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レコンキスタ
PHASE-100
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「なあ……、頼むよサージャス…………」
グリーが弱々しく言う先。振り返ればサージャスさんが立っていた。
サージャスさんが歩き出せば、英雄に対して皆が避けていき、道が出来る。
「情けない姿だね」
「だろ。だから助けてくれ~」
本当に情けねえ……。
懇願する垂れ目が何とも気持ち悪い。
サージャスさん、嘆息を漏らしてる。
「強くなってよグリー」
と、一言。
言われるグリーは、何のことなのか疑問符が頭内を支配しているようだ。
「冒険者として、もう一度やり直して違反金を払うんだよ。ボクもパーティーだったし、支払いはこのまま行っていくつもりだよ」
「「「「え!?」」」」
こんな男のために支払いを続けるとか、皆さん驚きですよ。
「流石だぜサージャス!」
歓喜の声音に変わった。
「ちゃんと支払いを全うしよう」
「するする♪」
これは絶対にしないぞ。皆さんもそう思っているから、軽薄なこの男に対して、怒りの感情を纏っている。
「信じるんですか?」
「勇者ですから」
勇者ですから。この発言で周囲は黙ってしまう。
挑み、逃げず、挫かれない存在であるのが勇者。
その勇者様が決めた事ならと、無理矢理に納得しようとしている。
「さあ! 稼ぐぞ! 見とけよ。この罪を償ったら冒険者として何だってやってやるぜ」
サージャスさんと違って、全くもって心に響いてこない発言だ。
だけど、いま何だってやってやるって言ったな。
――――そうか、何でもか――――。
じゃあ、やってもらおうか。
きっと今の僕は悪魔のような笑みを浮かべているのだろう。
「ナイゼルさん」
おもむろに呼べば、素直に来てくれる。
虹彩のない見ただけで強いと理解できる男が、グリーの前に立てば、今まで経験した事が無いくらいに怯え始める。
「なんでしょう?」
「この方、違反がありまして、罰則を受けないといけないんですよね。でも改心して、何でもするって言ってるんです」
「はあ?」
いまいち分かっていないようだ。
「で、この方、莫大な違反金を有してまして。なんと――――、二億ほど!」
「少額ですね」
――……うん……。少額じゃないです……。
即答で少額とか返してくる額じゃないです……。
ガチ勢の金銭感覚が怖すぎる。
少額とサラッと言うと、周囲がどん引きだ。
まあ、そこはいい。
「無理なお願いなんですが、ご相談を聞いてもらえますか?」
「ピートさんのお願いなら、二つ返事で何だって聞き入れますよ」
僕たちのやり取りに、他のヴィン海域の方々もなんだなんだと、やって来る。
こうなると、今までいた冒険者の方々は遠巻きで眺めるスタイルに変更。
よほど怖いと見受けられる。
グリー。今回だけは同情してやる。――――なんて思わない。
「このグリー氏をヴィン海域の戦闘に参加させてくれませんか。MVPを獲得するのは一生かかっても無理かもしれませんが、個人が二億を普通に支払うとしても、一生かかっても無理です。なら、一攫千金のチャンスを与えるのも、違反金を受け取る側の勤めなのではないかと思いまして」
僕の喋々とした会話の内容が理解できていないのか、グリーはポカーンと、アホみたいに口を開いて話を聞いていたが、
「――――ちょっと待て!」
思考の回転を終えたようで、大量の汗を流しながら僕に制止を求めてきた。
「どうしました?」
分かってるけど、営業スマイルで話を聞いてあげるスタイル。
「冗談だろ?」
「僕がこんな事を冗談で言うわけないでしょ。整備局員ですよ。つまりは公務員です。公務員が公務で冗談を言うわけないでしょ。問題になりますよ。ハハハハ――――」
乾いた笑いを添えてあげました。
