拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-69

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「やるね~」

「まったく、どうしてくれる。これは借り物の鎧なのに」

「まあ、自分で弁償しな」
 鎧の胸部分には、書いた通りの切り口が出来、奥から鎧下着が窺える。

「なんだよ。普通の下着じゃないのか。残念だな」

「こんな状況でも軽口が出るだけ貴男は余裕がある」

「頬を紅潮させてるお宅は余裕がないのかな?」
 飄々と肩で双剣を担えば、小馬鹿にしたように笑いを見せる。

「その剣の攻略が出来なければ、勝つのは難しい」
「俺としてはお宅を攻略したいね」
「無理な話だね」
「傷つくぜ。いきなりの失恋だ」
 双剣を振れば、氷塊が現出し、サージャスへと向かって勢いよく飛翔する。

「それは問題ない」
 容易く魔法で迎撃すれば、ダイアンの兵仗に警戒を強める。

「とどけ我が思い」
 などと口にしつつ、双剣をサージャスの間合いの範囲外で振れば、即座に後方に下がるサージャス。
 それでも――――、
「少し揺れる」

「俺の魅力にクラクラだ」

「それはない」
 ふらつきつつも、きっぱりはっきりと言いきる。
 とはいえ、近づくのは難しい。
 そもそもが、どういう原理なのか、感覚を狂わせる不思議な能力。
 周囲の幹部に聞けばいいのだろうが、捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデがいる限り、無尽蔵に復活するフサルクを相手にしている最中に聞くのは邪魔になる。
 そもそも相手にしている理由が、自分を前に進めるための行為だという事もあり、余計に気をつかってしまうサージャス。
 
 剣身の中心が空洞になっている作り、そこにこの剣のカラクリがあると考える。
 わざわざ強度を落とすような作り。
 戦女神が作りだしたものだから、強度は問題ないのだろうが、それでも、わざわざあの形状にする意味。
 ――――そこで頭によぎったのが、冒険をする中で、少数部族の儀式を目にした時、あのような形状の木剣を使用していた事を思い出す。
 振れば、高い音色を奏でていた。

「――――なるほど」

「なんだ? 急に」
 得心がいったと、柏手を一つ。

「ずばり、狂乱の乙女ゲルの正体は音」
「音なんて出てないだろ」
「耳には聞こえない音。その音の衝撃が、ボクの耳から半規管を乱した。だから世界がグルグルと回ったようになった。体を回転させて目を回すのに似ている。その剣の方が強烈だけど」
「――――正解だよ」
「よし!」
「で、喜ぶのはいいが、攻略法は?」
「それはこれから考えるよ」
 勝ち気な笑みで伝えているのに、まだ無策。
 だが、自信に満ちている姿に、ダイアンは大したものだと、口角を少しだけ上げた。
 原理が分かればと、サージャスは強気に自ら接近を行う。

「蛮勇か!?」
「勇猛果敢と訂正してもらいたい」
「来いよ、向こう見ず」
「勇猛果敢だってば!」
 口論を一通り行えば、願望破壊の乙女ラーズグリーズの穂先を双剣へと定める。
 触れなければ脅威ではないと、自慢の氷結魔法にて壁を作り、進行を遅らせつつ、遮蔽物の後方から氷結魔法で攻撃。

氷結女王ヴィルジナル
 サージャスの眼前で、刺々しい氷の塊が出来れば、今回は一気に成長し、氷の女性像が数体現れ襲いかかる。

「すでに見たものは脅威じゃない」
 と、赤いチャクラを纏い、移動速度を上げれば、通過するだけで半分ほどの氷の女性像が粉々に砕け散った。

「こっちは見慣れたけども、脅威だぜ! その赤いの!」
 目で捉えるのも難しい高速移動で間合いを詰められれば勝ち目は薄いと、白髪を揺らして、残っている左目だけで懸命にサージャスの動きを追う、隻眼のダイアン。
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