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レコンキスタ
PHASE-60
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しっかりと刺さる感触を得たゲルニオは、勝利の一撃に笑みを見せる。
刺さり体を貫くゲルニオの手槍が、正面にいるアルコンからも確認できる。
――――が、
「勇者たる者、敵を刺したとしても笑んでは駄目だろう。それだとただの殺人になってしまうぞ。刺した相手に対しても敬意を持て」
刺したと思われる人間の声が、自分の耳元で聞こえる事で血の気が引く。
「おいおい、自慢の青い鎧よりも真っ青な顔だな」
冷徹に耳朶に届くケーシーの声に体が固まる。
あらがえない死が迫るかのような感覚によって、ゲルニオは体の自由を奪われた。
「ゲルニオ!」
いつの間にか穂先から姿を消し、ゲルニオの背後にいるケーシーに向かって駆け出すも、時すでに遅く、ケーシーによって何かしらをされたのか、ゲルニオは両膝を地につけた後に、力なく倒れ込む。
「おのれ!」
横薙ぎにてゲルニオより離させようとしたが、その一振りはいい意味で期待を裏切る。
白刃はケーシーを捉え、胴をバッサリと斬る感覚がアルコンの諸手に伝わった。
「こんなに簡単に?」
斬った当人が一番の驚きであった。
だが驚きは、今度は悪い意味で裏切られる。
剣身には血は付着しておらず、斬ったはずのケーシーの姿が眼前から突如として消えた。
確かに斬った感触はあったし、未だにそれが諸手に残っている。だがいない。
「一体なんなのだ? この不安は」
「それは、お前さんが俺を倒しきれていないからだ」
「な!?」
背後からの声に、剣を逆手に持って、そのまま後方に切っ先を突き刺せば、グンッと手に筋肉の抵抗が伝わってくる。
確実に刺したとわかる感触。
振り向けば、
「なんなのだ!」
そこには誰もいない。
切っ先から剣全体を見ても、鮮血は付着していない。
なんともいえない恐怖がアルコンを襲う。
「ほら」
「くっ」
またも背後から、
「何がしたい」
「いや、いかんともしがたい実力差を見せつけようかと」
「なめるな!」
振り返り、振り上げた剣にて斜に下ろせば、確実に捉えたと、自分の目でもそれを確認できる。
「あ……」
事切れるように、ポツリとケーシー。
先ほどのゲルニオのように、両膝を地につけ倒れる。
「よし!」
今度こそはやったと、気合いを口に出す。
――――が、思いは無常に崩れ去る。
倒れたのも確認した。手応えもあった。
しかし、倒れているはずのケーシーは地に伏しておらず、存在そのものが眼前から消え去っていた。
剣を三度見れば、やはり血はついていない。
「まやかし、いや手応えは――――」
「――あるだろう?」
「何がしたいのだ。ニコ・グッドスピード……」
「さっきも言ったぞ」
「力の差か……。理解した。何をしたか教えてくれ」
「なに簡単だ。自分の気配に質量を与えているだけだ」
「面妖な。魔法か?」
「いや」
「どういう原理だ」
「職人は自分の手の内は見せないさ。自分で考えてみるんだな」
「貴様を倒して、習得する」
「前者は無理だが、後者は頑張ればなんとかなるぞ」
喋々と言葉を交え、アルコンは地面に魔法を放つ。
爆発で土煙が舞い上がり、ケーシーの視界を妨げつつ、自らは跳躍し、その場より離れた。
「姿は見えなくとも」
土煙に向かって、
「大火球」
火球の上位魔法を放てば、着弾地が大爆発。
濛々とした土煙が爆発で追いやられれば、姿をみせるのは大きな窪地。
ケーシーが直撃をしていたら、ただでは済まない破壊力であった。
今度こそは仕留めたと思いたいが、
