拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです。

PHASE-09

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「あ、いた!」
 うん?

「お! サージャスさん」

「どうも」
 ぺこりと一礼。
 体を戻したところで鎧に目をやる。
 僕が貸し出していることになっているタイラントデスストーカーの外骨格からなる鎧。
 ダイアンよって傷をつけられたけど、その部分はタモンさんによって修復されて、ついでに細かな傷も綺麗に消えて新品同様になっていた。

「王都にはまだ滞在するんですか?」

「当分の間、留まります。王様より王都の守護をクエストとして受けたので」
 王様自らか。すごいな。流石はこの戦いを終わらせた本物の英雄である。
 どこぞの自称英雄である、煙草臭い素人とは天壌の差だ。

「離れると不安になるもんな」
 いたずらじみた笑みでそう言いながら、手ぬぐいを首にかけたドレークさんが登場。
 どうやら別の区画で肉体労働に従事していたご様子。どっからどう見ても労働者にしか見えません。
 そんなドレークさんの発言に、サージャスさんは赤面だ。
 可愛い。チラチラとこちらを見る姿が英雄とはかけ離れた、小動物的な動きで凄く可愛い。

「ありがたく食せ」
 ザイオン氏が僕を睨みつつ言ってくる。
 サージャスさんが好きだからね~。とられると思ってるのかな。
 ――――ほほう、トマトスープを鍋で持ってくるとは、作業が始まってからは、各所に露天で石窯なんかが作られている。
 この時間帯になると、方々から炊煙が上がってくるけど、そのどれかをお借りしたようだ。

「さあ、勇者が作ったのです。堪能を!」
 ズイッと至近。
 顔と顔が触れそうで困る……。
 目力も凄い。
 暑苦しい。ムツ氏ってこんなんだったっけ?

「サンドイッチにスープ。いい組み合わせだ」
 よそっていただいたスープをありがたく受け取れば、
「スープにサンドイッチ。ならば、メインの肉もいかがでしょう?」
 突如として火の玉が空から一つ降ってくれば、地に触れると火柱となり、中からカグラさんが現れた。
 派手な登場である。
 王都の行政が現状では整っていないからいいものの、本来だったら完全にアウトですよ。その登場。
 違反金を支払ってもらうレベルだ。

「昨晩ケルプト山でとれた、キングボアで作りましたアイスバインです。どうですか?」

「おお、豪快なすね肉」
 見るだけで美味いと分かるやつだ。

「急な登場で」

「私もロール殿と同じように食事を食べていただきたくて」
 キタコレ! これは完全に僕の天下ですよ。
 ごめんなさいね、周囲で男爵様の差し入れ肉を幸せそうに食べてたのに、急に冷めた目で僕を見る皆々様。

「ちょっと! だから勘違いだから姉さん!」
 と、ここでシズクさんまで登場だ。
 焦っているご様子。どこかでこの状況を見ていたのだろうか?
 王都内での空間魔法は原則禁止ですよ。先の戦いでは仕方なかったですけど、今は平時。これは姉妹に違反金をしっかりと払ってもらわないといけないな。
 妹さんの場合は、億単位のお金を少額とか思ってるヴィン海域の方だから、痛くもかゆくもないと、容易く反省もせずに支払うんだろうな。

「ピート様。ここは肉より魚介でしょう。今すぐに用意させますから」
 いいです……。半漁人サハギンの方々が鉄板と思い込んでいる、魚を切ったり食べたりする時の断末魔の後のしてやったりな笑みが凄く不快なので。
 本人は違反していることなどまったくもって気にしておらず、僕に新鮮な海鮮を提供しようと躍起になっている。

「ええい、頭が高いわ! 妾のターンじゃ」
 人垣をかき分け、倹飩箱けんどんばこを片手に持った魔王さんが登場。
 あれ魔王なんだぜ。と言って、誰が信じるだろうか……。
 頭には白い三角巾。エプロンも白。
 超絶美人が大衆食堂の料理人スタイルで僕の前にて足を止める。
 まったくもって魔王の威厳がないよ……。
 あるのは態度だけだ。
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