いや~ここまで顔面蒼白になるのも珍しいもんだ。
垂れ目の泣き顔って、最高の組み合わせだな。
グリーが弱々しく言う先。振り返ればサージャスさんが立っていた。
サージャスさんが歩き出せば、英雄に対して皆が避けていき、道が出来る。
「情けない姿だね」
「だろ。だから助けてくれ~」
本当に情けねえ……。
懇願する垂れ目が何とも気持ち悪い。
サージャスさん、嘆息を漏らしてる。
「強くなってよグリー」
と、一言。
言われるグリーは、何のことなのか疑問符が頭内を支配しているようだ。
「冒険者として、もう一度やり直して違反金を払うんだよ。ボクもパーティーだったし、支払いはこのまま行っていくつもりだよ」
「「「「え!?」」」」
こんな男のために支払いを続けるとか、皆さん驚きですよ。
「流石だぜサージャス!」
歓喜の声音に変わった。
「ちゃんと支払いを全うしよう」
「するする♪」
これは絶対にしないぞ。皆さんもそう思っているから、軽薄なこの男に対して、怒りの感情を纏っている。
「信じるんですか?」
「勇者ですから」
勇者ですから。この発言で周囲は黙ってしまう。
挑み、逃げず、挫かれない存在であるのが勇者。
その勇者様が決めた事ならと、無理矢理に納得しようとしている。
「さあ! 稼ぐぞ! 見とけよ。この罪を償ったら冒険者として何だってやってやるぜ」
サージャスさんと違って、全くもって心に響いてこない発言だ。
だけど、いま何だってやってやるって言ったな。
――――そうか、何でもか――――。
じゃあ、やってもらおうか。
きっと今の僕は悪魔のような笑みを浮かべているのだろう。
「ナイゼルさん」
おもむろに呼べば、素直に来てくれる。
虹彩のない見ただけで強いと理解できる男が、グリーの前に立てば、今まで経験した事が無いくらいに怯え始める。
「なんでしょう?」
「この方、違反がありまして、罰則を受けないといけないんですよね。でも改心して、何でもするって言ってるんです」
「はあ?」
いまいち分かっていないようだ。
「で、この方、莫大な違反金を有してまして。なんと――――、二億ほど!」
「少額ですね」
――……うん……。少額じゃないです……。
即答で少額とか返してくる額じゃないです……。
ガチ勢の金銭感覚が怖すぎる。
少額とサラッと言うと、周囲がどん引きだ。
まあ、そこはいい。
「無理なお願いなんですが、ご相談を聞いてもらえますか?」
「ピートさんのお願いなら、二つ返事で何だって聞き入れますよ」
僕たちのやり取りに、他のヴィン海域の方々もなんだなんだと、やって来る。
こうなると、今までいた冒険者の方々は遠巻きで眺めるスタイルに変更。
よほど怖いと見受けられる。
グリー。今回だけは同情してやる。――――なんて思わない。
「このグリー氏をヴィン海域の戦闘に参加させてくれませんか。MVPを獲得するのは一生かかっても無理かもしれませんが、個人が二億を普通に支払うとしても、一生かかっても無理です。なら、一攫千金のチャンスを与えるのも、違反金を受け取る側の勤めなのではないかと思いまして」
僕の喋々とした会話の内容が理解できていないのか、グリーはポカーンと、アホみたいに口を開いて話を聞いていたが、
「――――ちょっと待て!」
思考の回転を終えたようで、大量の汗を流しながら僕に制止を求めてきた。
「どうしました?」
分かってるけど、営業スマイルで話を聞いてあげるスタイル。
「冗談だろ?」
「僕がこんな事を冗談で言うわけないでしょ。整備局員ですよ。つまりは公務員です。公務員が公務で冗談を言うわけないでしょ。問題になりますよ。ハハハハ――――」
乾いた笑いを添えてあげました。
いや~ここまで顔面蒼白になるのも珍しいもんだ。
垂れ目の泣き顔って、最高の組み合わせだな。
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