拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-61

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 それでも諦めないところが勇者。
 剣を振り距離を取る。だが、それでもケーシーは後ろを取る。

「しつこいぞ」
「こういう戦い方なんだ」
「陰湿だな」
「アサシンだったからな」
 正面から堂々と剣戟を奏でて戦いたいというのがアルコンの好みならば、ケーシーは真逆。相性としては悪い。
 苛立ちだけが堆く積もっていくアルコン。今までは我慢していたが、それも限界が近い。
 それを目にして、やれやれと首を振るのはケーシー。

「自分の土俵で戦いたいなら、そうなるように知恵を使うんだよ」
 アドバイスをする。

「うるさい! あいにくとそんな戦い方は苦手だ! 常に全力で目の前の事に挑む! これこそ勇者だ」

「感心するよ。不器用でも、一つの事を貫くのは大事だからな」
 言えば、アルコンより離れて、正面に立つ。

「ほう、正面から挑んでくれるのか?」

「いや、そんなつもりはない。俺は元アサシンだ。正面からって考えると駄目だぞ」

「考えるのは苦手なのだ!」
 返すと、足に疾風脚ボルゾイを唱え、加速し一気に距離を詰める。
 この好機を逃したくないとの事なのだろうが、
「乗せられやすいな」
 正面からの驀地に嘆息を漏らしつつ、ケーシーはその場から動かない。
 大きく腰を捻り、回転を加えてのアルコンの横一文字。
 確実に捕捉した! 内心でそう思うのも束の間、
「さっきから同じ手に引っかかりすぎだ。苦手、苦手と口にせず、考え行動するべきだったな」
 グサリと、アルコンの背中に刺さるナイフ、そこより熱をおびていくと同時に、力が徐々に抜けていく感覚に襲われた。

「何なのだ……」

「捕捉した相手の背後に張り付き、決して離れず、確実に仕留める。見敵必殺サーチアンドデストロイと名付けている。覚えたければ、今度、教えてやる」
 自らの目に入る存在だけを捕捉していれば、背後からやられる。
 自分が刺されて、ゲルニオがどうやられたかを理解する。
 気配を纏った残像とでもいうのか、それを攻略できなかった時点で自らの負けは決定していたと、アルコンは遠のく意識の中で敗北を受け入れる。
 
 ――――どさりと音を立てて倒れれば、
「まあ、急所は外している。行動不能になってもらうだけだ」
 ナイフをしまい、拘束用のロープで手早く縛れば、近くの兵に後を任せるケーシー。

「さて、兄弟喧嘩はどうなるか――――」
 この戦いにおいて、重要な方向へと目を向けて、ケーシーは呟く。

 ――――。

「全くもって鬱陶しいったらないね。大した奴らじゃないくせに」

「酷い言いようだ」
 ヘイターは自ら剣を手にし、マルケル及び騎士団と戦う。
 馬に対して、ワイバーンタイプの亡龍の背に乗り、翼と尾にて大いに暴れ回り、数の不利を補いつつ剣を振るう。

「次から次に召喚する、僕の亡者たちを消し飛ばしてくれて!」

「解放しているんだ」

「僕から奪う事は罪だよ」
 マルケルに加わり、側面から攻撃を仕掛けるゲイアードの攻撃を捌いて、剣で突く。

「いい動きをする。根暗で術ばかりに力を注いでいたと思ったんだが」
「兄さんに勝つためには、全てを昇華させないといけないからね」
「それをもっと別の事に注ぐべきだったな」
「注げない家庭環境だったからね」
 自分が愛されていないと勝手に思い込み、外道を歩んでいてよく言うと、勘違いな自己憐憫の弟に苛立ちを覚える。

「ああ、鬱陶しい」
 纏わり付くゲイアード達の攻撃に、仮面の下では歯を軋らせ、魔法陣を新たに現出させれば、そこより亡者を召喚。

「芸が無い」
「いやいや、これだけの数を召喚している時点で最高の芸術だよ。出来ないでしょ」
「出来てもやらないな。質に重きを置きたい」
「質も最高さ。ねえ、父さん、母さん」
 ここにきて、ヘイターの一人称などが統一される。
 本気になっているという証である。
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