拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-24

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 何度も何度も、捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデが繰り出す攻撃を防いでは、独特な小気味のいい音を一帯に響かせていた――――。
 
 ヘルムとしては、ダイアンが止めると思っていたようだけど、サージャスさんのパーティーである、ドレークさん達によって動きを止められている。
 周囲のやり手である皆さんも、ドレークさん達が戦いやすいように、氷結女王ヴィルジナルを一手に引き受けて、送り狼は通さないとばかりに掩護してくださっている。

「ボーイいいのか?」

「シュパーブ君は捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデには入れないからね。魔王さんを守ってよ。シズクさんの指示より遵守する事もあるでしょ」
 僕に付いてきてくれたけど、後陣も乱戦状態。ここは最古参位エルダークラスの実力者がお偉方の護衛を務めるのも大事。

「ボーイ。自分よりも他を優先させる。おとこだ」

「どうも」

「任せとけ。主に、金髪ボーイは俺ちゃんが守る」
 渋い声にまったくもって似合わない愛らしい手で、サムズアップしつつ後陣に戻っていった。 
 
 ――。

「ピートさんもっと低く飛びましょう」
 流石に戦場の上空は目立つ。この高さを飛翔し続ければ恰好の的だと、アクシャイさん。
 遅かったようで、さっそく僕たちの事を捕捉した連中が、飛翔魔法で接近してくる。

「変わった編制だな」
 鳥人タンガタ・マヌ龍人ドラゴニュートと、幻獣に乗った公務員。的を射た感想だね。
 相対するは、ショートソード、ワンド、スパイク棍棒を持った三人。
 見るからにならず者って風体で、髪型はボサボサで無精髭。恰好に気をつかわない連中だ。
 アズナさんを見て、いい女だと笑みを見せる。グリーに近い感性をもっている。

「邪魔です」
 ここは公務員。丁寧に侮辱すると、不思議と怒り出した。
 丁寧に言ったのに。
 僕たちはさっさとサージャスさんと合流したいんですよ。だから邪魔だと、丁寧に笑顔で言ったのに。

「一番弱そうなのがなめてるな」

「誰が一番弱いだコラ!」
 アクシャイさんお怒り。
 僕の事を尊敬してくれているのはありがたいけども、実際、この中で最下層です。
 なので、僕がどれだけ知略に長けた人物なのかとか、大げさに言わないでいただきたいです。恥ずかしいです。

「うるせえ龍人ドラゴニュートだ」
 スパイク棍棒で、アクシャイさん目がけて殴りかかれば、
「あ? なんだこの棒は? マッサージでもしてくれるのか?」
 簡単にむんずと掴むと、そのまま力任せに引っ張って振りかぶり、持ってる人物ごと地面の方に向かって投げつけた。
 相変わらずな膂力である。

「野郎!」
 ワンドを向けてくる。小さな竜巻がアクシャイさんに放たれる。

「なんだそのそよ風は!」
 吹き飛ばすように強く呼気を行えば、遅れて炎が口から吐かれて、竜巻を消し去る勢いのまま、魔法を唱えた男を炎が飲み込んだ。
 熱がりながら、これまた大地に落ちていった。

「調子に乗るな!」
 残ったショートソードの人物が斬りかかれば、アクシャイさんに剣が到達する前に、上方からアズナさんが強烈な蹴りを見舞って、これまた地に落ちていった……。
 なんてお約束なやられっぷりだろう。
 お二人、強いですね~。
 頼りになる方々である――――。



「サージャスさん」
 巨神の攻撃を凌いでくれてる所からやや離れた位置に着地をする。

「ピートさん! 来ましたね」
 来ましたよ。さあ、僕を入り口までお願いします。
 受け答えしつつ、捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデの攻撃はしっかりと弾いてるところが凄いところ。

「乗ってください」
 連れてきたグライフ君に騎乗を進めれば、軽く跳躍して跨がる。
 所作が一つ一つ格好いい。

『お呼びじゃないよ。ウィザースプーン君』

「お呼びじゃなくても、無理矢理おじゃましますよ。でもって、ぶん殴ってやる!」
 空間に映るヘルムに声音を荒くしてお返し。
 ほくそ笑みが返ってきた。

「行きましょう」

「はい!」
 グライフ君に乗ったサージャスさんと共に、戒律の乙女ヘルフィヨトルの奪還と、入り口を目指す。
 
 ――…………ん?
 今になって、とんでもない事に気付いた。

「入り口ってどこですかね?」
 僕の質問に、サージャスさん、後ろを付いてくるアズナさん、アクシャイさんが同時に首を傾げた。
 ――……ですよね……。
 今から戻って魔王さんに聞こうとしても……、
 無理だな……。
 僕たち、敵に絶賛包囲されてるもの。
 こうなったら!

「ヘルムを狙いましょう!」
 大音声で、ヘルムにも聞こえるようにお腹から思いっ切り声を出した。
 ばっちりと僕の声がヘルムの耳朶に届いたようで、空間に映し出される表情は冴えないものになる。
 グライフ君に跨がったサージャスさんは、僕の言葉に従うように穂先をヘルムへと向けて睨むと、一目散に突撃。

『冗談ではない!』
 包囲を容易く蹴散らしながら接近するサージャスさんを目にして、そう発すると、ヘルムは大急ぎで駆ける。
 うむ、上手くいった。
 ヘルムの動きを注視する僕。

「なるほど――――あそこが入り口か」
 独白して、ヘルムが捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデの、人で例えるならば、うなじ部分からドアを開いて入っていったのを確認した。
 
 ――――これで出入り口は理解した。
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