拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

文字の大きさ
590 / 604
レコンキスタ

PHASE-103

しおりを挟む
「――――ふむ」
 指を動かしたり首を動かし、体の調子や感覚を確かめているようだ。

「よし! 鏡」
 そう言えば、どこから出したのか、カグラさんが姿鏡を出し、そこに自分を映し出している。
 様々なポージングを行えば――――、
「どうじゃピート!」
 鏡を見た後の開口一番は、僕の名を口にしつつの、食指をビシリと向けてくる所作。

「どうと言われれば、とてもお綺麗な方だなと」

「さもあろう、さもあろう」
 上機嫌である。
 艶やかな紫色の髪はくせ毛もなく真っ直ぐで、踝付近まで伸びている。
 僕の発言にご満悦なのか、勝ち気な笑みにより白い歯の覗かせて、銀色の瞳が嬉しさで煌めいていた。
 胸元は谷間がしっかりと見えるドレス。戦女神のはずなのに、鎧なんかは装備していない。
 純白のドレス姿は、魔王とはかけ離れた色。
 
 これが――――、本当の魔王さんの姿か。

「おお! 我が妹よ! その美しき姿はまさに我が妹!」

「逝ねい」

「なぜだ!?」
 邪神をが近づいた途端に、容赦のない雷を頭上に叩き落とした。
 それを意に介さず、問うだけの邪神。

「う~ん」
 と、現状の力に納得がいっていないようだ。
 やはり兵仗の全てが戻ってるわけじゃないから、邪神にはノーダメージ。
 まあ、それでも邪神の真下の大地は派手に抉れているけども。

「なにはともあれ、この姿に戻れたのは喜ばしい。ピートよ――――」
「はい?」
「惚れてもよいぞ」
「ふぁ!?」
 何を急に言い出すのか。

「妾に対してあれだけの力を行使したのは後にも先のもお前だけじゃ。大したものよ。気に入ったぞ」
 ――……えっと、これはあれかな? 美人な魔王さんは僕に告白しているのかな? 完全に上から目線だけど。
 戦女神。つまりは神様。
 そんな神様に僕は告白されてるのか?
 おいおい、凄いじゃないか僕。

「ゆるさんぞ!」
 おっと、もしかしたら将来お兄さんと呼ばないといけないシスコンが割って入ってきたよ。
 ――――でも、
「邪魔」
 の、一言と共に、突風が発生して邪神が飛んでいった。

「まったく鬱陶しいな。アレは! で、どうじゃ? 妾の元に来ぬか?」

「「「「!?」」」」
 え? マジなの? 僕は魔王さんといい感じな関係になれるのか?
 女性として、引っ張ってもらえるような存在がやはり魔王さんもいいのかな?
 グリグリによるポイントが高評価だったようだ。

「駄目ですよ!」
 突然の大声に驚いてしまった。
 声の主はロールさん。
 大声を発した後、なんかあわあわしている。可愛い。

「なぜ駄目なのじゃ?」
 悪そうな顔して聞いている。
 すると、ロールさんは顔を真っ赤にしてうつむいた。
 うん。可愛い。

「魔王さんは魔王です。魔王の元に行くのはよくないです」
 と言うのはサージャスさん。

「よう分からん理由じゃの。よいではないか。別にピートは冒険者ではないぞ」
「いえ駄目です。今回は共同で事にあたりましたが、一応は敵じゃないですか」
「敵であるのはお前達であって、ピートは違う。よって問題ない。のう、カグラ」
「ええ」
 首肯で返すカグラさん。

「ですが、主のところではなく、私のところでも構わないかと、王都より近いですし」
 おっと、カグラさんがここで魔王さんに意を唱えたよ。

「いやいや、妾は王都の大衆食堂に住むつもりじゃ。二階にピートが住んでおるし、いっそ妾がそこで同居人として――――」

「――――絶対に駄目です!」
 シズクさんも参戦。
 お姉さんも大きく頷いて、それは駄目だと妹さんを支持する。
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

処理中です...