんぞり返って言ってるかな。強大な力を抑えるって件は眉唾物か?
そもそも偉そうに言える立場じゃないんですがね。そんなもんを造るなって話だから。
――――他はともかく、捷利嚮導の乙女はあの図体である。それこそ数多く打ち込まないと効果はないようだ。
あれだけ的が大きいから、難しくはないんじゃないか?
そこはサージャスさんに頑張ってもらうとして、気になる事がある。
「切り札の一つって事は? あとはあれですか?」
それがあれば、更に捷利嚮導の乙女の攻略が楽になるみたいだけど。
「ふむん」
遠い目をしている。
「オルプラ神殿、勇者パルティナの持つ兵仗ですよね?」
「うむ。あれがあれば更に楽になるが、現状はこのままでいくしかあるまい」
未だに吉報は届かずか……。
でも、この願望破壊の乙女があれば光明も見えるってもんだ。
「ただ、速いところ別の兵仗を手にせねばならん。そうじゃの~、まずは主目標である戒律の乙女を獲得するのじゃ」
「破壊じゃなく?」
「無論じゃ。サージャスに願望破壊の乙女を貸し与えているという事は、妾は力を失った状態になる。今まで眠りについておったから、最低限の力は蓄えておるから現状を維持できるが、遅延が生じれば、妾が無に返ってしまう。最悪の場合、妾の維持のために願望破壊の乙女は返してもらう」
なるほどね。
エギンバでもったいぶってた理由はそれか。
まったくさ……。いくら邪神を倒すためだからとはいえ、魂削ってまで作る代物だったのだろうか?
殆ど返してもらえてないし。お馬鹿だな~。
「妾の事をお馬鹿と思ったろう」
「はい」
「否定しないとか! お前だけじゃぞ。妾にこんなにも不遜なのは」
「首を刎ねましょうか」
「やってみろよモノクルこらぁ!」
急に横入りしやがって! 第二ラウンド行くか? この初老の元大公が!
魔王さん相手にこうやって行動に打って出られる男だぞ。あんたなんか怖くないんだよ!
ぐぬぬぬ……。と、お怒りのご様子。
「叔父上相手にこの胆力……」
安心してください。王様には平身低頭の精神で対応しますから。
魔王軍に屈服しないだけです。
「あんまり皆さんに迷惑をかけないように」
「あ、はい」
暫定局長に怒られてしまった。
「よいか! 早急に戒律の乙女を奪還するのじゃ! あれを無効化すれば、こちらは大いに有利になる。そしてピートよ」
なんだい? 僕に対して説教ですか?
「以前も言ったが、お前が頼りになる」
ん? この素人に何を託そうとしているのだろう。
僕じゃなきゃ駄目な理由があるのかな?
「お前が――――カグラを救うのじゃ」
「ふぁ?」
何を言ってるんだろうか、このおチビちゃんは?
助けられるなら助けたいけども、それは皆で助けるのであって、僕みたいな素人が助けるとかってのは、違うと思うの。
「願望破壊の乙女ですか」
復唱するサージャスさん。
「さよう」
緊張気味に柄を持ち直している。
「で、これってどんな効果があるんです?」
こめかみを擦りながら、僕の問いかけに睨みで返してくる。
相当に痛かったようだ。
僕が更に見舞わないためにも、丁寧な説明を願いたいね。
「これは穂先で傷を与えた兵仗の効果を無効化する力がある。この兵仗、願望破壊の乙女は、唯一無二の対兵仗の兵仗じゃ」
「カウンター武器ですね」
「さよう、毒蛇が自らの毒で死ねば滑稽。耐性を持つから使えるのじゃ。兵仗も一緒。強大な力を抑えるには、それに見合う存在があるという事」
「それは凄い。なら、捷利嚮導の乙女もこれで――――」
男爵様のとこではもったいぶってたけども、ようやく出したんだからね。それくらいの効果が無いと困るってもんだ。
でも、これをぶっさせば、無効化できるって事だから、一気に攻略難易度が下がったんじゃないか。
「妾の考えた捷利嚮導の乙女がそんな簡単に無効化できるものか!」
何を偉そうにふんぞり返って言ってるかな。強大な力を抑えるって件は眉唾物か?
そもそも偉そうに言える立場じゃないんですがね。そんなもんを造るなって話だから。
――――他はともかく、捷利嚮導の乙女はあの図体である。それこそ数多く打ち込まないと効果はないようだ。
あれだけ的が大きいから、難しくはないんじゃないか?
そこはサージャスさんに頑張ってもらうとして、気になる事がある。
「切り札の一つって事は? あとはあれですか?」
それがあれば、更に捷利嚮導の乙女の攻略が楽になるみたいだけど。
「ふむん」
遠い目をしている。
「オルプラ神殿、勇者パルティナの持つ兵仗ですよね?」
「うむ。あれがあれば更に楽になるが、現状はこのままでいくしかあるまい」
未だに吉報は届かずか……。
でも、この願望破壊の乙女があれば光明も見えるってもんだ。
「ただ、速いところ別の兵仗を手にせねばならん。そうじゃの~、まずは主目標である戒律の乙女を獲得するのじゃ」
「破壊じゃなく?」
「無論じゃ。サージャスに願望破壊の乙女を貸し与えているという事は、妾は力を失った状態になる。今まで眠りについておったから、最低限の力は蓄えておるから現状を維持できるが、遅延が生じれば、妾が無に返ってしまう。最悪の場合、妾の維持のために願望破壊の乙女は返してもらう」
なるほどね。
エギンバでもったいぶってた理由はそれか。
まったくさ……。いくら邪神を倒すためだからとはいえ、魂削ってまで作る代物だったのだろうか?
殆ど返してもらえてないし。お馬鹿だな~。
「妾の事をお馬鹿と思ったろう」
「はい」
「否定しないとか! お前だけじゃぞ。妾にこんなにも不遜なのは」
「首を刎ねましょうか」
「やってみろよモノクルこらぁ!」
急に横入りしやがって! 第二ラウンド行くか? この初老の元大公が!
魔王さん相手にこうやって行動に打って出られる男だぞ。あんたなんか怖くないんだよ!
ぐぬぬぬ……。と、お怒りのご様子。
「叔父上相手にこの胆力……」
安心してください。王様には平身低頭の精神で対応しますから。
魔王軍に屈服しないだけです。
「あんまり皆さんに迷惑をかけないように」
「あ、はい」
暫定局長に怒られてしまった。
「よいか! 早急に戒律の乙女を奪還するのじゃ! あれを無効化すれば、こちらは大いに有利になる。そしてピートよ」
なんだい? 僕に対して説教ですか?
「以前も言ったが、お前が頼りになる」
ん? この素人に何を託そうとしているのだろう。
僕じゃなきゃ駄目な理由があるのかな?
「お前が――――カグラを救うのじゃ」
「ふぁ?」
何を言ってるんだろうか、このおチビちゃんは?
助けられるなら助けたいけども、それは皆で助けるのであって、僕みたいな素人が助けるとかってのは、違うと思うの。
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