拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-74

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「まったく、あんな乱痴気騒ぎの狂った土塊たちを呼びおって。錆色頭の土く――――!? 何をするか!」
 シズクが炯眼にて、邪神に向かって氷の雨を降らせる。

「ピート様のお考えを侮辱するのは許さないわ。それに、あそこには私の部下もいる。発言は考えてからするべきね」

「それには賛同する」
 と、ここでカグラも参加。
 なぜ姉がここで賛同を? などと思いつつも、ピートに対する発言を撤回するように邪神へと凄むシズクとカグラ。
 二人の圧に流石の邪神も後退り。

「皆様、隙がありすぎます」
 ガルエロンが大声で発せば、続いてヘルムが、捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデに攻撃を実行させる。
 輝く頭部が、言い合う三名を捉える――――。

「てい!」
 次には気迫のこもった声と共に、捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデの顎先に、サージャスの手にする願望破壊の乙女ラーズグリーズが見舞われた。
 独特な小気味のいい音が響けば、頭部からの魔力粒子砲は、捕捉していた者たちを狙う事が出来ず、明後日の方向に発射される。
 ――――上空の雲に当たれば、ぽっかりと穴が空き、そこより光芒がさしてくる。

「お待たせしました」

「遅いぞ!」

「すみません」
 声を荒げる邪神に対して、典雅な一礼で謝罪するサージャス。

「いちいち頭を下げることはない。敬語も使うだけ無駄だ」

「そうそう、下げるほどの価値もないから」
 と、カグラとシズクの姉妹がそう言えば、
「えぇ……」
 何とも悲しそうな声を漏らす邪神。
 心底では結構、捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデの攻撃を防ぎ、全体を守っていたと自負していたのに……。
 サージャスが前線に立てるように健闘していたのに……。
 とくに、シズクの下げるほどの価値もないという発言には、相当に傷ついたようである。

「ここからは全てを出し切ります」
 落ち込む邪神を余所に、ようやく本腰を入れて捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデと戦えると、闘気みなぎるサージャスの気概を受け取れば、魔王幹部も首肯で応える。

「で、どうします?」
「なに? いたの」
「え!? いやいや、必死に戦ってましたけど。シズク様たちの側で」
「全然気付かなかったわね。まだまだ幹部を名乗れる力は無いかしら」
「えぇ……」
 邪神と似た声を漏らすのはちびっ子風雷王。
 側では同様に励んでいた壌獣王も影が薄いと、シズクに落ち込まされる。
 彼等も幹部として恥ずかしくない実力を有しているのは確かだが、それ以上に力を持つ姉妹と不死王の前では、どうしても存在が薄くなってしまうようである。

「この子が手にする願望破壊の乙女ラーズグリーズで、捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデが無効化するまで突き続けるんだから、その小さな体を前面に出し切って戦い続けなさい。少しは目立てるわよ。その小さな体でも」
 氷竜王の冷たい言葉に、邪神の横でテトが落ち込む。
 普段は愛らしい姿から、女性から黄色い声援を受けるが、姉妹にはいっさい通用せず、妹の方からは、心が凍りつくような発言を投げ続けられる。
 キドは自分もなにか言われるのではと、内心ドギマギしていたが、何も言われる事はなかった。
 それはそれで、存在感の無さを痛感させられ、寂しげな目で姉妹の背中を見る。

「じゃあ、目立てるように、本気でやってやりますよ!」
 上空に食指を向ければ、準備万端とばかりに逆立った金髪がさらに逆立ち、これから攻撃をという時に、
「最初から本気でやれ」

「あ、はい……」
 出鼻を挫かれるように、カグラに睨まれる。
 
 コホンと咳払いを一つ行ってから、
「我が雷は、大地を穿つ巨大な顎門。雷蛇神ソール・イオルムンガンドル
 食指を向けた直上には暗雲が生まれ、そこより一筋の雷がテトの食指へと落ちれば、指に留まる。
 食指を捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデへと勢いよく向ければ、雷が蛇行し、先端は大口を開いた生き物のような形状となって、対象に襲いかかる。
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