「ずっと、後ろについてるんだが――――」
げんなりと、脱力に見舞われるアルコン。
ケーシーからは逃げられない。
刺さり体を貫くゲルニオの手槍が、正面にいるアルコンからも確認できる。
――――が、
「勇者たる者、敵を刺したとしても笑んでは駄目だろう。それだとただの殺人になってしまうぞ。刺した相手に対しても敬意を持て」
刺したと思われる人間の声が、自分の耳元で聞こえる事で血の気が引く。
「おいおい、自慢の青い鎧よりも真っ青な顔だな」
冷徹に耳朶に届くケーシーの声に体が固まる。
あらがえない死が迫るかのような感覚によって、ゲルニオは体の自由を奪われた。
「ゲルニオ!」
いつの間にか穂先から姿を消し、ゲルニオの背後にいるケーシーに向かって駆け出すも、時すでに遅く、ケーシーによって何かしらをされたのか、ゲルニオは両膝を地につけた後に、力なく倒れ込む。
「おのれ!」
横薙ぎにてゲルニオより離させようとしたが、その一振りはいい意味で期待を裏切る。
白刃はケーシーを捉え、胴をバッサリと斬る感覚がアルコンの諸手に伝わった。
「こんなに簡単に?」
斬った当人が一番の驚きであった。
だが驚きは、今度は悪い意味で裏切られる。
剣身には血は付着しておらず、斬ったはずのケーシーの姿が眼前から突如として消えた。
確かに斬った感触はあったし、未だにそれが諸手に残っている。だがいない。
「一体なんなのだ? この不安は」
「それは、お前さんが俺を倒しきれていないからだ」
「な!?」
背後からの声に、剣を逆手に持って、そのまま後方に切っ先を突き刺せば、グンッと手に筋肉の抵抗が伝わってくる。
確実に刺したとわかる感触。
振り向けば、
「なんなのだ!」
そこには誰もいない。
切っ先から剣全体を見ても、鮮血は付着していない。
なんともいえない恐怖がアルコンを襲う。
「ほら」
「くっ」
またも背後から、
「何がしたい」
「いや、いかんともしがたい実力差を見せつけようかと」
「なめるな!」
振り返り、振り上げた剣にて斜に下ろせば、確実に捉えたと、自分の目でもそれを確認できる。
「あ……」
事切れるように、ポツリとケーシー。
先ほどのゲルニオのように、両膝を地につけ倒れる。
「よし!」
今度こそはやったと、気合いを口に出す。
――――が、思いは無常に崩れ去る。
倒れたのも確認した。手応えもあった。
しかし、倒れているはずのケーシーは地に伏しておらず、存在そのものが眼前から消え去っていた。
剣を三度見れば、やはり血はついていない。
「まやかし、いや手応えは――――」
「――あるだろう?」
「何がしたいのだ。ニコ・グッドスピード……」
「さっきも言ったぞ」
「力の差か……。理解した。何をしたか教えてくれ」
「なに簡単だ。自分の気配に質量を与えているだけだ」
「面妖な。魔法か?」
「いや」
「どういう原理だ」
「職人は自分の手の内は見せないさ。自分で考えてみるんだな」
「貴様を倒して、習得する」
「前者は無理だが、後者は頑張ればなんとかなるぞ」
喋々と言葉を交え、アルコンは地面に魔法を放つ。
爆発で土煙が舞い上がり、ケーシーの視界を妨げつつ、自らは跳躍し、その場より離れた。
「姿は見えなくとも」
土煙に向かって、
「大火球」
火球の上位魔法を放てば、着弾地が大爆発。
濛々とした土煙が爆発で追いやられれば、姿をみせるのは大きな窪地。
ケーシーが直撃をしていたら、ただでは済まない破壊力であった。
今度こそは仕留めたと思いたいが、
「ずっと、後ろについてるんだが――――」
げんなりと、脱力に見舞われるアルコン。
ケーシーからは逃げられない。
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