拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-102

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「もうちょっと感謝の言葉を口にしましょうね」

「む、ピートか。妾のために働けるだけでも幸せであろう。これで感謝など口にすれば、嬉しさから興奮して死んでしまうかもしれん」
 全く、流石はあの邪神の妹だ……。
 性格は完全に一致してるじゃないか。
 同族嫌悪って言葉がこの妹にぴったりだな。
 似てるからこそ、兄の事を嫌うんだよ。

「はよう! 妾に力を」
 はあ……。ため息しか出ない高慢ちきだ。
 ここはグリグリをしてあげるのがいいのかな~。

「なんじゃピート。妾は結構に力が戻っておる。お前は今では、妾に太刀打ちできんぞ」

「そんな事ばかり言ってると、皆さんに嫌われますよ」

「嫌われるわけがなかろう。妾を誰と心得る。――――妾じゃぞ」
 自惚れ具合も兄譲りじゃねえか……。

「主、ピート殿の言うように、もう少し節義を持って応対すべきです」

「なに!?」
 本日一番の驚きの顔を見せる魔王さん。
 それもそのはず、絶対的な忠誠心であるはずのカグラさんからの発言。
 まあ、具申する立場だから当然なんだろうけど、この魔王さんの驚きからするに、普段はこの程度だと、いちいち注意をする事はなかったんだろうな。
 今回は多くの善意から集っているからね。それに対しての非礼は感化できないといったところだろう。

「ちょっと姉さん。あからさまなポイント稼ぎかしら」
 おやシズクさん。ナイゼルさん達と帰ってなかったか。

「いや、そんなつもりは……」
 焦るカグラさん。妹さんには弱いようだ。

「え、嘘じゃろ。本当なの……? カグラのやつ本気で……」
 僕とカグラさんに顔を往復させる魔王さん。
 なんだ?

「話を詳しく――――」
 魔王さん、カグラさんに詰め寄ろうとしたところで、
「あった!」
 と、声を出したのはエルンさん。
 魔王討伐をこころざし、スミーの村から旅だった勇者殿が、今では瓦礫の埃で全体を汚しながら、兵仗を見つけて笑顔だ。
 話を聞こうとするが、その声に魔王さんの首が反対を向き、急ぎそちらへと小さな体で駆け寄っていく。

「――おお! おお、おお!! でかしたぞ勇者よ」

「ありがとうございます」
 魔王に賞賛されて、深々と頭を下げて喜ぶ勇者の姿がそこにはあった……。

集約の乙女ゲンドゥル郭大の乙女フリスト、おお! そうじゃ!! 隠匿の乙女ヘルヴォルもであったな!」
 マント状の兵仗か――――、そういえばあったな。
 存在を忘れていたよ。すっかりとね。
 しかし、流石は隠匿の名を冠した兵仗だ。魔王さんですら忘れていたんだから。
 五つじゃなくて六つに訂正だな。
 
 しっかりと確認しないから、訂正しないといけないんだ。誰にとは言わないけども。
 
 嬉しい誤算というか、単純に忘れていたってだけなんだけども、プラスで一つ追加された事に喜びながら、三つの兵仗を体の中に吸収していく。

「おお!? おお!」
 今までにない魔王さんの輝き。
 紫の輝きは禍々しい印象だが、眼前の輝きは優しく神々しい。
 魔王さんが神なのが理解できる輝きだ。

「きたきたきた! 久しいぞ! 力の奔流を体内に感じる!」
 光が更に強くなっていくが、不思議と目を塞ぐという事をしなくていい。
 眩むことなく見続ける事が出来る。

「今まで――――、すまなかったの」
 と、基本は上からな発言しかしない魔王さんが、何とも優しい声音。
 誰に言っているのか、それは何となく分かる。

「娘の体を返すぞ」
 やはりか。
 魔王さん、兵仗が体に戻って、自立できるくらいの力を取り戻したようだな。
 紫色の光の粒子がレインちゃんの体から出て行く。
 力なくレインちゃんが地面に伏しそうになったところをケーシーさんがすくい上げる。
 粒子の前には魔法陣が現出。
 円形の魔法陣の中に粒子が入れば、反対側から粒子が出て来る。
 出てきた粒子が人の形を象っていけば、徐々に姿がはっきりとしていき、
「ふぅ」
 と、嘆息を漏らした。

「「「「ふぅ~」」」」
 と、嘆息を漏らした。
 その場にいる男たちが。もちろん僕もその中の一人――――。
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