拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-65

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 一歩前に立つゲイアードの横に並べば、彼の手を強く握るリューディア。
 同じような強さが返ってくれば、二人で共に前へと歩き出す。

「見せつけてくれるね」
 余裕のない状態で、少しでも余裕を見せようとするヘイター。
 体に異常をきたしているようで、突如として鼻血が流れる。
 指でぬぐい去るが、止まることなく、ぽたぽたと顎を通って地に落ちる。

『ヘイター! ルネアよ!!』
 自身が思い描く大義に集ってくれた同志。
 自分の世界と口にはするが、共に戦ってくれる者には強い信頼を持って行動をともにしている。
 ヘルムの、弟を呼ぶ語気で、それは理解できた。
 だからこそ弟も、彼の元で行動しているのかと悟るゲイアード。
 当初は弟の力を利用いているだけと思ったが、それは違っていたようだ。
 向こうには向こうなりの大義と理想がある。
 
 現在は、人と魔王――――、元は神と、それに仕える者たちにより、局地的な戦闘が行われている。
 一般の人々に極力迷惑をかけないで行われる戦闘。
 その中で違反を取り締まり、壊れた大地を修復する整備局員。
 違反を行えば、大抵の人々はそれに従い、官庁は違令管理課において、罰則を素直に受ける。
 勇者一行に魔王軍。きちんと罰則を受ける。
 力と力のぶつかる世界で、そこはきちんと対応する。正直へんな世界ではある。力で黙らせればいいだけなのに、それをせずに罰則を受ける。
 本当にへんな世界。しかし、今はそれで上手く回っている。
 現在を歪んだ世界と考え、ヘルムが大義を掲げる。そして、同志に対しては本気で心配をする。
 指導者としては優れている方だろう。
 しかし、自分の世界と口にする者の箍が外れれば、自分の思い通りにならない者たちに対して、力を振るう世界になるのは容易に理解できる。
 それは闇に支配される未来――――、
「そんな世界は受け入れられない」
 心底の思いは、語末になれば独白になっていた。
 リューディアと共に一足飛びでヘイターへと接近。

「兄さんならともかく、リューディアまでこうも動けるってのがね」
「これが私の新術だ」
「気になってたよ」
「名はプログレス。死者を成長させる死霊魔術ネクロマンシー
「なんだそれ。でたらめだね」
「お前が言うなよ」
 ゲイアードの新術。プログレス
 当人が言うように、死者を成長させる魔法。
 ヘイターはでたらめとは言うが、体験しているからか、あり得ないなどの、否定的な言葉を口にする事はなかった。
 橋にてリューディアが見せた徒手空拳がそれである。
 生前はそんな力は無かったのに、自分に仕掛けて来た時の鋭さは達人であった。
 リューディア自身もスペシャルなどと言い、訳の分からない事をと、その時は思っていたが、兄の新術が原因となれば得心はいく。
 本来、死者は、死ぬ寸前の能力状態で固定される。
 その理を超える事を兄がやった。
 自分だけが新術を開発したと思っていたら、兄は死霊魔術師ネクロマンサーの理を超える魔法を開発していた。

「まったくもって看過できないね。僕の黒の親友ツルナ・ルカこそ最高の死霊魔術ネクロマンシーのはずなのに」

「いや、あれは凄い魔法だ。もしあれを街中まちなかで使用されていたら最悪だったはずだ」

「まあね。でも、ヘルムさんが嫌がるからね」
 ヘルムの矜持に救われたと考えるゲイアード。
 もし、彼等が王都にて行動を起こした時、黒の親友ツルナ・ルカを使用されていたら、避難していた民に大規模な被害をおよぼしていた。
 たった一人で容易く街を制圧し、同時に戦力を作り出す黒の親友ツルナ・ルカ
 戦略で考えるなら、自身のプログレスは、黒の親友ツルナ・ルカには遠く及ばない。

 素直にそう口にすれば、
「殊勝だよ兄さん。僕の方が上だとようやく理解してくれたね」
「お前が上などとは考えていないが、一流だというのは認めている」
「認めているとか! その辺が見下してるように思えちゃうんだよね!」
「素直に言葉を受け入れればいいんだ。褒められているならそのまま受け取れ。歪んで受け取るのがお前の欠点だ」
「うるさい!」
「言葉に詰まれば、うるさいだの黙れだのとしか口にしない。子供め」
 苛立ちから放たれるヘイターの拳。
 ヘイターの拳は、程度としては並より上くらいのもの。
 悪くもないが、凄いとも言いきれない拳打である。
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