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レコンキスタ
PHASE-48
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風を切る音と共に、ゲイアードの拳がヘイターの顔を捕捉すれば、それを受け流し、カウンターで五指を立てた指突にて腹部を狙う。
拳を放った腕を曲げ、ヘイターの突きに肘を打ち落とす。
「いったいな! でも、黒の親友を使用してたらどうしてたんだい?」
「どうもしない。触れさせるつもりは毛頭ない」
自信に満ち溢れた言い様に、苛立ちが芽生える。
「やっぱり、にいにいの事は好きになれないな!」
「それはこちらとしてはありがたい事だ。私もお前が嫌いでね」
「ひどいや~」
地面に諸手を置けば、魔法陣と共に亡者が姿を現す。
ただでさえ巨大な魔法陣を展開しているのにこの芸当。
自分以上に有する膨大な魔力量には感嘆する。
「ほらほら!」
次々に現れる亡者は、一応にゲイアードを襲う。
魔力量は多くとも、この無駄にも思える使用方法には嘆息。
先ほどのように腕だけを動かし、亡者を燃やし尽くした。
「ん?」
燃やし尽くしたと思われる亡者が、止まらずに進軍してくる。
「兄ちゃん用に、力のある亡者を投入してるんだよ」
言うだけあって、燃えながらも迫る亡者。生前は力のある存在だったようである。
「ちょいさ!」
快活に登場するのはリューディア。
迫ってくる亡者を魔力を込めた徒手空拳で撃退していく。
「まったく、いつも急に出て来るね。しかもまた素手って」
「これが私の実力よ」
「格好のいいことで」
ヘイターに対しても分け隔てなく笑みを見せる彼女の真っ直ぐな瞳は苦手なのか、顔を逸らす。
「仮面はずせば? いま照れてるでしょ」
「照れてないし、ポリシーだから外さない」
などと言いながらも、図星なのか、それを誤魔化すように亡龍数体を魔法陣から呼び寄せる。
亡龍は咆哮し、暴れ回る。
周囲の人々を巻き込みながら猛威を振るっていく。
「ルネアって本当に凄いね。どうするのノイエ?」
ゲイアードは言われて、ヘイターを見れば、明らかに肩で息をしているのが見て取れた。
「限界か?」
「止めないと、死んじゃうよ」
リューディアは心配する。
『ヘイターやり過ぎだ。無理をするな! 今も尚、亡者の召喚は続いている。それ以外で魔力を使うことはない』
「使わないといけないんだよヘルムさん。男の子の意地ってやつだよ」
『しかし』
「見ててよ。僕が必ず勝つから」
ここまでしてまで、自分に挑んでくる。
それほどまでに、自分に対して怨嗟を抱いている。ならばと、ゲイアードは、
「受けて立つ。私の全力を見せてやる。お前もいま以上に無理をしないと勝てないぞ」
「ノイエ!」
止めようとするリューディアだが、ゲイアードは受け入れない。
「やろうか――――兄さん!」
――――ドラゴン、巨狼、大蛇に武装した人間の亡者。
ヘイターが有するなかでも、最高の亡者たちを使い、戦いを挑む。
自らも、柄、護拳に人骨を模したデザインのショートソードを体内から取り出し、ゲイアードへと迫る。
「――――お願いします」
迫る軍勢から視線を外さずに、ゲイアードが一言。
「任せよ!」
応えるように、どこからともなく声がする。
続いて、馬のいななきが響き、蹄が大地を蹴る音と共に、突如として現れた騎士団によって、迫り来る亡者たちが切り伏せられていった。
「なんだ!? どこから!」
急な登場に、ヘイターの動きが止まる。
騎士団は一つの生き物のように、一糸乱れず全速力で大地を駆け、ゲイアードの前にて制止すれば、馬も相当に訓練されているのか、戦場においても興奮もなく、静かに佇む。
拳を放った腕を曲げ、ヘイターの突きに肘を打ち落とす。
「いったいな! でも、黒の親友を使用してたらどうしてたんだい?」
「どうもしない。触れさせるつもりは毛頭ない」
自信に満ち溢れた言い様に、苛立ちが芽生える。
「やっぱり、にいにいの事は好きになれないな!」
「それはこちらとしてはありがたい事だ。私もお前が嫌いでね」
「ひどいや~」
地面に諸手を置けば、魔法陣と共に亡者が姿を現す。
ただでさえ巨大な魔法陣を展開しているのにこの芸当。
自分以上に有する膨大な魔力量には感嘆する。
「ほらほら!」
次々に現れる亡者は、一応にゲイアードを襲う。
魔力量は多くとも、この無駄にも思える使用方法には嘆息。
先ほどのように腕だけを動かし、亡者を燃やし尽くした。
「ん?」
燃やし尽くしたと思われる亡者が、止まらずに進軍してくる。
「兄ちゃん用に、力のある亡者を投入してるんだよ」
言うだけあって、燃えながらも迫る亡者。生前は力のある存在だったようである。
「ちょいさ!」
快活に登場するのはリューディア。
迫ってくる亡者を魔力を込めた徒手空拳で撃退していく。
「まったく、いつも急に出て来るね。しかもまた素手って」
「これが私の実力よ」
「格好のいいことで」
ヘイターに対しても分け隔てなく笑みを見せる彼女の真っ直ぐな瞳は苦手なのか、顔を逸らす。
「仮面はずせば? いま照れてるでしょ」
「照れてないし、ポリシーだから外さない」
などと言いながらも、図星なのか、それを誤魔化すように亡龍数体を魔法陣から呼び寄せる。
亡龍は咆哮し、暴れ回る。
周囲の人々を巻き込みながら猛威を振るっていく。
「ルネアって本当に凄いね。どうするのノイエ?」
ゲイアードは言われて、ヘイターを見れば、明らかに肩で息をしているのが見て取れた。
「限界か?」
「止めないと、死んじゃうよ」
リューディアは心配する。
『ヘイターやり過ぎだ。無理をするな! 今も尚、亡者の召喚は続いている。それ以外で魔力を使うことはない』
「使わないといけないんだよヘルムさん。男の子の意地ってやつだよ」
『しかし』
「見ててよ。僕が必ず勝つから」
ここまでしてまで、自分に挑んでくる。
それほどまでに、自分に対して怨嗟を抱いている。ならばと、ゲイアードは、
「受けて立つ。私の全力を見せてやる。お前もいま以上に無理をしないと勝てないぞ」
「ノイエ!」
止めようとするリューディアだが、ゲイアードは受け入れない。
「やろうか――――兄さん!」
――――ドラゴン、巨狼、大蛇に武装した人間の亡者。
ヘイターが有するなかでも、最高の亡者たちを使い、戦いを挑む。
自らも、柄、護拳に人骨を模したデザインのショートソードを体内から取り出し、ゲイアードへと迫る。
「――――お願いします」
迫る軍勢から視線を外さずに、ゲイアードが一言。
「任せよ!」
応えるように、どこからともなく声がする。
続いて、馬のいななきが響き、蹄が大地を蹴る音と共に、突如として現れた騎士団によって、迫り来る亡者たちが切り伏せられていった。
「なんだ!? どこから!」
急な登場に、ヘイターの動きが止まる。
騎士団は一つの生き物のように、一糸乱れず全速力で大地を駆け、ゲイアードの前にて制止すれば、馬も相当に訓練されているのか、戦場においても興奮もなく、静かに佇む。
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