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レコンキスタ
PHASE-72
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「ハハ――――」
継いで、口から出るのは笑い。
「こりゃ、逆立ちしても勝てねえ」
振ろうとすれば剣身に魔法を当てられる。その間にも徐々に距離を詰めるサージャス。
「おっしゃぁぁぁぁぁぁ!」
覚悟を決めたのか、両腕に全力を込めて狂乱の乙女を振ろうとすれば、トゥーンと、先ほどまでの雹弾による劈くような音ではなく、小気味のいい独特な音が響く。
兵仗がぶつかり合った時に発生する音。
即ち、サージャスが手にする願望破壊の乙女の穂先が、狂乱の乙女に触れたという事であった。
「くっそ!」
残ったもう一振りで、と、行動に移せば、そこはすでにサージャスの間合い。
剣と魔法だけでなく、体術も得意とする彼女の間合い。
足をトンッと軽くダイアンの左肘窩へと乗せれば、それだけで振ろうとする腕の動きを制する。
次には小気味のいい音が再び響いた。
「振ってみて」
試しにと、距離をとって言う。
「にゃろ~」
挑発に乗ってやろうと、力一杯に双剣を振る。
「……やっぱ効果ない?」
自信なくダイアンが首を傾げつつ問う。
「まったくもって!」
勝ち気な笑みを質問者へと向けて、サージャスが驀地。
「上等だよ! 効果はなくなっても、切れ味は抜群なんだよ」
「まったくだね。最高の鎧を損傷させたのは許せない!」
発言はやぶ蛇だったと痛感するのは、サージャスの目で追えない速度での接近で懐に入られた時である……。
「手加減してもらえると助かるね~」
「じゃあ、ちょっとだけ」
口角を上げる小柄な少女が見上げてくれば、愛らしいなどという感情よりも、おっかないという感情の方が大きい。
赤いチャクラを纏ったサージャスは手加減をしてやるように、チャクラを全て放つのではなく、拳に、全体から少しずつ集めた状態で維持し、拳に頭サイズのチャクラを纏わせれば、腰を回転させて、脇を締めての一撃をダイアンの腹部に叩き付ける。
「きっつ……」
自慢の火龍の鎧。直撃した部分が激しく砕け、衝撃で眼帯が宙に舞い、ダイアンも地上へと落下すれば――――、戦闘継続は不可能というのが容易に見て取れた。
反応も無く、近くに兵仗である狂乱の乙女が、一振りは地に突き刺さり、一振りは地に転がる。
「よし!」
ようやく強敵を倒したと、サージャスは宙に浮けば、地上に向かって大きく首肯し、本来の目標である捷利嚮導の乙女へと視線を移す。
――。
「なんだよ。大したことねえな」
コソコソと、ダイアンの側にある狂乱の乙女へと向かって、空間から手と顔だけを出す存在。
サージャスがこちらを見ていない事を確認して現れる小心者。
手にしたワンドに、垂れ目の金髪。
グリーである。
「コイツを手に入れれば――――」
旗色が悪いがまだ分からない状況。
狂乱の乙女を手にしてグリーが考えるのは、回収したこれをヘルムへと渡して評価を上げるか、このままこちらが負ければ、これを持って、どこぞの貴族にでも多額で売り飛ばすかと思案。
後者のほうが旨味があると考え、戦いが終わるまで身を潜めようと、手に入れた兵仗を脇へと抱え、プールに気付かれる前に空間の中に急ぎ隠れようとしたところで、むんずと腕を掴まれた。
「いだだだだだ!」
ギシギシと軋む音が、自分の腕から響いてくる。
大きな手がグリーの手を掴んでいた。
褐色の丸太のようにたくましい上腕。
グリーの腕がまるで小枝のように思えるくらいに大きな手であった。
継いで、口から出るのは笑い。
「こりゃ、逆立ちしても勝てねえ」
振ろうとすれば剣身に魔法を当てられる。その間にも徐々に距離を詰めるサージャス。
「おっしゃぁぁぁぁぁぁ!」
覚悟を決めたのか、両腕に全力を込めて狂乱の乙女を振ろうとすれば、トゥーンと、先ほどまでの雹弾による劈くような音ではなく、小気味のいい独特な音が響く。
兵仗がぶつかり合った時に発生する音。
即ち、サージャスが手にする願望破壊の乙女の穂先が、狂乱の乙女に触れたという事であった。
「くっそ!」
残ったもう一振りで、と、行動に移せば、そこはすでにサージャスの間合い。
剣と魔法だけでなく、体術も得意とする彼女の間合い。
足をトンッと軽くダイアンの左肘窩へと乗せれば、それだけで振ろうとする腕の動きを制する。
次には小気味のいい音が再び響いた。
「振ってみて」
試しにと、距離をとって言う。
「にゃろ~」
挑発に乗ってやろうと、力一杯に双剣を振る。
「……やっぱ効果ない?」
自信なくダイアンが首を傾げつつ問う。
「まったくもって!」
勝ち気な笑みを質問者へと向けて、サージャスが驀地。
「上等だよ! 効果はなくなっても、切れ味は抜群なんだよ」
「まったくだね。最高の鎧を損傷させたのは許せない!」
発言はやぶ蛇だったと痛感するのは、サージャスの目で追えない速度での接近で懐に入られた時である……。
「手加減してもらえると助かるね~」
「じゃあ、ちょっとだけ」
口角を上げる小柄な少女が見上げてくれば、愛らしいなどという感情よりも、おっかないという感情の方が大きい。
赤いチャクラを纏ったサージャスは手加減をしてやるように、チャクラを全て放つのではなく、拳に、全体から少しずつ集めた状態で維持し、拳に頭サイズのチャクラを纏わせれば、腰を回転させて、脇を締めての一撃をダイアンの腹部に叩き付ける。
「きっつ……」
自慢の火龍の鎧。直撃した部分が激しく砕け、衝撃で眼帯が宙に舞い、ダイアンも地上へと落下すれば――――、戦闘継続は不可能というのが容易に見て取れた。
反応も無く、近くに兵仗である狂乱の乙女が、一振りは地に突き刺さり、一振りは地に転がる。
「よし!」
ようやく強敵を倒したと、サージャスは宙に浮けば、地上に向かって大きく首肯し、本来の目標である捷利嚮導の乙女へと視線を移す。
――。
「なんだよ。大したことねえな」
コソコソと、ダイアンの側にある狂乱の乙女へと向かって、空間から手と顔だけを出す存在。
サージャスがこちらを見ていない事を確認して現れる小心者。
手にしたワンドに、垂れ目の金髪。
グリーである。
「コイツを手に入れれば――――」
旗色が悪いがまだ分からない状況。
狂乱の乙女を手にしてグリーが考えるのは、回収したこれをヘルムへと渡して評価を上げるか、このままこちらが負ければ、これを持って、どこぞの貴族にでも多額で売り飛ばすかと思案。
後者のほうが旨味があると考え、戦いが終わるまで身を潜めようと、手に入れた兵仗を脇へと抱え、プールに気付かれる前に空間の中に急ぎ隠れようとしたところで、むんずと腕を掴まれた。
「いだだだだだ!」
ギシギシと軋む音が、自分の腕から響いてくる。
大きな手がグリーの手を掴んでいた。
褐色の丸太のようにたくましい上腕。
グリーの腕がまるで小枝のように思えるくらいに大きな手であった。
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