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あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです。
PHASE-11
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「車だしてやる」
「ありがとうございます」
空間移動魔法をと、シズクさんが言ってくるけど、王都近辺で空間移動魔法は本来、王族以外は禁止なんですよ。なので容易に使わないでくださいね。と、ここで注意をしてあげた。
僕の発言には大きく首肯して聞き入れてくれるので助かるが、多分、この方は平然と今後も空間移動魔法で王都に来るだろう。
「ではちょっと外れます」
「「「「行ってらっしゃい」」」」
お! いいね。美人のシンクロ。
カグラさんとシズクさんだけ語尾に【ませ】がついてた。
笑む僕を、顔を引きつらせて何とも面白くないといった顔で送り出すのはおっさん。レオニアさんにも駄目なとこ見られてるし。僕への当たりが特に強くなってるな。まあ、いいけど。
「午後からは挽回するように」
「うるせー! 上から物言ってんじゃねえ!!」
もう、レオニアさんとの事を考えて言ってあげてるのに、駄目なおっさんだよ。
背中でおっさんのわめく声を聞きながら出発。
――――うむ、王都には被害は出てるけど、外は平和そのものだ。
綺麗な石畳の街道。
先人達によって造られた道。
長く続くこの道を造るのにどれほどの時間を有したのか、それを新たに直し、造っていくのが僕たちの役割の一つでもある。
――……なので、それをあまり妨げないでいただきたい……。
「分かってますか?」
「「はい……」」
僕が到着する時には、皆さん正座ですよ。
弱々しく肩を落とした正座。
随分と昔のように思えてくるよ。この光景を目にするのも。
「エルンさん。それに、ンダガランさんも……」
「申し訳ありません」
今回は戦闘ということで、動きやすさ重視の、露出の高いものを着用してますね。
褐色の肌によって、色気が更に増しています。
――……じゃないよ!
「ねえ、どうして皆さんはルールを守れないんですかね。王都近辺で大魔法は原則禁止。回数も決められていると、以前もいいましたよね。どうせテンションが上がって、エルンさんがやらかしたんでしょ?」
「その通りです……」
その通りなのかよ!
「皆さんが一生懸命になって王都の復興に携わっているのに、なぜにこんなところでどんちゃんやってんですか? カグラさんもお手伝いしてるんですよ。ンダガランさん」
「申し訳ありません」
おう、DOGEZA……。ワギョウスタイルですね。
――――ふう……。双方とも困ったもんだよ……。
戦闘に至るまでの経緯を記入。
王都でエルンさんのパーティーも復興の参加。
ンダガランさんと王都で再開。
以前の事で談笑していたら、ついつい盛り上がって、楽しく再戦。で、今に至るって事なんだけども――――。
だからって、荒らすなや!
「仕事を増やさないでください」
「「「「仰るとおりです」」」」
「皆さん、復興に参加してくださってるんですよね? 妨害じゃなく?」
いつの間にか蹲踞の姿勢で前のめり。うつむく顔のエルンさんを覗き込むように僕は見ていた。
そして、はたと気付く。これって以前の整備長と同じだと。
こんな輩スタイルは良くないので、直ぐさまつと立ち上がった。
輩スタイルは怯えさせてしまう。
素人に怯える勇者御一行と、炎竜王幹部ってのも見たくないし。
「では、現場検証します。ちょっと見ただけでも、違反は免れない規模ですね……」
本日は僕一人だ。
時間短縮のために、違反証明書の記入できるところだけでも書いてもらおうと、用紙を渡しておく。
「お願いですから、少しは自重しましょうね」
「申し訳ありません」
エルンさん達には色々とお世話にもなってるし、以前みたいにフィットさんたち美人に囲まれてるからって嫉妬もしませんよ。僕も今では同じ風景を見る立場ですから。
なので、そのぶん落ち着いてこちらも応対できるというものだ。
「あなた方が荒らした大地を修復しているのは、僕たちであり、そして、皆さんでもあるんですから。こちらの確認が済んだら、皆さん協力してくださいね。人手は多いほど助かります。皆の力で直していきましょう。現状は人手不足。なので、こちらも整備局員としての矜持を捨てて、手伝ってほしいとお願いしています」
本音は、早く終わらせて、美人様たちと楽しくランチがしたいんだ。
丁度いい、ランチにはンダガランさんやフィットさん達も誘おうじゃないか。
そう考えると、こちらのやる気も出るってもんだ。
美人様たちと、平地の行き届いた人生を楽しく共に過ごす。そんな公務員に――――、僕はなりたい。
拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです! 《終》
「ありがとうございます」
空間移動魔法をと、シズクさんが言ってくるけど、王都近辺で空間移動魔法は本来、王族以外は禁止なんですよ。なので容易に使わないでくださいね。と、ここで注意をしてあげた。
僕の発言には大きく首肯して聞き入れてくれるので助かるが、多分、この方は平然と今後も空間移動魔法で王都に来るだろう。
「ではちょっと外れます」
「「「「行ってらっしゃい」」」」
お! いいね。美人のシンクロ。
カグラさんとシズクさんだけ語尾に【ませ】がついてた。
笑む僕を、顔を引きつらせて何とも面白くないといった顔で送り出すのはおっさん。レオニアさんにも駄目なとこ見られてるし。僕への当たりが特に強くなってるな。まあ、いいけど。
「午後からは挽回するように」
「うるせー! 上から物言ってんじゃねえ!!」
もう、レオニアさんとの事を考えて言ってあげてるのに、駄目なおっさんだよ。
背中でおっさんのわめく声を聞きながら出発。
――――うむ、王都には被害は出てるけど、外は平和そのものだ。
綺麗な石畳の街道。
先人達によって造られた道。
長く続くこの道を造るのにどれほどの時間を有したのか、それを新たに直し、造っていくのが僕たちの役割の一つでもある。
――……なので、それをあまり妨げないでいただきたい……。
「分かってますか?」
「「はい……」」
僕が到着する時には、皆さん正座ですよ。
弱々しく肩を落とした正座。
随分と昔のように思えてくるよ。この光景を目にするのも。
「エルンさん。それに、ンダガランさんも……」
「申し訳ありません」
今回は戦闘ということで、動きやすさ重視の、露出の高いものを着用してますね。
褐色の肌によって、色気が更に増しています。
――……じゃないよ!
「ねえ、どうして皆さんはルールを守れないんですかね。王都近辺で大魔法は原則禁止。回数も決められていると、以前もいいましたよね。どうせテンションが上がって、エルンさんがやらかしたんでしょ?」
「その通りです……」
その通りなのかよ!
「皆さんが一生懸命になって王都の復興に携わっているのに、なぜにこんなところでどんちゃんやってんですか? カグラさんもお手伝いしてるんですよ。ンダガランさん」
「申し訳ありません」
おう、DOGEZA……。ワギョウスタイルですね。
――――ふう……。双方とも困ったもんだよ……。
戦闘に至るまでの経緯を記入。
王都でエルンさんのパーティーも復興の参加。
ンダガランさんと王都で再開。
以前の事で談笑していたら、ついつい盛り上がって、楽しく再戦。で、今に至るって事なんだけども――――。
だからって、荒らすなや!
「仕事を増やさないでください」
「「「「仰るとおりです」」」」
「皆さん、復興に参加してくださってるんですよね? 妨害じゃなく?」
いつの間にか蹲踞の姿勢で前のめり。うつむく顔のエルンさんを覗き込むように僕は見ていた。
そして、はたと気付く。これって以前の整備長と同じだと。
こんな輩スタイルは良くないので、直ぐさまつと立ち上がった。
輩スタイルは怯えさせてしまう。
素人に怯える勇者御一行と、炎竜王幹部ってのも見たくないし。
「では、現場検証します。ちょっと見ただけでも、違反は免れない規模ですね……」
本日は僕一人だ。
時間短縮のために、違反証明書の記入できるところだけでも書いてもらおうと、用紙を渡しておく。
「お願いですから、少しは自重しましょうね」
「申し訳ありません」
エルンさん達には色々とお世話にもなってるし、以前みたいにフィットさんたち美人に囲まれてるからって嫉妬もしませんよ。僕も今では同じ風景を見る立場ですから。
なので、そのぶん落ち着いてこちらも応対できるというものだ。
「あなた方が荒らした大地を修復しているのは、僕たちであり、そして、皆さんでもあるんですから。こちらの確認が済んだら、皆さん協力してくださいね。人手は多いほど助かります。皆の力で直していきましょう。現状は人手不足。なので、こちらも整備局員としての矜持を捨てて、手伝ってほしいとお願いしています」
本音は、早く終わらせて、美人様たちと楽しくランチがしたいんだ。
丁度いい、ランチにはンダガランさんやフィットさん達も誘おうじゃないか。
そう考えると、こちらのやる気も出るってもんだ。
美人様たちと、平地の行き届いた人生を楽しく共に過ごす。そんな公務員に――――、僕はなりたい。
拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです! 《終》
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